■ 6連勝なるか?5連勝中の名古屋グランパスと6試合でまだ勝利の無いジェフ千葉。ともに新監督を迎えたチームだが、対照的な結果となっている両チームが瑞穂で対決。
好調の名古屋は<4-4-2>。GK楢崎。DF竹内・バヤリッツァ・吉田・阿部。MF吉村・中村・マギヌン・小川。FWヨンセンと玉田。いつものベストメンバーがそろった。
対する千葉はMF下村が累積警告で出場停止。代役は3年目のMF伊藤。<4-5-1>でGKは立石ではなくGK岡本。DF坂本・斎藤・ボスナー・青木良。MF伊藤・中島・谷澤・青木・フルゴビッチ。FW巻の1トップ。前節から復帰したFW新居はベンチスタート。DF坂本が左から右に移って、G大阪から獲得したDF青木良が左サイドバックに入る。
■ 名古屋が逆転勝利前半10分にホームの名古屋が先制。中央やや左からドリブルでペナルティーエリア内に侵入したMF小川が千葉のDF斎藤のファールを誘ってPKをゲット。やや微妙なジャッジだったが、そのPKをFWヨンセンが決めてリードを奪う。
苦しい展開となった千葉だったが、前半12分にCKから同点に追いつく。右CKをMFフルゴビッチがグラウンダーでニアーに流すと、いいタイミングでゴール前に入り込んだFW巻がダイレクトで決めた。さらに前半22分にも、右サイドに流れたFW巻のグラウンダーの折り返しをMF伊藤がゴール隅に流し込んで逆転に成功する。
前半の名古屋はパスミスが多くいつもの攻撃的な戦いが出来なかったが、後半に入ると完全に押し込む。すると、後半22分にDF竹内のクロスからFWヨンセンが中央で決めて同点に追いつくと、さらに後半33分にも裏のスペースに飛び出たFW玉田のラストパスを途中出場のFW杉本が蹴り込んで3対2と逆転に成功。そのまま名古屋が勝利し6連勝を飾った。
■ クロスの意図名古屋は前半は2トップの2人にいいボールが供給できず、得意のサイドを生かすことが出来なかった。しかしながら、後半に入ると運動量で相手を上回り、サイドから次々とクロスが放たれるようになった。
そのクロスボールの精度という意味では、必ずしも高いものではなかった。サイドバックのDF竹内とDF阿部はともにキックのフィーリングが悪かったのか、比較的フリーの状況であっても味方選手にぴたりと合うボールはほとんどなかった。
ただ、名古屋の面白いところは、クロスボールの大多数がファーサイドへのクロスであって、相手DFがクリアしにくいところを意図して狙って蹴っているようで、たとえそのクロスが味方に合わずに流れてしまっても、逆サイドに選手がきっちりと詰めているので、逆サイドの選手がボールを拾って二次攻撃や三次攻撃につなげることが出来る。
この試合の2点目のゴールはその典型であって、左右両サイドからふられた千葉のDFはFWヨンセンを対処しきれなかった。
■ 自信を持つ名古屋前半は自分たちのサッカーが出来ず逆転ゴールを奪われたが、結局、2点を取って逆転に成功。これで6連勝となった。いい形で試合を進めることが出来なかったことを試合中に修正し、逆転ゴールにつなげたことは評価できる。それぞれの選手の出来は必ずしも良くはなかったが、それでもチーム全体のパフォーマンスは必要レベルを維持した。
当たり前といえば当たり前だが、結果が出ていることもあって、チーム全員に自信がみなぎっていてすべてがいい具合に進んでいる。スーパーサブで3試合連続ゴールのFW杉本の活躍が顕著な例で、スタメンの座をFW玉田に奪われる形になっているが、決して腐らずにプレーを続けていて、脅威的なスピードが相手の脅威になっている。
下位チーム相手ではあるが戦いやすい相手とは言えない千葉に対して逆転でつかんだ勝利は大きいだろう。さらなる自信を獲得できる試合となった。
■ 消極的になった千葉千葉は立ち上がりは積極的な守備を行った。不運なPKで先制ゴールを奪ったが、FW巻とMF伊藤のゴールで逆転に成功した。非常にいい形になったが、逆転したあとから途端にチーム全体が消極的になった。特に守備面ではその影響がダイレクトに表れて、それ以後はボール支配率でも圧倒されて、両サイドから多くのクロスを送られて苦しい展開となった。
勝ててないチームの宿命とはいえ、相手に攻め込まれても耐えることの出来るDFラインであれば問題はないが、千葉の場合は、そこまで守備陣の個人能力が高くはないので、失点は時間の問題となってしまう。立ち上がりの守備が非常に良かっただけに、逆にリードを奪ったことがマイナスになってしまった。
■ 奮起が期待される青木孝太千葉は後半にもいくつかのチャンスは作った。特に1点リードの状況で相手を突き放すゴールがあればもっと余裕を持った戦いが出来たはずであるが、突き放すゴールを奪えなかった。
奮起すべきは背番号9を背負う青木孝太。レギュラークラスの多くがチームを退団したことで今シーズンはたくさんの出番をもらっているが、まだゴールはない。チャンスはつかんでいるが、なかなか決め切れないことが多く、きっかけさえあればゴールを量産できそうな能力は備えているが、なかなかきっかけがつかめない。
昨シーズンまでは途中出場がほとんどでチームの命運を握る存在ではなかったが、今シーズンは青木の出来がチームの成績を左右する。当面は彼次第であるが、期待に応えることは出来ていない。
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