■ 勝てば首位通過フランスで開催されている女子W杯のGLの3戦目。1勝1分けで勝ち点「4」の日本は3戦目でイングランドと対戦した。イングランドは2連勝で勝ち点「6」。イングランドは「引き分け以上」で首位通過が確定する。日本は敗れて3位に転落したとしても「各組で3位になった6チームの中で成績上位の4チーム」には入れることが確定済み。すでに決勝T進出は確定している。勝てば首位通過、引き分けだと2位通過となる。
日本は「4-2-2-2」。GK山下。DF清水、DF熊谷、DF市瀬、DF鮫島。MF中島依、MF杉田妃、MF小林里、MF遠藤純。FW横山久、FW岩渕。2戦目でスタメン出場したFW菅澤とMF三浦はベンチスタート。21才のMF小林里が初スタメンとなった。過去2試合は右SHでプレーしたMF中島依はボランチで出場。得点源となるFW横山久は2試合ぶりのスタメン。最年少のMF遠藤純は2試合連続スタメンとなった。
ベンチスタートになったのはGK池田、GK平尾、DF南、DF宮川、DF三宅、MF阪口、MF宇津木、MF三浦、MF籾木、MF長谷川唯、FW菅澤、FW宝田の12名。攻撃の中心となるMF長谷川唯は初戦のアルゼンチン戦で怪我をしてコンディションが万全ではない。MF阪口、MF小林里、MF宇津木、MF籾木などもコンディションが万全ではないので状態の良くない選手が多いのもなでしこジャパンの不安材料と言える。
■ 0対2で敗れて2位通過試合の序盤は日本がペースを握った。前半5分にFW横山久がミドルシュートを放つと、前半9分にもFKからFW横山久が強烈なシュートを放って相手ゴールを脅かした。いい形で試合に入ることができたが前半14分にMFスタンウェイのパスから抜け出したエースのFWホワイトが決めてイングランドが先制に成功する。FWホワイトは今大会2ゴール目となった。前半は1対0とイングランドがリードして折り返した。
1点を追う日本は後半16分にFW菅澤とMF三浦を投入。GLの2試合目のスコットランド戦で躍動したFW菅澤が投入されると明らかに流れが良くなった。何度もFW菅澤のところにチャンスボールが出てくるがなかなか仕留めることが出来ない。すると後半39分にまたしてもエースのFWホワイトに裏のスペースを突かれて失点。痛すぎる2失点目となった。FWホワイトは3試合で3ゴール目。結果を残している。
2点を追う展開になった日本は19才のFW宝田を投入。後半44分にはFW菅澤が抜け出してキーパーと1対1の決定機を迎えたがまたしても決められず。後半48分には右SBのDF清水のクロスから169センチのFW宝田がヘディングシュートを放ったが枠を捉えることは出来なかった。2対0で勝利したイングランドは3連勝。D組を首位で通過した。敗れた日本は1勝1敗1分け。D組の2位で決勝Tに進むことになった。
■ 力の差を考えると「健闘した。」と言えるが・・・。同時刻に行われたもう1つの試合はスコットランドが3点を先取。3対0とリードを奪ったがアルゼンチンが猛反撃を見せた。後半29分・後半34分・後半49分に連続してゴールを奪って3対3の引き分け。0勝1敗2分けのアルゼンチンがD組の3位になって、0勝2敗1分けのスコットランドは4位。アルゼンチンは辛うじて決勝T進出の可能性を残した。スコットランドにとっては悪夢のような展開になった。
試合前の時点で決勝T進出が確定していた日本はメンバーを大きく入れ替えるかに思えたが大幅な変更はなかった。シュート数は日本が16本で、イングランドは14本。FIFAランキングが3位で「格上の相手」と言えるイングランドを相手に健闘した日本だったが「決定力の差」が明暗を分ける形になった。イングランドのFWホワイトは確実にゴールを決めたが、FW横山久やFW菅澤やFW岩渕は決められなかった。
「イングランドとの実力差は大きい。」と思っていたので、正直なところ、ここまでなでしこジャパンが健闘するとは思わなかった。一定の手ごたえを感じられる試合になったと思うが本気で優勝や決勝進出を目指すのであれば開催国のフランスがいて、最強と思われるアメリカも入ってくるだろうブロックには入りたくなかった。首位でD組を通過するよりも2位で通過した方が優勝や決勝進出の可能性は幾分かは高まる。
■ ラウンド16の相手はオランダ or カナダ当然、負けると3位に転落する可能性もあったので「狙って2位通過を達成する。」のは簡単ではなかった。意図して2位通過を狙ったわけではなかったと思うが結果的には「望ましいポジションに入ることができた。」と言える。ラウンド16の相手はオランダ or カナダになるがオランダには2018年の3月に行われたアルガルベ杯のときに2対6と大敗しているのは記憶に新しいところ。オランダ戦になると相当に分が悪い。
