■ 第9節J2の第9節。2連勝と好スタートを切った湘南ベルマーレが、2連敗スタートの横浜FCと対戦。
ホームの湘南は<4-2-3-1>。GK西部。DF鎌田、大井、遠藤、石神。MFハン・グギョン、永木、アジエル、坂本、菊池。FW佐々木。名古屋から加入のFW巻はベンチスタート。
対するアウェーの横浜FCは<4-2-2-2>。GK関。DF柳沢、飯尾、朴台洪、中野。MF藤田優、佐藤謙、荒堀、高地。FW藤田祥、DF西田。韓国出身で185㎝のDF朴台洪が2試合連続でスタメン。大卒ルーキーのMF荒堀はプロ初スタメン。MFファビーニョ、MFカイオ、FWエデルのブラジル人トリオは怪我のため欠場中。44歳のFW三浦知はベンチから出番を待つ。
■ 横浜FCが初勝利試合は開始早々にアウェーの横浜FCが先制する。最初の攻撃でFW藤田祥がボールを受けて右サイドのMF荒堀にパスを送ると、MF荒堀が湘南のDF遠藤とDF石神に囲まれながらも強引に突破して右足でシュート。これがゴールネットに突き刺さって開始40秒でリードを奪う。MF荒堀は初スタメンでプロ初ゴール。その後は、湘南がボールを支配して攻め込んでいく。しかし、最後のところで崩し切れずに前半は0対1で折り返す。
後半も風上の湘南が押し込んできて、MF永木、DF鎌田らが決定機を迎える。しかし、ゴールは奪えず。時間が進むにつれて、横浜FCも慣れてきて、湘南もチャンスは作れなくなる。終了間際には、ゴールやや右サイド寄りの絶好の位置でフリーキックを獲得すると、DF石神が得意の左足で狙うが惜しくも枠を外れて同点ならず。結局、1対0で横浜FCが勝利。湘南は2勝1敗、横浜FCは1勝2敗となった。
■ 横浜FCがダービーを制する今シーズン初の神奈川ダービーは、横浜FCが勝利した。昇格候補と言われた横浜FCであるが、まさかの開幕2連敗スタート。しかも、ホームでの連敗で、いきなり出遅れてしまったが、何とかアウェーで挽回して初勝利を飾った。
同じく昇格候補の湘南が相手で、この試合に敗れていると、スタートで湘南と勝ち点で「9」も差がつくことになったので、この勝利は横浜FCにとっては大きいといえる。内容的には押され気味であったが、DF朴台洪が最終ラインで奮闘して湘南の攻撃を防いだ。横浜FCが、外国人トリオを欠く状況でGWを迎えていて、連戦が続くため、厳しい状況であるが、何とか、上のチームについていきたいところである。
■ MF荒堀が決勝ゴール 決勝ゴールを決めたのは横浜FCのMF荒堀謙次。MF荒堀は同志社大出身のルーキーでプロ初スタメンとなったが、いきなり結果を残した。本職はボランチというが、横浜FCでは右サイドハーフを任されており、果敢なドリブル突破が試合を通して光っていた。
そのMF荒堀は1988年生まれで野洲高校出身。C大阪のMF乾貴士と同期で、高校2年生のときに「セクシーフットボール」で全国制覇を達成したときのレギュラーで、鹿児島実業高校との決勝戦では先制のヘディングゴールを決めている。
川崎フロンターレのMF楠神ら、全国制覇のときに高校3年生だった選手で大学に進学した選手は、現在、プロ入り2年目となり、高校2年生だった選手で大学に進学した選手は、今年の春に大学を卒業する年齢となるが、当時のメンバーの多くがプロ入りを果たしており、プロの世界でも「野洲旋風」が起こりそうな雰囲気である。
鹿児島実業との決勝戦のスタメンを見ると、FW青木孝太(ジェフ千葉)、MF乾貴士(C大阪)、DF田中雄大(川崎F)、DF内野貴志(京都サンガ)、MF楠神順平(川崎F)、MF荒堀謙次(横浜FC)と6人がプロに進んでおり、サブのMF村田和哉も今年、C大阪に入団した。直近の試合では、FW青木孝、MF乾、DF内野、MF荒堀の4人がスタメンに入っており、スピードが魅力のMF村田もACLでプロデビューを果たしている。
野洲高校というと、ヒールキックを多用するなど、テクニックのある選手が多いが、プロに入ってから、すぐに出場機会を得ている選手が多く、「判断力」や「対応力」や「実践力」に優れている選手が多いように思われる。
■ カズは途中出場先日のチャリティーマッチでゴールを決めたFW三浦知は後半44分から出場。1点リードで逃げ切るというミッションを与えられて試合に出場し、勝利に貢献した。
FW三浦知は、昨シーズン、10試合に出場して3ゴールを挙げているが、それまでのシーズンと比べると、出場時間はが激減し、トータルで188分のみ。それでも、3ゴールを挙げているので「化け物」として言いようがないが、スタメン出場も1試合だけ。本人にとっては不本意なシーズンとなった。しかし、今シーズンは調子がよさそうで、3試合連続で途中出場を果たしており、開幕戦は24分、2戦目は20分、3戦目も1分の出場時間を得ており、確実にチャンスを与えられている。
横浜FCはJ2通算で108試合で47ゴールを挙げている岸野監督の「秘蔵っ子」のFW藤田祥が絶対的な存在で、そのパートナー候補には、C大阪でもプレーしたFWカイオがいるが、FWカイオはボランチで起用されており、フォワードの「1枠」をめぐる争いはし烈で、FW三浦知のスタメン出場にも期待したいところである。
■ 湘南は初黒星 一方の湘南は初黒星。最初のプレーで先制ゴールを奪われたダメージが大きく、試合の入り方を誤ったことが響いてしまった。湘南は「パス」をつないで相手を崩すスタイルであるが、リードを奪われると焦りも出てきて、かみ合わなくなるので、先手を奪われると苦しくなる。
開幕戦で2ゴールを挙げたFW佐々木が思うような活躍ができなかったのも誤算で、FW巻がスタメンを外れたここ2試合は1トップでプレーしているが、1トップにしては気が利いたプレーができないので、2列目の選手とうまく絡んでいくことができない。FW巻も回復してきてスタメンで出場できそうな状態になっているが、2トップに戻すのか、1トップのままなのか、反町監督はどう判断するだろうか。
■ プレーメーカーのMF永木亮太敗れたとはいえ、湘南はMF永木の活躍が光った。8節・9節とダブルボランチの一角として起用されているが、積極的にゴール前に絡んでいって、決定機を演出した。
MF永木は川崎フロンターレの下部組織出身で、中央大学卒のルーキーであるが、強化指定選手だった昨シーズンから湘南で試合に出場しており、ルーキーとは思えないが、昨シーズンのプレーと比べると、運動量が増えている印象で、広い範囲で活躍できている。最近、日本人の若手でゲームを作るタイプの選手はなかなかいないので、面白い存在である。
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