■ 最後の最後にドラマが待っていた。今シーズンもJ1の残留争いは最後までもつれた。「鳥栖が16位になって参入決定戦に回る可能性が高まった時間帯」もあったが最後の最後に松本山雅のFW阪野が同点ゴールを決めて湘南は痛恨のドロー。湘南が16位になってJ2のプレーオフを勝ち上がった徳島と「最後の1枠」をかけて参入決定戦を戦うことになった。13位の名古屋と14位の浦和は勝ち点「37」、15位の鳥栖と16位の湘南は勝ち点「36」だった。
『J1残留のために必要とされる勝ち点は「38」』と言われることが多いので名古屋・浦和・鳥栖は目安の勝ち点には届かなかった。湘南は曹貴裁監督のパワハラ問題が発覚した後、急激に失速して勝ち点が伸び悩んだが、名古屋・浦和・鳥栖あたりは湘南のパワハラ問題に救われる形になった。パワハラ問題が発覚せずに曹貴裁監督のままであったならば湘南は勝ち点「40」くらいは楽に稼ぐことが出来ただろう。
湘南のゴタゴタ劇は今シーズンのJ1の残留争いの行方を大きく左右することになったが浦和は最終節まで(数字上は)J2降格の可能性が残った。名門クラブの浦和が残留争いに巻き込まれたのは2011年以来。この時はJ1で15位だった。18チーム制になった2005年以降で浦和が二ケタ順位に終わったのは10位だった2010年、15位だった2011年に次いで3度目。ACLでは準優勝に輝いたが苦しいシーズンになった。
34試合で34得点/50失点。得失点差は「-16」だった。終わってみると名古屋とは全く同じ9勝15敗10分けという成績だったが名古屋は34試合で45得点/50失点。失点数は同じで得点数は「11」も少ない。ACLでの準優勝というのは評価されるべきではあるがほとんどのクラブはJ1のリーグ戦の方を重要視している。「ACLで勝ち進んだのでリーグ戦で下位に低迷するのも仕方がない。」と考える人はほぼいないだろう。