サッカーコラム J3 Plus+　

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【町田ゼルビア】「いい補強」と言えるFW安藤瑞季(セレッソ大阪)の獲得 | | |　

■　J3は4月25日(土)の開幕予定だが・・・。

J1は5月9日(土)の再開を目指しており、J2は5月2日(土)の再開を目指しており、J3は4月25日(土)の開幕を目指しているが、見通しは明るくない。いち早くJ3がスタートする予定になっているが4月24日(金)の開幕を目指していたプロ野球のペナントレースの開幕は阪神タイガースがクラスター化しており、全体練習が出来ていない状況であることを考えると「4月24日(金)の開幕はどう考えても無理な状況」になっている。

プロ野球の開幕が延期された場合はJリーグ(J3)も追随せざる得ない。「観客動員数が少なくて、かつ、感染者が少ない地域で活動するクラブが多い。」とは言ってもJ3が4月25日(土)に開幕したら批判の声は多くなるはず。これまでのJリーグの基本的な考え方や行動パターンを考えると「批判的な声がある中で強行開催する可能性」は限りなくゼロに近い。ほぼ間違いなく4月25日(土)には開幕できないだろう。

J1やJ2が予定通りに開幕できるかどうかも微妙な状況になっているが3月27日(金)が今年のJリーグの第1登録期間(ウインドー)の最終日だった。例年と比べると春の移籍の件数は少なかったが育成型期限付き移籍の場合は期間外でも移籍は可能となる。3月31日(火)にJ1のC大阪でプレーするFW安藤瑞がJ2の町田に期限付き移籍することが発表された。高卒3年目となるFW安藤瑞にとっては初めての移籍になる。

長崎総合科学大附属高から2018年にC大阪に加入したFW安藤瑞はJ3のC大阪U-23で経験を積んできた。1年目の2018年はJ3でも出場機会に恵まれずに15試合で1ゴールのみ。ほとんど力を出せないもどかしいシーズンになったが高卒2年目の2019年はJ3で33試合に出場して11ゴールを4アシスト記録した。半分以上の17試合は途中出場だったのでトータルの出場時間は多くなかったが2桁ゴールを記録した。

■　名将の小嶺監督に育てられた。

高校時代は名将の小嶺監督に鍛えられたが日本人離れしたパワーが武器となる。馬力を生かした突破からシュートチャンスを作ることが出来る。また、ゴール前で落ち着いてシュートを放つことが出来る点も魅力の1つに挙げられる。シュートテクニックが高くてキーパーとの1対1を落ち着いて決めることが出来る。ちょんと浮かして流し込む形のシュートを得意にしており、2019年は「決定力の高さ」が光った。

J3で2桁ゴールと結果を残すことが出来たので今シーズンはトップチームでの活躍が期待されたがトップチームの活動には絡めなかった。FWブルーノ・メンデスとFW奥埜の2トップが基本になるが怪我から戻ってきたFW都倉がいて、新加入のFW豊川も存在感を発揮している。FW鈴木孝もいて、MF柿谷をフォワードで起用することもある。やはり、C大阪のトップチームで出場機会を得るのはかなり難しかった。

J2のクラブへの移籍になるが「J3レベルの選手ではないこと」を2019年に証明したので「ちょうどいいタイミングでのステップアップ」になる。当然、本人にとっては大きなチャンスとなる。町田は元・セルビア代表のFWステファンを獲得しており、彼がフォワードの軸になると思うがベテランのFW中島裕は35歳と高齢になっており、FWジョン・チュングンは左足関節脱臼骨折のため全治6か月と診断されている。

FWジョン・チュングンの復帰時期は早くても8月初めになる。開幕戦では高卒ルーキーのFW晴山岬がベンチ入りしており、186センチのFWドリアン・バブンスキーもいるがフォワードはやや手薄だった。J2でプレーするのは初めてなので「J2でどこまでやれるのか？」は未知数と言えるが若くて能力の高いフォワードを確保することに成功した。FWステファンとFW安藤瑞の2トップを採用することも十分に考えられる。

■　タレントが揃ってきた町田ゼルビア

フォワードの厚みが増したがFW安藤瑞が加入したことで町田は若くて有望視される選手がさらに増えた。すでにMF平戸、MF吉尾、FW晴山岬、MF佐野海などが在籍していたがFW安藤瑞は彼らに負けず劣らずの有望株である。数年前まではどちらかというと経験のあるベテランの活躍が目立つチームだったがここ1・2年で一気に若返った。昨シーズンは下位に低迷したが「ノビシロが大きいチーム」と言える。

J2がいつ再開されるにしても2020年と2021年はかなりイレギュラーなシーズンになる。降格がなくなったので長期的な視野でチームを作ろうとするクラブがいくつも出てくると思うがこのタイミングでFW安藤瑞を期限付き移籍で獲得したということは「土台作りのシーズン」ではなくて「上位を目指すシーズン」と考えているのかもしれない。GK秋元、DF水本、MF吉尾、MF高江、DF小田なども期限付き移籍組になる。

2019年は18位と低迷したがFW中島裕やMF李漢宰やDF深津といったベテラン組、MF平戸やMF佐野海やFW晴山岬やFW岡田優といった自前の若手、FWステファンとMFマソビッチのセルビア組、GK秋元やDF水本やMF吉尾やMF高江やDF小田やFW安藤瑞などの期限付き移籍組がうまくかみ合ったら面白くなるだろう。攻撃的なサッカーを志向するポポヴィッチ監督がどんなチームを作るのか？は興味深い。