■ グループA カタールで行われるアジアカップは1月7日に開幕する。
グループAに入ったのは、
・ カタール (114位)
・ ウズベキスタン (109位)
・ 中国 (87位)
・ クウェート (102位)
の4チームである。
① カタール
→ 先日、2022年のワールドカップ開催が決定したカタール。しかし、ワールドカップ出場経験はなく、2014年、2018年のどちらかのワールドカップに出場しないと、開催国枠で初出場を果たすという不名誉な記録を作ってしまう。今回、ホームで行われるアジアカップなので、最低でもグループリーグを突破しなければならない。
監督を努めるのはフランス人のブルーノ・メツ。2002年の日韓W杯でセネガル代表を率いて、初出場ながらベスト8に導いた実績がある。当時のセネガル代表はアフリカ人特有の身体能力の高さに頼ったチームではなく、組織力もある好チームだった。日本代表が監督を探しているとき、ブルーノ・メツを監督候補に挙げる人もいるくらいである。
中心はウルグアイ出身の長身ストライカーのFWセバスチャンであり、2007年のアジアカップではオシムジャパンとグループリーグの初戦で対戦し、試合終了間際に同点のフリーキックをマークし、貴重な勝ち点「1」をもたらしたことでも知られている。南アフリカW杯大会の最終予選で日本代表と同じグループに入っており、日本の1勝1分け。カタールでの試合は3対0で日本が勝利し、横浜での試合は1対1のドローだった。
② ウズベキスタン
→ 中央アジアに位置する旧ソビエト連邦の共和国で、1991年に独立。1994年の広島アジア大会でいきなりアジアを制覇して衝撃を与えた。アジアカップは5大会連続出場を果たしており、常連国となっているが、ワールドカップ出場経験はない。
注目はFWシャツキフ。長らくウクライナのディナモ・キエフで活躍した00年代のアジアを代表するストライカーでUEFAチャンピオンズリーグでも活躍した。すでに32歳になったが、ウズベキスタンを象徴する選手である。また、2008年のAFC年間最優秀プレーヤーのMFジェパロフも注目したい。
大柄な選手が多く欧州的なサッカーを見せるが、日本を苦手としており、1997年のフランスW杯アジア最終予選では初戦で日本と対戦し、FW三浦知良に4ゴールを奪われて、3対6で敗戦。また、2000年のレバノン・アジアカップではトルシエジャパンとグループリーグで対戦。1対8と惨敗している。
③ 中国
→ 2002年の日韓大会でW杯初出場。2004年の地元開催のアジアカップで準優勝と波に乗っていた時期もあったが、2006年大会と2010年大会はアジア予選で敗退。しかし、2010年2月に行われた東アジア選手権では韓国、日本を抑えて優勝を果たし、復活の兆しを見せると、W杯直前に行われたフランスとの親善試合ではドメネク率いるフランスに勝利を飾って世界を驚かせた。
注目はドイツのシャルケでDF内田篤人のチームメイトであるMFハオ・ジュンミン。レギュラーではないが、試合に出場したときは、右サイドハーフでプレーすることが多く、右サイドバックのDF内田といいコンビとなっている。
10数億人と言われる人口の中から選ばれた精鋭揃いであり、180㎝を超える長身の選手が多くて、フィジカルの強さに定評があるが、一方で、テクニシャンタイプの選手が少なく一本調子なところが難点で、「中国脅威論」はサッカー界でもずっと唱えられているが、日韓に肩を並べるまでは至っておらず、先日、行われたアジア大会でも関塚ジャパンに0対3で完敗したが、いい素材がいるのは間違いなく、ポテンシャルは高い。
中国人のJリーガーは非常に少なく、1993年の創設当時、ガンバ大阪でDF賈秀全がプレーしていた。1984年のアジアカップではチームは準優勝に終わったが、DF賈秀全は大会MVPに選ばれている。
④ クウェート
→ 1990年代初めにイラクに侵略されたことが湾岸戦争の引き金になったことで知られる。1982年のスペインW杯に出場しており、イングランド、チェコスロバキア、フランスと同じグループに入って、0勝2敗1分け。グループリーグ突破はならなかった。フランス戦でアラン・ジレスのゴール判定に怒ったファハド王子がグラウンドに降りてきて抗議して問題になったことはよく知られているエピソードである。
W杯に出場したのはこの1回のみであるが、1996年のアジアカップで準々決勝で加茂ジャパンと対戦し、2対0で勝利。FWフーウェイディという長身のストライカーが大活躍し、4位に入った。アジアカップは得意としており、1980年は優勝、1976年は準優勝、1984年は3位と好成績を残している。
11月末から12月初めに行われたガルフカップ(ペルシャ湾湾岸諸国のナショナルチームが参加する)では、グループリーグで、カタールに1対0、イエメンに2対1、サウジアラビアに1対1。2勝1分けでグループリーグを突破し、準決勝でイラクに2対2でPK戦の末に勝利し、決勝でもサウジアラビアに1対0で勝利。見事に優勝を飾っており、いいムードで大会に臨んでくるはずである。
チームの中心は2010年のAFC年間最優秀プレーヤー候補にノミネートされているFWアル・ムタワ。しかし、先日、練習中に怪我をして出場が危ぶまれているという。グループAは4チームの実力が拮抗しており、彼が抜けると大きな痛手となる。
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