■ グループB カタールで行われるアジアカップは1月7日に開幕する。
グループBに入ったのは、
・ 日本 (29位)
・ サウジアラビア (81位)
・ ヨルダン (104位)
・ シリア (107位)
の4チームである。
① 日本
→ アジアカップは8大会連続出場。1992年、2000年、2004年と過去の5大会で3度、アジアを制している。また、W杯も1998年、2002年、2006年、2010年と4大会連続出場。南アフリカW杯ではベスト16に入るなど、近年、飛躍的な成長を遂げている。W杯後、イタリア人監督のザッケローニ氏を招へいし、さらに上のレベルを目指している。
チームの中心は欧州組。MF本田圭、MF長谷部、MF香川、MF細貝、MF松井、DF内田、DF長友、DF槙野、DF吉田、GK川島と10人が欧州のクラブに所属している。不安材料は経験不足か。前回大会もメンバーに選ばれていたのは、GK川島、DF伊野波、DF今野、MF遠藤の4人だけ。その中で、前回大会でレギュラーだったのはMF遠藤のみである。キャップ数が「100」を超えている2009年のAFC年間最優秀プレーヤーであるMF遠藤にかかる期待は高まる。
グループリーグで対戦する国との対戦成績は、ヨルダンとは2分け、シリアとは5勝1分け、サウジアラビアとは6勝3敗1分け。最大のライバルといわれるサウジアラビアには、前回大会は準決勝で対戦し2対3で敗れているが、1992年と2000年のアジアカップでは決勝で対戦して、いずれも日本が1対0で勝利しており、相性は悪くない。注目されるのはCSKAモスクワのMF本田圭佑とドルトムントのMF香川真司の攻撃の2枚看板である。相手の徹底マークが予想される二人が、期待通りにゴールに絡めるかが、2大会ぶりのアジア制覇のポイントとなる。
② サウジアラビア
→ 1984年、1988年、1996年のアジアカップで優勝し、1992年、2000年、2007年は準優勝。近年のアジアカップでは日本に匹敵する好成績を残している強豪チームである。W杯にも、1994年、1998年、2002年、2006年と4度出場しているが、2010年大会はアジア予選で敗退し、本大会出場はならなかった。
サウジアラビアが出場した4度のワールドカップ全てに選ばれているのが、FWアル・ジャバーとGKアル・デアイエの二人。FWアル・ジャバーはAマッチ通算で163試合で44ゴールを挙げており、2007年に現役を引退している。GKアル・デアイエはアジア史上最高のGKの一人と称されており、国際Aマッチ出場は177試合で世界記録と言われている。GKアル・デアイエも2010年に現役を引退している。
エントリーされている選手で注目は、2007年のアジアカップの日本戦でもゴールを挙げたFWアル・カフタニ。FW高原直泰(日本)、FWユニス・マフムード(イラク)と共に4ゴールを挙げて大会の得点王に輝いた選手で、2007年のアジア年間最優秀選手賞を受賞している。176㎝と高さは無いが、力強さを感じさせるストライカーである。
伝統的に守備が強くて、前線に強力なストライカーを擁するカウンター主体のサッカーであり、2007年に日本が対戦した時には、サウジアラビアのペースにはまって失点を重ねてしまった。日本とはグループリーグの3戦目に対戦するが、出来れば、両チームともに2連勝を果たしてグループリーグ突破を決めた状態で試合を迎えたい。
③ ヨルダン
→ 2004年大会以来、2大会ぶり2回目のアジアカップ出場となる。その2004年大会はグループリーグを突破し、ジーコジャパンと準々決勝で対戦。1対1でPK戦に進んだ試合は、日本の1番手のMF中村俊、2番手のDF三都主が連続して失敗。絶体絶命のピンチになったが、GK川口能活が4本連続でPKをストップする鬼神のようなパフォーマンスを見せて日本が勝利。惜しくもベスト4を逃した。W杯出場経験はない。
アジアカップ予選はタイ、シンガポール、イランと同じグループに入っており、イランとタイが有力と思われていたグループを2勝2敗2分けという成績で突破し、アジアカップ本大会進出を決めている。注目したいのは、キプロスでプレーするヨルダンで唯一の海外組であるFWアル・サイフィ。予選突破を決めたシンガポール戦でもゴールを決めている。
予選の6試合で4得点4失点。ホームではイランに1対0で勝利するなど、失点の少なさが目立つ。日本とは初戦で対戦するが、引いて守ってくることが予想される。日本としては早い時間に先制ゴールを奪って試合を優位に進めたい。
④ シリア
→ 4大会ぶり5回目の出場となる。前回出場した1996年のアジアカップではグループリーグの初戦で日本と対戦。この試合で日本は苦戦し、試合終了間際にFW高木琢也の活躍で2ゴールを奪って2対1で勝利したものの、冷や汗をかかされてしまった。W杯出場の経験はない。
監督は2006年のドイツW杯でガーナ代表を率いてベスト16に導いたセルビア人のドゥイコビッチ氏であったが、先日、監督を辞任。ルーマニア人のチタ氏を後任に据えたが、準備期間がほとんどないままでアジアカップを迎えることになった。日本とは2008年11月に神戸で対戦し、DF長友、FW玉田、FW大久保のゴールで日本が3対1で勝利している。この試合でPKでゴールを決めているのがFWアル・ジノである。
アジアカップ予選は4勝2分け。中国と同じグループで3対2、0対0という結果を残して1勝1分けと勝ち越した。予選の6試合で10得点2失点とまずまずの成績を残しており、2010年の末に韓国と対戦した時は0対1で敗れたものの、最少失点に抑えている。日本戦は守ってカウンターというスタイルになると思われるが、どれだけ辛抱できるだろうか。
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