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【横浜FC×C大阪】小松の同点弾でドロー | | |　

■　首位のセレッソ

20勝6敗7分けで首位のセレッソ大阪。第2クール最終戦は17位の横浜FCと対戦。横浜FCは5勝20敗7分けで17位。前節の栃木SC戦は雷雨のため中止になっていて1試合消化が少ないとはいえ、J1経験チームとしては非常に厳しい成績。ただし、ここ2試合のホームゲームは連勝している。

ホーム3連勝を目指す横浜FCは<4-2-2-2>。GK岩丸。DF田中、八田、早川、吉田。DF八角、小野、西田、片山。FW安孝錬、難波。MF鄭容臺は出場停止。FW安孝錬は2001年と2002年に京都サンガでプレーした元韓国代表。Aマッチ通算で14試合で6ゴール。J1では7試合で1ゴール、J2では39試合で8ゴールをマークしている。シーズン途中に横浜FCに入団して6試合連続スタメン。

対するC大阪は<3-6-1>。GKキム・ジンヒョン。DF前田、江添、羽田。MFマルチネス、濱田、平島、石神、乾、香川。FWカイオ。MF黒木、MF酒本がスタメンから外れてMF濱田とMF平島が久々のスタメン。DFチアゴは出場停止でDF前田が代役。

■　小松の同点弾でドロー

試合は前半の立ち上がりに横浜FCが2度、ビッグチャンスを決め切れない。すると、前半22分に劣勢だったC大阪が先制。MFマルチネスがキープしてサイドに展開。左サイドのMF石神のクロスをFWカイオが左足でボレーシュート。FWカイオは今シーズン8ゴール目。前半は1対0で終了。

後半に入ると、ホームの横浜FCが巻き返す。後半6分にセットプレーのチャンスからDF八田が決めて同点に追いつくと、さらに後半20分にFW難波がMF片山からのパスを落ち着いて決めて逆転に成功。FW難波は今シーズン4ゴール目。

ビハインドのC大阪はFW小松を投入。すると、後半39分に右サイドからのフリーキックをFW小松が頭で決めて同点に追い付く。FW小松は2試合連続ゴール。

試合はこのまま2対2で終了。C大阪は何とか首位を守った。

■　フレッシュなスタメン

C大阪はアウェー2連戦でいずれも引き分け。勝ち点を伸ばせなかった。

この試合は出場停止のDFチアゴを含めてスタメンの3人を入れ替えたが、これはあまりメンバーをいじらないクルピ監督としては非常に珍しい采配。MF濱田の起用でポゼッション力を上げて、さらにフレッシュなMF平島をスタメンで起用することで、サイド攻撃の活性化を図った。この作戦はそれなりに成功したといえるが、若干、MF平島を引っ張り過ぎた感はある。

17節以来のスタメンとなったMF平島は、前半にクロスバー直撃の強烈なシュートを放つなど、攻撃面で存在感を発揮したが、後半の最後は明らかにスタミナが切れて、イージーミスを連発した。ベンチにはMF酒本が控えており交代枠も2枠残っていたので、メンバー交代でMF平島をフォローしたかった。

■　6ゴール目の小松塁

C大阪は福岡戦に続いて2試合連続で追いついてドロー。3ゴール共に、途中出場のFW小松のヘディングでのゴールである。

試合が続いていることもあってMF香川とMF乾には疲れの色が濃く、かといって交代させるわけにもいかず。3対0で快勝した札幌戦を除くと、ここ最近、攻撃はうまくいっていない。今後は、比較的、試合間隔が空いていくので試合の合間に休養も取れるかもしれないが、昇格に向けて踏ん張りどころに入っている。

幸いにして、FW小松が好調。過去の傾向から見ても、固め取りの出来る選手であるので、1トップ2シャドーに形にこだわらず、FW小松のスタメン抜擢もあるかもしれない。相手によって、試合開始から4バックの<4-2-2-2>にするのも1つのアイディア。あるいは、MF乾とMF香川のどちらかを休ませて、FWカイオとMF小松の2トップでトップ下を置く布陣も考えられる。

いずれにしても、J2の試合数は多く、リーグ戦は34試合が終了。34試合という数字は、ナビスコカップが無いとはいえ、これはちょうど、J1のリーグ戦と同じであり、過密日程なのは明らかである。適度に休息をとりながら試合をこなしていかないと、いくら若いチームといえどもスタミナが持たない。

■　悔しいドロー

対する横浜FCは残り6分で追い付かれてドロー。先制ゴールを許した後も積極的なプレーを展開し、逆転まで結び付けただけに、悔しい結果に終わった。

ただ、試合内容は悪くなかった。先制ゴールのあとの10分程度は押し込まれたが、GK岩丸のファインセーブもあって2点目を許さず。調子が上向きであることを印象付ける試合を見せた。

■　基礎固めのシーズン

調子が上がっているとはいえ、横浜FCはそれでも17位。J2は降格システムが無いので大丈夫であるが、仮に降格システムがあれば大ピンチのシーズンである。

2007年にJ1で最下位となって降格した後、2008年は都並監督を招聘したが、15チーム中10位と低迷し再昇格はならず。今シーズンは樋口監督を迎えたが、18チーム中17位。外野から見る分には混乱しているように思えるが、選手やスタッフは非常に手ごたえを感じているという。

サッカーの場合、1年ごとが勝負であり、すぐに結果を求められる世界であるが、即、結果と内容と育成の全てを両立できる監督はほとんどいない。したがって、どのチームも中途半端に結果を求めて、中途半端なチーム作りを行っているというのが、Jリーグの現状である。

プロ野球の場合は、（中には例外もあるが、）、どんなにダメ監督でも1年でクビになることは稀であり、それなりに落ち着いてチーム作りを行うことが出来る。逆に、Jリーグの場合は、ダメ監督（というよりも、開幕から結果が出なければ）であれば、10試合未満でも首を斬られてしまう。

もちろん、プロ野球の場合、降格が無いので、1シーズンが終了すれば全てリセットが出来るので、事情は異なるが、Jリーグの場合も、もっと落ち着いてチーム作りが出来るような風潮になれば、各クラブや各選手がもっとレベルアップ出来るのかもしれない。

いつクビになるかもしれない、という危機感がモチベーションになっていることは否定できず、どちらがいいとは言い切れないが、早急なクビ斬りがある面での成長を阻害している部分は少なくないだろう。

樋口監督が優秀な監督であるか否か、また、来シーズンも樋口監督にチームを任せてもいいのか否かは、また、別問題であるが、安易なクビ斬りについて、一度、よく考えてみる必要はある。

[横浜FC]

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