■ J2の第2節J2の第2節。開幕戦はホームで優勝候補の清水と対戦して1対2で逆転負けを喫したロアッソ熊本はホームのえがお健康スタジアムでザスパ群馬と対戦した。群馬はホームで鹿児島と開幕戦を戦ったが1対1のドロー。後半21分に5年ぶりに群馬に復帰したFW高澤の先制ゴールでリードを奪ったが後半36分にFW藤本憲に同点ゴールを許してドローに終わった。熊本は開幕から2試合連続のホームゲームになる。
ホームの熊本は「3-4-3」。GK田代琉。DF阿部海、江崎、大西遼。MF上村周、豊田歩、伊東俊、岩下航。FWべ・ジョンミン、石川大、古長谷。開幕戦はスタメンだったFW松岡瑠ならびにDF黒木晃はベンチ外。柏から復帰したMF岩下航がスタメンで起用された。開幕戦は左WBの位置でプレーした大卒ルーキーのFW古長谷がフォワードの位置で先発出場。2試合連続スタメンのFWべ・ジョンミンも大卒ルーキーになる。
対するアウェイの群馬は「4-2-2-2」。GK櫛引。DF大畑隆、酒井崇、城和、中塩。MF天笠、風間宏希、佐藤亮、杉本竜。FW高澤、和田昌。こちらはFW平松宗がベンチスタート。岩手から個人昇格したFW和田昌が移籍後初スタメンとなった。その他のスタメンは変わらず。オフにJ3の選手を中心にたくさんの即戦力を獲得したが基本的なメンバーは昨シーズンの終盤と変わらず。CBのDF酒井崇は古巣対決となる。
■ 土壇場で群馬が1対1の同点に追いついた。どちらもボールを保持したいチームになるが熊本が一方的に攻め込む展開になった。しっかりとボールを動かしてチャンスを作った。前半8分にはFWべ・ジョンミンのクロスからMF岩下航がシュートを放った。前半17分にもFW石川大のスルーパスからFW古長谷がシュートを放つなどいい流れで攻撃を仕掛けた。すると前半36分にCKの流れからMF豊田歩がクロスを入れるとFW石川大が頭で合わせて先制ゴールを奪った。
開幕の清水戦(H)では直接FKでゴールを決めたMF豊田歩はまたしてもゴールシーンに絡んだ。ストライカーのFW石川大は怪我から復帰してからはリーグ戦初ゴールとなった。前半は1対0で折り返した。迎えた後半も熊本ペースとなる。群馬は全くシュートチャンスを作れず。後半14分にMF杉本竜とFW和田昌を下げてサイドアタッカーのMF山中惇と大型ストライカーのFW佐川を投入。これで少し流れは良くなった。
FW佐川の高さや強さを生かして前線でボールをキープする時間が増えた。1対0のままで後半のアディショナルタイムに突入したが後半49分に途中出場した大卒ルーキーのDF田頭が頭でつないだボールに対して素早く右足を振り抜いたFW佐川のシュートが決まって土壇場で群馬が1対1の同点に追いついた。大卒2年目のFW佐川はJ2で通算2ゴール目。移籍後初ゴールとなった。試合は1対1で終了した。
■ 開幕戦の熊本の平均身長は175.18cm熊本は開幕戦に続いてセットプレーの流れから先制ゴールを奪ったが逃げ切りに失敗した。試合が始まってから群馬は全くシュートチャンスを作れず。最初のシュートは後半の半ばあたりだったと思われる。熊本が攻守に相手を圧倒する時間帯が長く続いたことを考えると熊本にとって勝ち点「1」というのは不満足な結果である。2点目を取れるチャンスはたくさんあったことを考えると極めて悔いの残る試合になった。
熊本はそこまで主力メンバーが変わっていないこともあって「高さ不足」という弱点は解消されていない。開幕戦の平均身長は175.18cm。これはJ2の20クラブの中で19番目となる。J2全体の平均値は177.48cmなのでかなり低い。絶対的な高さを持った選手はおらず。3バックでプレーするDF江崎、DF大西遼、DF阿部海はいずれもCBが本職の選手ではない。もともとはサイドバックやボランチが主戦場の選手だった。
高さでやられるのはある程度は仕方がないが同点ゴールの場面もヘディングで競り負けているのが失点につながった。群馬の平均身長は179.73cm。これはJ2の中では2番目に高い数字になる。これだけ差があると至る所で高さのミスマッチが生じてしまう。ベンチには189cmのFW大崎舜がいたが投入されることはなかった。交代枠がまだ3つも残っていたことを考えると長身のFW大崎舜を入れても良かった。
初勝利を逃したが大卒2年目のMF豊田歩は先制ゴールをアシスト。高精度の左足のクロスでFW石川大の先制ゴールをお膳立てした。開幕戦の直接FKも鋭いキックだったが左足のキックは精度が高くて質も高い。守備面でも頑張れるボランチなので今シーズンの熊本で中心になる可能性が高まっている。2023年の5月に右膝の大怪我を負ったエースのFW石川大に今シーズンの初ゴールが生まれたのも良かった。
■ 「東国のルカク」の異名を持つFW佐川洸介。群馬は非常に苦しい試合になったが何とか勝ち点「1」を獲得した。先のとおり、後半の途中までほとんどチャンスを作れなかった。ボールを運ぶこともあまり出来なかったことを考えると「勝ち点を獲得できたのはラッキーだった。」と言うしかない。ピンチの数はたくさんあったがGK櫛引が何度も好セーブを見せてチームを救った。2023年も素晴らしい活躍を見せたがセービングの能力はJ2でトップクラスと言える。
後半のアディショナルタイムに値千金の同点ゴールを決めてチームを敗戦の危機から救ったのはJ1の東京Vからレンタル移籍してきた大卒2年目のFW佐川だった。鹿児島との開幕戦でも途中出場して存在感を発揮したが2節でも活躍。5年ぶりに復帰してきたFW高澤は開幕戦でゴールを奪っているが絶対的なフォワードがいない中、急速に評価を上げている。新天地の群馬で欠かせないピースになりつつある。
C大阪U-18出身でDF瀬古、MF喜田陽、MF鈴木冬、DF石尾、MF谷本などが同期となる。トップ昇格は果たせずに東京国際大に進学したが大学の時に才能が開花した。「東国のルカク」の異名を持っている。187cm/90キロという恵まれた体格を持っており、高さとパワーに加えて左足のシュートも大きな武器となる。なかなか日本にはいないタイプの大型フォワードと言える。ヘディングも大きな武器となる。
群馬は開幕から2試合連続でドロー。次の3節の千葉戦(H)で初勝利を目指すことになったがDF岡本一が流出した右SBはここまで新加入のDF大畑隆が起用されている。2023年にDF岡本一が離脱した時期はDF川上エドオジョン智慧が右SBで起用されたがオフに長野からDF船橋勇を獲得。東洋大から加入したDF田頭も右SBが主戦場。選択肢はいくつかある中、CBが本職となるDF大畑隆が監督の信頼をつかんでいる。
※ 投稿日:2024年2月16日(土) (総再生数:20,766回)
※ 音声合成ソフトを利用しているのでかなり聞き取りやすくなりました。→ TOP50に入った選手に人数をクラブ別にカウントするとFW有田稜、DF岡本一などを獲得した山形で最多の7名でした。続くのはGKブローダーセンなどを獲得した岡山、MFドゥドゥやGK藤田和輝を獲得した千葉で5名です。MF西川潤、FWブワニカ啓太、MF大迫塁などを獲得したいわきFCも4名がランクイン。
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