■ 12年ぶりの首位浮上昇格1年目ながらセレッソ大阪が2014年以来のJ1の舞台で躍動している。18節を終えた時点で11勝2敗5分けで勝ち点「38」。後半の終了間際にMF今野に同点ゴールを許して目前まで迫っていた優勝を逃した「長居の悲劇 part2」の時以来で12年ぶりの首位に浮上するなど今シーズンのJ1の主役になっている。18節を終えた時点で勝ち点「38」を獲得しているが、早くもJ1残留のための目安と言われる勝ち点に到達した。
リーグ戦だけでなく天皇杯も2回戦と3回戦は新潟勢に勝利してベスト16進出を決めており、ルヴァン杯もグループステージを4勝2分けで2位通過を果たした。今シーズンから新設されたルヴァン杯のプレーオフステージの1回戦はA組で3位の札幌と顔を合わせることになったがアウェイで2対0の勝利。大きなアドバンテージを持って第2戦のホーム戦を戦うことになった。ベスト8入りに向けて視界は良好である。
3つの公式戦を合計すると18勝2敗7分け。ここ13試合では12勝1分け。5月6日(土)にアウェイで柏に0対1で惜敗してからずっと負けなしが続いており、勝ち点を取りこぼしたのも15節の清水戦(H)のみ。尋常ではない強さを発揮している。セレッソ大阪U-23は苦戦を強いられているが、トップチームはレギュラー組だけでなく控え組も奮闘しており、ターンオーバーを採用した試合でも文句なしの結果を残している。
■ 2014年12月にチーム統括部長に就任快進撃を支えているFW杉本健、MF山村和、MFソウザ、DFマテイ・ヨニッチなどの評価は高まる一方であるが、さらにルヴァン杯や天皇杯で活躍しているサブ組のFWリカルド・サントスやMF福満やMF木本やDF田中裕などの評価も上がってきている。J1のリーグ戦で結果を残していることにスポットライトが当たることがほとんどであるが、カップ戦でも同じように好成績を残している点も高評価に値する。
FWフォルランを獲得して「史上最攻」と銘打ちながらJ1で17位に終わった2014年、格下と思われているチームとの試合で取りこぼすことが多かった2015年・2016年とは全く違うシーズンになっているのでC大阪のサポーターにとっては夢のようなシーズンになっているが、これだけの結果が出ているので、今のチームの礎を築いた大熊チーム統括部長も正当に評価されなければいけない段階に入っている。
GM的な立場の人を指す言葉はJリーグにおいては統一されておらず、「強化部長」、「強化本部長」、「チーム統括本部長」、「強化担当」、「ゼネラルマネージャー」、「強化ダイレクター」ど様々など呼び方があるが、C大阪の場合は「チーム統括部長」となる。大熊チーム統括部長がC大阪にやって来たのはJ2降格が決まった直後の2014年12月だったが、チーム統括部長としての大熊さんは非常に優秀である。
■ 主力の流出はMF南野くらい。選手の良さを引き出せない時期が続いたので監督としては批判の対象になっても仕方がないが、チーム統括部長の大きな仕事である選手の補強ならびに慰留に関しては素晴らしい手腕を発揮している。チーム愛の強い選手が多いことは大きな助けになったと思うが、大熊さんになって主力の流出と言えるのはMF南野(→ザルツブルク)、FW杉本健(→川崎F)、MF染谷(→京都)、MF山口蛍(→ハノーファー)くらいである。
「J2に降格したチーム」ならびに「1年でのJ1再昇格に失敗したチーム」の主力が他クラブに引き抜かれるのは当たり前の話である。特にC大阪の場合は市場価値の高い若手~中堅世代の選手が多かったので2014年のオフも2015年のオフも「主力の大量流出」が噂されたが、結局、MF山口蛍とFW杉本健はわずかな期間でチームに復帰してきたので、大きな痛手となった流出は欧州に渡ったMF南野くらいである。
その上で2014年のオフはFW玉田、MF関口、MFパブロを獲得。2015年のオフはFW杉本健とMF柿谷とMF丸岡満をチームに復帰させた上でMFソウザ、MF山村和、MF清原、DF松田陸を獲得。2016年のオフはMF水沼、DFマテイ・ヨニッチ、MF福満などを獲得した上でMF清武の復帰話をまとめ上げた。夏の補強は2015年も2016年もあまり成功しなかったが、オフの補強については「3年連続で見事」と言うしかない。
■ 崩壊寸前だったチームを立て直す。それに加えて2015年には「大学ナンバー1のボランチ」と言われたMF木本(福岡大)と大学屈指のストライカーと言われたFW澤上(大阪体育大)のW獲得に成功。多くの有力クラブが獲得に乗り出して争奪戦になっていた2人の獲得に成功したこともフロントの大きな成果と言える。もちろん、選手の補強や慰留に関しては大熊さんだけの力ではないが、最も責任のある立場にいるので高く評価されるべきである。
当然、尹晶煥監督の招聘に成功したのも大熊さんである。自ら監督を務めていた関係で早い段階から積極的にアプローチできる環境だったのもプラスに作用して「韓国国内ではやや不遇な立場」と言われていた尹晶煥監督のハートをつかんだ。C大阪はJリーグの中では屈指の資金力とブランド力を持っているが、これだけうまく話が進むケースが多いということは大熊さんに何かしらの人間的な魅力があるのだろう。
クラシックなタイプの指導者なので(現代サッカーにおいては)監督としてあまり優秀ではないことは確か。それ故に大熊さんのことを必要以上に腐す人がC大阪のサポーターにも多いと聞くが、チーム統括部長としての大熊さんの仕事ぶりは正当に評価されなければいけない。「史上最攻」の失敗で崩壊していても不思議は無かったチームをここまで復活させた最大の功労者と言っても過言ではないだろう。
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