■ センターフォワードは誰がベスト?「4-2-3-1」にしても、「3-4-3」にしても、重要になってくるのが、センターフォワードのポジションである。2トップという選択肢もあるが、世界的にみても、「1トップ」や「3トップ」が主流になってきていて、Jリーグでも、「1トップ」や「3トップ」を採用するチームが多くなってきた。
振り返ってみると、ザッケローニ監督になってからは、全て1トップか、3トップで、
・アルゼンチン戦(H) → FW森本貴幸
・韓国戦(A)、アジアカップ、ペルー戦(H) → FW前田遼一
・チェコ戦(H) → FW李忠成
がセンターフォワードで起用されている。
これまでのところ、FW前田がファーストチョイスになっている。2009年、2010年とJリーグの得点王で、実力も、実績も、現時点では頭一つ抜けている。1月に行われたアジアカップでも3ゴールを挙げて優勝に貢献。レギュラーポジションを確保したが、FW前田も10月で30歳となる。2014年大会のとき、33歳であることを考えると、FW前田に頼りすぎるのも危険で、一人でも多くの人材を発掘しておきたい。
■ 成長しているFW李忠成対抗馬は何人かいるが、FW李忠成は有力候補の一人である。
ペルー戦で3トップの中央で起用されたFW李忠成は、ここ1年で急激に伸びてきており、Jリーグでも好調を維持している。もしかしたら、「伸びてきた。」というよりは、結果を残すことで「自信をつかんだ。」という方が適切かもしれないが、Jリーグでも4ゴール。所属クラブでも、目覚ましい働きを見せている。
広島ではFW佐藤寿がいるので、FW李忠成のポジションは下がり目が基本になっているが、それなりに高さもあるので、CFでもプレーできる。もともと、オールラウンドなストライカーだったが、最近では、ドリブルを使って局面を打開するプレーも増えており、適度にエゴイストであることもストライカーとしては魅力である。ここ最近の勢いを考えると、代表でポジションを確保しても不思議はない。
■ 伸び悩み気味のFW森本貴幸逆に、伸び悩んでいるのが、FW森本である。セリエAのカターニャでプレーしているが、12試合で1ゴールのみ。途中出場も多く、十分なプレー機会を得ることはできなかった。2008-2009シーズンが23試合で7ゴール、2009-2010シーズンが27試合で5ゴールと悪くはなかったので、ここ1年で停滞してしまった。
身体能力は高いが、それほど起用なタイプではないので、1トップや3トップの中央に向いているとは言えないが、「ゴール前の感覚の鋭さ」や、タフなセリエAで磨いた「強さ」は魅力であり、まだ23歳であることを考えると、巻き返しは十分に可能である。カターニャというチーム自体が、アルゼンチン人が増えてきて、FW森本にとっては難しい環境になっていた。移籍が確実になっているが、チームを変えてどれだけできるかである。停滞しているが、依然として、有力な候補の一人ではある。
■ スピード抜群のFW永井謙佑ロンドン世代では、FW永井謙佑が期待を集めている。U-22日本代表の活動が優先されており、ザッケローニ監督になってからは日本代表に招集されていないが、岡田監督時代にはフル代表にも呼ばれており、すでに、フル代表デビューも果たしている。
プレースタイルを考えると、FW永井も1トップ向きではないが、U-22日本代表では、1トップとして見事な活躍を見せており、先日のオーストラリアとの親善試合でも2ゴール1アシストの大活躍。名古屋グランパスでは、サイドでプレーすることが多いが、U-22日本代表では、1トップでも十分にこなせるところを見せている。
その圧倒的なスピードは、世界トップレベルといっても過言ではなく、シュートテクニックもある。彼の存在は、フル代表を新しい次元に導く可能性を秘めている。これまでCFで起用されたFW前田、FW李忠成、FW森本とは全く異なるタイプであるが、何の問題もないだろう。
■ J1で活躍する選手ここ最近、J1のチームは、「1トップ」が非常に多く、しかも外国人選手が務めるケースもあるので、フォワードでレギュラーポジションを確保している日本人が少なくなってきている。したがって、候補に挙げられる選手は多くないが、CFタイプで言うと、横浜FMのFW渡邉千真、甲府のFWハーフナー・マイク、柏のFW田中順也、川崎FのFW矢島卓郎あたりは、今後、代表に絡んできても不思議はない。
J1の得点ランキングを見ると、日本代表のFW前田遼一、FW李忠成が4ゴールを挙げて3位タイであるが、FWハーフナー・マイクも同じく4ゴールを記録。チームの大黒柱として、十分な働きを見せている。ポストワークには課題を残すが、194㎝の高さは得がたいものがある。スタメンではなく、ベンチスタートとなっても、相手にプレッシャーをかけることができる存在である。
さらには、柏のFW田中順、横浜FMのFW渡邉千は3ゴール、FW矢島も2ゴール。3人とも、体格にも恵まれており、タフな国際試合でも当たり負けしない「強さ」は持っている。ヴィッセル神戸でポジションを確保しつつあるFW都倉賢も含めて、Jリーグでの活躍と一層の飛躍を期待したい。
もちろん、奥の手としては、南アフリカ大会と同様に、FW本田圭佑をセンターフォワードにするという策もあるが、それは、どうしようなくなったとき限定にしたいところ。多彩な才能を持った選手が集まる2列目のポジション争いも注目されるが、フォワードのポジション争いも熾烈で、まずは所属クラブでどのようなパフォーマンスを見せるか。今後も、注目していきたいところである。
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