■ J2の第2節J2の第2節。ともに開幕戦で勝ち点「3」を獲得した清水エスパルスと愛媛FCがIAIスタジアム日本平で対戦した。ホームの清水は開幕戦はアウェイで熊本と対戦したが苦しみながらも2対1で逆転勝利を飾った。一方の愛媛FCはホームで秋田と対戦したが新加入のMF窪田稜が決勝ゴールを決めて1対0で勝利した。ともにオレンジ色をチームカラーにしている。両クラブがJリーグで対戦するのは2016年以来となる。
ホームの清水は「4-2-3-1」。GK権田。DF原輝綺、住吉ジェラニレショーン、蓮川、山原。MF宮本航、中村亮、松崎快、乾、カルリーニョス・ジュニオ。FW北川航。スタメン11人は開幕の熊本戦(A)と全く同じ。新加入選手はDF住吉ジェラニレショーン、DF蓮川、MF中村亮、MF松崎快の4人が先発で起用された。ベンチにはまだ高校2年生のMF西原が入った。開幕の熊本戦(A)でJリーグデビューを果たした。
アウェイの愛媛FCは「4-2-3-1」。GK辻。DF尾崎、森下怜、小川大、山口竜。MF深澤佑、谷本、窪田稜、曽根田、茂木駿。FW松田力。開幕戦はロングボール主体のサッカーを展開する秋田が相手ということもあって長身のFWベン・ダンカンとMF石渡ネルソンを先発で起用したがこの日はともにベンチスタート。「4-2-3-1」を採用してMF曽根田とMF谷本が先発で起用された。左SBもDF山口竜が先発となった。
■ 2対0で勝利した清水は開幕2連勝試合はアウェイの愛媛FCペースになった。ボランチでスタメン出場した大卒2年目のMF谷本を中心にテンポよくボールを回して主導権を握った。思うような展開にならない清水だったが決定機は作った。前半3分にはMFカルリーニョス、前半24分にはDF住吉ジェラニレショーンにチャンスシーンが訪れた。愛媛FCは前半39分にFW松田力にチャンスシーンが訪れたが左足のシュートはクリーンヒットしなかった。
前半43分にはMF乾のパスからMFカルリーニョス・ジュニオにチャンスが到来したがGK辻が好セーブを見せた。この日は愛媛FCのキーパーのGK辻が大当たりだった。前半は0対0で折り返した。後半になると愛媛FCの動きがやや落ちてきて清水がボールをつなげる場面が多くなった。すると後半13分にMF乾のサイドチェンジのボールを受けたMF松崎快がクロスを入れるとFW北川航が合わせて先制に成功する。
1点を追う愛媛FCは後半25分にMF窪田稜、後半33分にFWベン・ダンカンとMF窪田稜に決定機が訪れたがいずれもGK権田が好セーブを見せた。危ない場面を作られた清水だったが後半44分にMF乾の絶妙なクロスからドフリーのFW北川航が決めてダメ押しの追加点を奪った。苦しみながらも2対0で勝利した清水は開幕2連勝を達成した。愛媛FCはアウェイの地で奮闘したが今シーズン初黒星。1勝1敗となった。
■ 1トップのFW北川航也が2ゴールの活躍!清水は開幕戦と同様で苦しい展開だったがこの日も要所でゴールを奪って勝利を飾った。愛媛FCとの対戦は通算3試合目。2016年はホーム戦もアウェイ戦もドローだったので「vs 愛媛FC」は初勝利となった。FWチアゴ・サンタナが流出したフォワードの人選が注目されているが今シーズンはキャプテンを務めているFW北川航が2ゴールの大活躍。勝利の立役者になった。当面は彼がフォワードの中心になるだろう。
1トップ向きの選手ではないと思うが何でもできる万能型のフォワードである。スピードや得点力があるのはもちろんのこと、180cmなのでサイズもある。2月中旬に加入が決まったFWドウグラス・タンキはいつ試合に出場できるのか?は分からない状況。FW北川航にかかる負担は大きくなっているがここまでは非常にいいプレーを続けている。昨シーズンは起用法が定まらなかったので力は出しにくかった。
先制ゴールをアシストしたのは右SHのMF松崎快だったが見事なクロスを入れた。左サイドに流れたMF乾から素晴らしいサイドチェンジのボールが送られてきたのでかなり余裕のある状況だったが高精度のクロスだった。FW北川航の2点目をアシストしたのもMF乾だったのでMF乾は2ゴールに絡む活躍だった。MF乾も35歳なのでいつ衰えても不思議はない年齢になっているがまだまだ大きな存在感を発揮できる。
