■ 第19節J2の第19節。18節のジェフ千葉戦で3対0と快勝したコンサドーレ札幌が横浜FCと対戦。札幌のゴン、横浜FCのカズの直接対決ということもあって、26,875人の観衆が集まった。
札幌は<4-2-2-1-1>。GK高原。DF藤田、吉弘、石川、西嶋。MF芳賀、上里、古田、内村。FWキリノ、宮澤。DF藤山が出場停止でDF吉弘がスタメン。FW中山はこの日もベンチスタート。
対する横浜FCは<4-2-2-2>。GKシュナイダー。DF柳沢、金、早川、高地。MFホベルト、八角、武岡、寺田。FWカイオ、西田。FWカズがベンチ入り。FC東京に移籍したFW大黒に代わって昨シーズンまでセレッソ大阪に在籍していたFWカイオがいきなりスタメン出場。DF早川は3試合目のスタメン。FC東京から移籍してきたばかりのDF阿部は代表チームの活動のため不在。DF高地が左サイドバックに入る。
■ 札幌敗れる試合は開始早々に横浜FCがビッグチャンスを作る。札幌の守備のラインが整わなかった隙を見逃さず、スルーパスからFW西田が抜け出してゴールに突進すると、FW西田を止めようとした札幌のDF石川がファールを犯しPKの判定+DF石川がレッドカードを受けて退場。開始早々に札幌は10人となる。PKをFW西田が決めて横浜FCが1対0とリードを奪う。
その後は数的優位となった横浜FCペース。前半34分には高い位置でボールをカットし、左サイドバックのDF高地が左足のアウトサイドで鮮やかなシュートを決める。これで2対0となる。前半は横浜FCの2点リードで終了する。
後半は10人の札幌が盛り返す。後半20分にMF宮澤のクロスからDF藤田が中央に流れてきてヘディングシュート。これで1点差に迫る。札幌は後半41分にFW中山を投入。スタジアムは盛り上がるが、出場時間も短くて効果的な働きは出来ず。結局、2対1で横浜FCが勝利。札幌は約3ヶ月ぶりの敗戦で無敗記録は「9」でストップした。
■ 危うい勝利開始早々に相手に退場者が出たこともあって、前半に2点リードを奪った横浜FC。もっと楽な展開にしなければならなかったが、思いのほか苦しい試合となった。横浜FCが立ち上がりからハイペースで飛ばしていたことも影響し、後半途中から足を攣る選手が続出し、最後は非常に危なかった。
しかし、何とか勝利した横浜FCはこれで勝ち点「23」。札幌と勝ち点で並んで10位に浮上。J2は首位の柏と2位の甲府が抜け出しているが、3位の千葉との差はまだ「9」。ちょうど半分の18試合が残っていて、まだJ1昇格のチャンスは残っている。
■ 先制ゴールの西田横浜FCはFW大黒がFC東京に移籍し、FWカイオが加入。典型的なストライカーであるFW大黒とチャンスメーカータイプのFWカイオとは役割は大きく異なるが、パートナーがFWカイオになったことでFW西田はその恩恵を受けそうだ。
FW大黒とFW西田が2トップを組む場合は、どうしてもFW大黒が優先的な立場となり、FW大黒をFW西田がサポートする形となるが、FWカイオはもともと中盤の選手ということもあって、周りを生かすプレーが得意であり、C大阪時代もMF香川やMF乾のゴールをアシストするプレーが多かった。
得点王のFW大黒の移籍というのは横浜FCにとっては痛いが、FW西田がその穴を埋めなければならないが、この日の2トップの動きを見る限り、ある程度の穴埋めは出来そう。あとはチャンスを確実にものにできるかであり、FW西田のゴール数が伸びるようだと、横浜FCの順位も上がってくるだろう。
■ 再デビューのカイオ先週の柏レイソル戦は出場できなかったFWカイオは、この試合が横浜FCでのデビュー戦。さっそく好プレーを見せた。187cmと高さもあるが、持ち味は運動量とスピードと献身的なプレー。得点力はそれほど高くないのがこの選手の課題の1つであるが、潜在能力は高い。周囲とのコンビネーションは初戦とは思えないほど良かった。
シーズン前に大型補強を行った横浜FCだが、FW大黒とMFシルビーニョが退団し、新たにFWカイオとMFホベルトが加入した。札幌と同様にスタメンだけを見ると、十分にJ2の上位を争っていてもおかしくないだけの選手が揃っていて、10位という順位に甘んじているようなチーム力ではない。新加入のFWカイオにかかる期待は大きい。