このときのオランダ戦も相手のスピードに翻弄されてしまったがこの日のイングランド戦もスピードのある選手への対応に苦慮した。「DF熊谷のパートナーが誰になるのか?」は大会前から注目されていたが初戦は171センチのDF南が起用されて、2戦目と3戦目はDF市瀬になった。2戦目のスコットランド戦のDF市瀬は最後の最後でパスミスをして失点に絡んでしまったがそこまでのパフォーマンスは非常に良かった。
プレーヤー・オブ・ザ・マッチ級の働きを見せたが160センチとCBにしてはサイズに恵まれておらず、身体的な能力も低い。クレバーさはDF市瀬の武器になるが対戦相手は(DF熊谷のところではなくて)DF市瀬のところを狙ってくる。ハイレベルなフォワードがいないスコットランドのようなチームであればDF市瀬のウイークな部分は露にならずに済むがイングランドのような強豪国になると顕著に弱点が露呈する。
「初戦のDF南の出来は良くなかったこと」、「2戦目のDF市瀬はパスミスを除くといい出来だったこと」は間違いないので、CBの序列としては「DF南よりもDF市瀬の方が上」になっていると思うが、オランダもしくはカナダを相手に対抗できる可能性があるのはDF南の方になる。当然、経験の浅いDF南を使うのもリスクは高いので、「ラウンド16でDF南を使うのか?DF市瀬を使うのか?」は興味深いところである。
→ 2019/05/11 【女子W杯】 3年連続得点王のFW田中美南(日テレ・ベレーザ)の落選について
→ 2019/05/12 【女子W杯】 なでしこジャパンの上位進出は考えにくい。常識的に考えて・・・。
★ 現在の投票数 → 7票
→ 最大で8人まで選択して投票することができます。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
はてなブックマークの多かったエントリー (2005年-2019年)
第01位 2008/08/14 凹んだときにはオシム語録 → 251users
第02位 2018/06/26 【ロシアW杯】 大会前に「忖度ジャパン」と揶揄していた人たちを軽蔑する。 → 237users
第03位 2008/05/02 みんなKAZUが好きだった。 → 118users
第04位 2014/09/05 セルジオ越後さんの「Jリーグのレベルは下がった。」発言は何年連続なのか? → 80users
第05位 2017/06/02 【ACL】 本当にDF森脇良太(浦和レッズ)に非は無いのか? (vs 済州ユナイテッド) → 76users
第06位 2014/05/16 「第1子はGK権田だけ。」興味深いW杯日本代表メンバーの兄弟構成 → 70users
第07位 2008/05/04 カリスマ:山本浩アナの名フレーズを堪能する。 → 50users
第08位 2009/02/19 サッカーを観る上で気をつけたい8箇条 → 49users
第09位 2012/01/23 松田直樹はもういない・・・。 → 49users
第10位 2011/09/29 韓国サッカーとは、どのように付き合っていくべきか? → 43users
第11位 2011/01/30 【アジアカップ決勝:日本×豪州】 ザック アジアを制する → 41users
第12位 2010/12/09 サッカー解説者やライターの順位予想はどのくらい当たっているのか? → 38users
第13位 2012/11/09 家本政明レフェリーについて考える。 (上) → 38users
第14位 2013/08/02 「識者」のレベルが高くない日本サッカー界 → 36users
第15位 2007/09/08 本当に「決定力不足」なのか? → 32users
第16位 2010/12/10 サッカーを伝えるメディアの怖さ → 31users
第17位 2012/02/21 【J1】 レフェリーによるレフェリングの傾向について → 31users
第18位 2013/09/29 Jリーグの観客動員数は本当に減っているのか? (下) → 31users
第19位 2014/02/25 ゼロックスでの広島批判に感じた強烈な違和感 → 31users
第20位 2008/08/13 ラモス瑠偉と日の丸への思い → 30users
第00位 2019/06/20 J3+(アンテナ) ・・・ 人気のあるサッカーサイトの最新記事 (4つ)
- 関連記事
-