DF鈴木義が流出したCBは不安視されていたポジションになるがともにレンタル移籍となるDF住吉ジェラニレショーンならびにDF蓮川はいいプレーを見せている。どちらも対人能力が非常に高くて守備範囲が広い。両CBのスピードや強さは今シーズンの清水の大きな武器になるだろう。これで開幕2連勝。結果が出たこともあってある程度はレギュラーは固まった。左SBのDF山原の活躍もここまでは目立っている。
■ キーになったのはボランチのMF谷本駿介敗れたものの愛媛FCは良い戦いを見せた。「清水とのアウェイ戦」というのは愛媛FCに限らず、どのクラブにとっても「今シーズンのJ2の42試合の戦いの中では最も勝ち点獲得を計算しにくい試合」と言える。昇格1年目の愛媛FCにとっては「現状の自分たちの力を知ることが出来る一戦」だったと思うが特に前半は愛媛FCが優勢だった。開幕の秋田戦とは違ってしっかりと後ろからパスをつないでチャンスを作った。
キーになったのは今シーズン初出場となったMF谷本だった。昨シーズンは大卒1年目ながらJ3でベストイレブンに選ばれる活躍を見せたがテクニックがあってクレバー。相手の逆を突くプレーが抜群に上手い。強いプレッシャーをかけられても簡単にいなすことが出来る。開幕戦は高さのある18歳のMF石渡ネルソンが先発で起用されたがMF谷本がいると愛媛FCがやりたいサッカーを披露できるようになる。
2失点したものの、キーパーのGK辻の活躍は素晴らしかった。清水はそこまでチャンスシーンを作れなかったがチャンスの場面の多くは決定機だった。絶体絶命のピンチを迎える場面は少なくなかったがGK辻が何度も好セーブを見せた。清水のキーパーのGK権田も要所でビッグセーブを見せたので両キーパーの活躍によって試合は引き締まった。GK辻はサイドからのクロスボールへの対応も安定感があった。
愛媛FCはこれで1勝1敗となったが「今シーズンのJ2で台風の目になる可能性あり」と言える。2020年の北九州、2022年の熊本が代表格に挙げられるが近年のJ2は「昇格1年目のクラブが健闘するケース」が非常に多い。J3のレベルが上がってしっかりとJ3で土台を作ることが出来たクラブしかJ2に昇格を達成できないようになったこともあって昇格チームは初年度のJ2でも十分に戦える。面白い1年になるだろう。
※ 投稿日:2024年1月21日(日) (総再生数:21,996回)※ 投稿日:2024年1月22日(月) (総再生数:9,278回)※ 投稿日:2024年1月28日(日) (総再生数:12,123回)
関連エントリー 2024/01/14 【J1:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:344名)
2024/01/09 【J2:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:187名)
2024/01/10 【J3:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:91名)
2024/02/09 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~1:山形、2:岡山、3:千葉、4:鹿児島、5:群馬~
2024/02/10 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~6:栃木、7:清水、8:藤枝、9:山口、10:愛媛~
2024/02/10 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~11:秋田、12:仙台、13:横浜FC、14:長崎、15:徳島~
2024/02/11 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~16:水戸、17:いわき、18:大分、19:熊本、20:甲府~
2024/02/21 【生観戦:金沢×富山】 金沢ゴーゴーカレースタジアムのこけら落としに行ってきた。 (前編)
2024/02/21 【生観戦:金沢×富山】 金沢ゴーゴーカレースタジアムのこけら落としに行ってきた。 (後編)
2024/03/03 全エントリーの一覧 (2018年-2023年)
- 関連記事
-