■ 連勝ならず札幌にとっては非常に痛い敗戦となった。再開初戦の千葉戦の結果と内容が最上級のものだっただけに、そのまま勢いに乗って連勝と行きたかったが、思うような試合にはならなかった。
札幌にとって痛かったのはDF石川が退場になったシーンであるが、その後も戦い方もやや消極的過ぎたと言える。守備の要のDF藤山が出場停止で、その上にキャプテンのDF石川も退場ということでリーダーがいなくなった影響が大きかったのか、すぐにピッチ上で混乱をおさめることは出来なかった。
DF石川が退場になった後、開始6分という早い時間帯に、石崎監督はMF内村に代えて清水からレンタル中のDF高木を投入したが、これもやや消極的だったと言える。10人になって1点ビハインドという状況であれば、ある程度のリスクを冒しても攻めに出なければならない状況で、ボランチのMF上里あるいはDF芳賀を左サイドバックに回して、MF内村をそのままピッチに残しておくというプランも考えられた。その方がベターだったような気はする。
■ 不可解なジャッジ明暗を分けたのは、前半2分のDF石川のプレー。リプレーで見ると確かにファールを取られてもおかしくはないが、ノーファールでも不思議ではない微妙なプレーであり、レッドカードに値するかといわれるとかなり疑問なプレーであった。ミスジャッジというのは正しいだろう。
この試合は「ゴン対カズの対決」ということで、札幌ドームには2万人以上が集まったが、開始早々のプレーで興味は半減してしまった。もちろん、このシーンを誘発した札幌のDFラインに大きなミスがあったのは事実であり、そこが1つの問題であったが、空気の読めないジャッジだったといわれても仕方がない。
今回のワールドカップを見ていてもトップレフェリーが集まるはずのワールドカップの舞台でもミスジャッジはいくつもあって、さらに、Jリーグの中ではそれほど高く評価されていなかった西村レフェリーが南アフリカで称賛されたことから分かるように、日本のレフェリーというのは思っている以上にレベルが高いのかもしれないが、Jリーグの試合でも、おかしなレフェリングは少なくない。試合を壊してしまうようなジャッジもある。
日本だけの話ではないが、以前と比べると試合のスピードも増していてレフェリーにとっては難しい時代になっているが、今後、レフェリーのレベルアップも期待したいところである。
■ レジェンド・マッチ注目を集めた「レジェンドマッチ」は、FW中山が後半終了間際に登場したが、FWカズは出場機会なしということで、久々の直接対決はならなかった。
ともに今シーズンはスタメン出場はゼロで、トータルでもFW中山が72分、FWカズは22分の出場のみと、怪我等の影響もあって思うような出場機会が得られていないが、FW中山が42歳、FWカズが43歳という年齢を考えると、現役でいる事だけでも驚異的である。思えば、ドーハの悲劇からもう17年。あの当時、バリバリのトップストライカーだった二人がいまだ現役で走り続けているのであるから驚きである。
この二人には、現役を引退してからも期待したいことはたくさんあるが、今は、とにかく悔いのないように現役生活を続けてほしいところである。
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今回の試合はワールドカップ明けでたくさんの観衆が札幌ドームにあつまり、
またBSではあるがJ2の試合が全国に生放送で中継されるという注目のカードであったが
開始わずか2分でぶち壊しになってしまった。
私の目から見ても石川選手のプレーはPKには値するものだったかもしれないが
退場になるとはあきらかに思えないものだった。
両チームによる好試合を期待していた多くのサポーターそして
ワールドカップを見てサッカーに興味を持ちJリーグの中継をはじめて見たファン
すべてを失望させる重大なミスジャッジだった。
いったいなんのつもりだったのだろうか?
選手だけでなく審判たちもJリーグひいては日本サッカーの未来をになっている。
大西 弘幸主審には猛省をうながしたい。
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