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【J3編】 2024年シーズンの大展望 (後編) ～初昇格を目指すFC今治と長野。J2復帰を目指すFC岐阜など。～ | | |　

■　初昇格を目指すFC今治ならびに長野

J3に昇格して5年目のFC今治は近年のJ3で安定した成績を残しているクラブの1つになる。2022年は5位、2023年は4位。クラブ規模も着実に成長しており、営業収益などはJ3屈指となった。今オフはFW千葉寛(→清水)がレンタル終了となったが、MFアンジェロッティ(大宮)の獲得に成功した。2023年のJ3でベスト11のCBのDF照山(いわきFC)が流出したのでその穴を埋める必要はあるが自動昇格を狙える戦力になった。

興味深いのはJFLなど下部リーグで活躍した選手をたくさん獲得した点になる。FW日野友(ミネベアミツミFC)、DF西袋(浦安)、MF弓場堅(Honda FC)を獲得したが、FW日野友は2023年のJFLの得点王。DF西袋はJFLでベスト11に選ばれている。注目はストライカーのFW日野友になる。FW千葉寛が退団したのでエースストライカーになることが期待されている。異次元の得点力をJ3でも披露できるだろうか？

長野もJ2初昇格を目指しているが前評判は高くない。11位前後と予想する人が多くなっているので「昇格候補の1つ」とは言えない状況になっているが2023年の途中に監督に就任した高木理監督になってからは14試合で5勝3敗6分けなのでまずまず良かった。MF佐藤祐(→FC琉球)とDF船橋勇(→群馬)が流出して8ゴールを挙げたFW山本大は契約満了。戦力はややDOWNしているが新戦力の活躍に期待したい。

MF安藤一(FC今治)、DF黒石(水戸)、MFパク・スビン(FC今治)、DF田中康(福島)、GK田尻(岩手)、DF石井光(鳥取)、FW浮田(SC相模原)などを獲得した。目を引く補強は無かったので評価は上がりにくかったがJ2やJ3で実績のある選手をたくさん獲得しているので「十分に戦える戦力になった。」と言える。フォワードが最優先補強ポイントだったが即戦力クラスのフォワードの補強は無し。誰が軸になるだろうか？

■　J2復帰を目指すクラブもたくさんある。

J2復帰を目指すクラブもたくさんあるがJ3に降格して5年目となるFC岐阜は「J3の銀河系軍団と言われた2022年前後に加入した有名プレーヤーの多く」がチームを離れた。さらに攻撃の中心だったMF窪田稜(→愛媛FC)、MF村田透(→横浜FC)、FWンドカ・チャールス(→鹿児島)の3人も流出した。攻撃陣に関しては不安いっぱいと言えるが守備陣は守護神のGK茂木秀に加えてDF甲斐(岩手)の再獲得に成功した。

2023年は38試合で44得点/35失点。失点数は「32」の奈良クラブに次いでJ3の中では2番目に少なかった。もともと武器だった守備力はさらに強化される可能性が高い。計算しにくい攻撃陣がレベルアップできると「悲願のJ2復帰」が見えてくる。2023年は熊本で活躍したFW粟飯原(熊本)、サイドアタッカーのMF新垣(山形)を獲得したが、若手のMF河波(鳥栖)やMF西谷亮(東京V)などのブレイクにも期待したい。

昨シーズンは監督交代後に「V字回復」を果たして6位と奮闘した鳥取は主力の流出や退団が目立つかなり苦しいオフになった。DF鈴木順(→FC琉球)、FW重松(→FC大阪)、MF牛之濱(→北九州)、MF田村亮(→奈良クラブ)、DF飯泉(→水戸)、GK糸原(→山口)、DF文仁柱(→FC岐阜)などがチームを離れたが即戦力の補強はあまりなかった。元・日本代表の林健太郎監督を招聘したが苦しい1年になる可能性もある。

■　サプライズを起こす可能性はある。

北九州は最下位からの巻き返しを図るシーズンになるがこちらは鳥取の増本監督を招聘した。J3で最下位に終わるのは2回目だったが前回(2018年)は翌年のJ3で優勝してJ2復帰を果たしている。再現できるか？J3に再降格してからの北九州は大卒の選手をたくさん獲得。若手主体の構成だったが今オフはMF喜山(松本山雅)、FW永井龍(岡山)、MF矢田(愛媛FC)、MF牛之濱(鳥取)などベテランをたくさん補強した。

これが吉と出るか？凶と出るか？である。2023年からJFLへの降格制度がスタートしたので長期的な視野でチームを作ろうとするのもややハイリスクになった。やはり、「大卒1年目や大卒2年目の若手主体の構成で安定した成績を残す。」というのはかなり難しい。同じようなことは2021年にJ2を経験したSC相模原にも言えるが下部リーグへの降格制度が導入されると年齢バランスは極めて大事になってくる。

讃岐・FC琉球・岩手もJ2復帰を目指しているが17位からの巻き返しを図るFC琉球は面白いシーズンになる可能性がある。こちらも昨シーズンの途中に金鍾成監督が復帰してからは11試合で4勝4敗3分けとまずまずの成績を残したがDF増谷(鳥取)、DF鈴木順(鳥取)、MF佐藤祐(FC琉球)、FW岩渕(藤枝MYFC)、GK東ジョン(SC相模原)、GK六反(横浜FC)、GKパク・ソンス(FC安養)など即戦力クラスをたくさん獲得した。

MF中野克(→大宮)、DF柳貴博(→岡山)、GK田口(→山口)が流出して、FW阿部拓(→横河武蔵野FC)、MF清武功(→おこしやす京都)、FW金崎(→未定)は契約満了。マイナス材料も少なくないが2月14日(水)にはMF高木大(山口)の加入も決定。面白いメンバー構成になった。金鍾成監督は若手を積極的に起用するとともに攻撃的なサッカーを志向する監督なので2024年のJ3でサプライズを起こす可能性はある。

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