■ J3の第17節J3の第17節。5勝4敗6分けで勝ち点「21」。11位となかなかエンジンがかからないカターレ富山はホームの富山県総合運動公園陸上競技場で首位の大宮アルディージャと対戦した。大宮は12勝1敗3分けで勝ち点「39」。首位を独走している。2位の沼津との差は「11」と大きく広がっている。J3は2位以下は大混戦なので11位と中位に沈む富山も2位の沼津との差が「7」のみ。6位の福島との差は「2」のみとなる。
ホームの富山は「4-2-3-1」。GK田川。DF西矢慎、脇本、下堂、神山。MF瀬良、河井、松岡大、高橋馨、吉平翼。FWマテウス・レイリア。15試合でわずか14得点のみ。深刻な得点力不足に苦しんでいる中、ブラジル人のFWマテウス・レイリアがスタメンで起用された。9試合で1ゴールを挙げている。大卒ルーキーのMF瀬良は5試合連続スタメンとなった。対戦相手の大宮の下部組織で育った選手になる。
対するアウェイの大宮は「3-1-4-2」GK笠原。DF村上陽、市原吏、浦上。MF小島幹、アルトゥール・シルバ、石川俊、下口、泉柊椰。FW藤井一、杉本健。大宮は3連勝中。独走態勢に入っているが2023年は富山でプレーしたMFアルトゥール・シルバが絶好調。3試合連続ゴールを挙げている。7節まで出場機会がなかったが10試合で5ゴールと大爆発している。FW杉本健は15試合で6ゴール4アシストを挙げている。
■ 上位候補同士の対戦は1対1の引き分け試合はホームの富山が主導権を握る展開になった。前半10分には裏に抜け出したMF高橋馨が得意の左足でシュートを放ったがGK笠原がビッグセーブを見せた。前半は右SHのMF松岡大の仕掛けからチャンスを作った。逆サイドで待つMF吉平翼に何度かシュートチャンスが訪れたが決めることは出来なかった。前半38分にはカウンターからMF吉平翼が強烈なミドルシュートを放ったがGK笠原がセーブした。
直後の前半39分にもCKからフリーのMF吉平翼がヘディングシュートを放ったがゴールライン上でMF石川俊がスーパークリアを見せて先制ゴールとはならず。前半は0対0で折り返した。迎えた後半も富山がペースを握る展開になったがたくさんあったセットプレーの機会を生かせず。すると後半37分にバイタルエリアでボールを受けたMFアルトゥール・シルバが「理不尽ミドル」を突き刺して大宮が先制に成功する。
MFアルトゥール・シルバは4戦連発。今シーズン6ゴール目となった。先制された富山だったが後半43分にロングスローからチャンスを作った。MF末木とDF神山が上手く頭でつないだボールを途中出場した大卒ルーキーのFW碓井聖がコース隅に強烈なシュートを決めて1対1の同点に追いついた。後半47分にもFW碓井聖が決定機を迎えたが左足のシュートは惜しくも枠外。試合は1対1の引き分けに終わった。
■ 試合を優位に進めた富山だったが・・・。富山は13本のシュートを放った。大宮は半分以下の6本だけ。CK獲得回数も富山が12回だったのに対して大宮は2回だけ。90分を通してほぼ富山ペースだったが仕留めきれず。何とか後半43分に同点ゴールを奪って勝ち点「1」を積み上げたが富山にとっては「勝ちたい試合だった。」と言える。あれだけ押し気味に試合を進めたので「勝たないといけない試合だった。」とも言える。勝ち点「1」では満足できない。
「仕留められない。」というのは今年も富山の大きな問題点になっている。チャンスメイクの出来る選手はたくさんいるがクロスの精度があまり高くないのでいい形を作りながらシュートまで持ち込めない場面は少なくない。「プレーの質の問題」も小さくないがそもそもとしてゴール前で勝負できる選手が少ないのでピンポイントで味方選手に合わせないとゴールにならない。クロスを上げる選手にもプレッシャーはかかる。
「4-2-3-1」を採用してトップ下にチャンスメーカー系のMF高橋馨を起用するとこういう流れになってしまうのも仕方がないが途中出場したFW碓井聖は仕事をした。後半43分に同点ゴールを奪った後、後半47分にも惜しいシュートを放った。後半47分に放った左足のシュートはネットが揺れたので「逆転ゴールが決まった!」と勘違いした富山のサポーターは少なくなかった模様。スタジアムは大きく沸いた。
FW碓井聖は大卒ルーキーながら5ゴール目となった。開幕当初はスタメンだったが結果を出せず。5月以降はベンチスタートが多くなっているが得点力は相当に高い。183cmの長身でありながらコンパクトなモーションから鋭いシュートを放つことが出来る点は大きな武器となる。FWマテウス・レイリアの動きはまずまず良かったが10試合で1ゴールと結果は出せていない。FW碓井聖のプレー時間はもっと増やしたい。
■ MFアルトゥール・シルバの「理不尽ミドル」が炸裂。大宮は連勝が「3」で止まったが内容を考えると「アウェイで勝ち点「1」を獲得できた。」というのはポジティブに考えられる。ほとんどチャンスを作れない中、後半37分にMFアルトゥール・シルバのミドルシュートが決まって先制に成功。もちろん、そのまま1対0で逃げ切れていたら最高だったがそこまで甘くなかった。ロングスローから失点したが2連続でヘディングで競り負けるとシュートチャンスを作られてしまう。
逃げ切りに失敗したがベテランのGK笠原はこの日も好セーブを連発した。大宮はここまで首位を独走しており、17試合で32得点/11失点。得失点差「+21」と数字の面では他を圧倒しているが競った試合は意外と少なくない。特にアウェイ戦になると相手に攻め込まれる試合も少なくないがGK笠原が好セーブを見せてチームを救っている。35歳になったが今年のJ3で「年間ベストイレブン級の活躍」を見せている。
MFアルトゥール・シルバは2023年は富山でプレーした。30試合で9ゴールを記録。フォワードを含めた高い位置で起用されて得点力が開花したが大宮に完全移籍した今シーズンは11試合で6ゴール。ここに来て4戦連発。神がかり的な活躍を見せている。180cmとサイズがあるのでヘディングも武器にしているが何といってもミドルシュートである。この日のミドルシュートは左足だったがミドルシュートは威力満点。
彼の怖さを富山の選手はよく知っているので相当に警戒をしていたが、一瞬だけ、フリーになった。首位を独走する大宮は相手に守備を固められる試合が増えている。そういう中でこじ開けていく必要があるがミドルシュートは大きな武器となる。序盤戦はFW杉本健やFW藤井一といったフォワード陣が攻撃陣を引っ張ったがここ最近はMFアルトゥール・シルバやMF石川俊など中盤の選手が目立っている。
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