■ 第26節ロシア・プレミアリーグは第24節。14勝4敗3分けで3位のCSKAモスクワ。首位のゼニト、2位のルビンを追っている。この日はアウェーでテレク・グロズヌイと対戦。
CSKAモスクワは<4-2-2-2>。GKアキンフェイフ。DFイグナシェヴィッチ、A・ベレズトスキ、ナバブキン、V・ベレズトスキ。MFセムベラス、ママエフ、ジャゴエフ、トシッチ。FWドゥンビア、ヴァグネル・ロヴェ。日本代表の一員として韓国戦を戦ったMF本田圭佑はベンチスタート。MFジャゴエフが右サイドハーフに入る。
■ CSKAモスクワが快勝試合は立ち上がりからホームのテレクがドリブルを武器にチャンスを作る。試合の入り方がうまくいかなかったCSKAモスクワだったが、前半18分にコートジボワール代表のFWドゥンビアがコーナーキックをヘディングで合わせて先制する。そのあと、ホームのテレクがラッキーな形でPKを獲得するが、ロシア代表のGKアキンフェイフがビッグセーブを見せてゴールを許さない。前半は1対0のCSKAモスクワリードで終了。
1点リードのCSKAモスクワは後半17分にMFトシッチに代えてMF本田圭佑を投入。MF本田が入ってボールがスムーズに回るようになると、後半31分にFWヴァグネル・ロヴェが左足でミドルシュートを決めて2点目。さらにロスタイムには左サイドからのクロスをMF本田が頭で合わせて3点目を挙げる。MF本田はリーグ戦で3ゴール目。
結局、CSKAモスクワが3対0で勝利。勝ち点差「8」で首位のゼニトを追う。
■ 本田が久々のゴール日本代表から戻ってきたMF本田は疲労も考慮されてベンチスタート。後半17分からの登場となったが、後半ロスタイムにヘディングシュートを決めて、ワールドカップのデンマーク戦のフリーキックのシーン以来という久々のゴールを決めた。これでロシアでのリーグ戦は3ゴール目となった。このヘディングシュートは、彼のストロングポイントが発揮された見事なゴールだった。
このゴールは見事だったが、むしろ、MFトシッチに代わってMF本田が入ったことで中盤に落ち着きが生まれて、CSKAモスクワの攻撃の勢いが増していったことの方が印象的だった。前半からFWドゥンビアとFWヴァグネル・ロヴェとう自由奔放な2トップが積極的にドリブルで仕掛けていってチャンスを作っていた。この二人は個の力が抜けているので、多少強引でもチャンスに結びつくが単発気味で、チームとしてはもう一つのような印象だったが、MF本田が入ったことでリズムは良くなった。
VVVで二部に落ちた後、「ゴールを奪うこと」に目覚めたMF本田であるが、ここ最近はゴール以外でもプレーで質が上がってきていて、プレーヤーとしてはレベルアップしているように感じる。持ち味である「体の強さ」を生かす場面が増えてきていて、守備でも貢献できるようになってきた。
■ ビッグクラブで活躍できるか?ワールドカップ以降、MF本田がどのチームに移籍するのか、が日本のみならず、欧州でも話題になっているが、正直、ワールドカップの頃のMF本田のプレーレベルであれば、欧州のビッグクラブで常時、出場機会を得るのは厳しいかと思っていた。
もちろん、ワールドカップ4試合でのプレーは見事であったが、攻撃的MFでプレーするのであれば、スピードや打開力に欠ける部分があって、プレーの幅の狭さも気になる部分ではあった。当然、「シュート力」や「強さ」を生かせるようなチームがあって、そこにハマれば問題ないが、そういうチームを見つけないと、ベンチを温めることになるのでは?という不安もあったが、ここ最近のプレーを見ると、もしかしたら、欧州のビッグクラブでもかなりの確率で中心に近い立場で活躍できる可能性があるのではないか?とも思えるようになった。
実際、欧州でもMF本田のようなタイプは珍しい。その言動から「自己主張するタイプ」とみられがちであるが、決してプレーはセルフィッシュではなくて、いろいろな挫折を経験しているからこそ、自分の限界もわかっている。ザックジャパンで中心となりそうなMF香川真司と比較すると、外見も地味で大人しそうに見えるけれども、実はかなりのセルフィッシュで日本人離れしているMF香川と、言動が派手で脱・日本人的な印象を受けるものの、実際には思慮深くて、少し昔の日本人的な芯の強さを備えているMF本田圭佑。好対照の二人といえる。
ロシアリーグは春-秋制であり、今冬に西欧のチームに移籍するようだと、ずっとオフがない状態になってしまうので、そのあたりが心配であるが、いいオファーが来ているのであれば、チャレンジしてほしいところ。今のようなパフォーマンスを続けていけば、ビッグクラブでも活躍できるか可能性は十分にあると考えられる。
■ 嬉しいドゥンビアの活躍2008年のシーズン途中にJ2の徳島ヴォルティスからスイスのヤングボーイズに移籍したコートジボワール人のFWドゥンビアであるが、同じく、J2で揉まれて世界に旅立っていった日本代表のMF香川真司やブラジル代表のFWフッキに負けない活躍を見せている。スイスでは、1年目に32試合で20ゴール、2年目に32試合で30ゴール。2年連続で得点王に輝いている。
「バネ」のような体を持っていて、爆発的なスピードも備える。ブラジル代表経験があって若い頃から名を馳せていたFWヴァグネル・ロヴェと、J2でプレーしていたFWドゥンビアが2トップを組んでいるというのがちょっとした違和感を感じてしまうが、彼の持つ潜在能力は底知れないものがある。
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