■ 横浜Fマリノスがアウェイで初勝利新潟市にあるデンカビッグスワンスタジアムで行われたJ1の1stステージの第3節のアルビレックス新潟 vs 横浜Fマリノスは後半44分にコーナーキックのこぼれ球を約2年ぶりに日本代表候補に選ばれたMF齋藤学が押し込んで土壇場で横浜FMが決勝ゴールを奪った。横浜FMは今シーズン初勝利を挙げた。一方の新潟はホーム開幕戦だったが敗れて2連敗となった。横浜FMは1勝1敗1分け、新潟は1勝2敗となった。
苦手にしていたビッグスワンで今シーズン勝利を手にした横浜FMは数的優位になった後の後半30分にCBのDF栗原を投入。DFファビオをCBからボランチに上げたがこの交代策はかなり有効だった。結局、後半44分の決勝ゴールはCKから生まれたがその前にもいくつかCKから惜しいシーンを作っている。新潟の最終ラインの中央は高さが不足しているのでターゲットになれるDF栗原を投入したのは良かった。
序盤でやや躓いた横浜FMにとっては大きな勝利と言えるが良くない流れを変えるために思い切ってスタメンに抜擢したFW富樫とMF遠藤渓の2人が思い切りのいいプレーを見せてチームに貢献した。大卒ルーキーのFW富樫は前半25分に先制ゴールをマークして、高卒ルーキーのMF遠藤渓は(あまり成功はしなかったが)果敢な仕掛けを見せてチームに勢いをもたらした。モンバエルツ監督の選手起用が初勝利を呼び込んだ。
■ 試合の行方を大きく左右したレッドカード新戦力が活躍した横浜FMにとってはポジティブ要素の多い試合になったが一方の新潟にとっては非常に残念な試合になった。後半2分にFWラファエル・シルバの3試合連続ゴールで1対1の同点に追いついたが後半17分にFWラファエル・シルバが2枚目のイエローカードを受けて退場。横浜FMにとって一番の脅威になっていたFWラファエル・シルバが退場した影響は計り知れないものがあった。反撃ムードに水を差した。
クイックリスタートから右奥でボールを受けてドリブルでエリア内に侵入したFWラファエル・シルバのプレーがシミュレーションを取られて2枚目のイエローカードが提示された。新潟の吉田監督は判定に対して猛抗議していたが吉田監督は(柏の監督時代から)試合中に審判団が下した判定に対しては(判定が正しかったと思われる場合でも)強く抗議するタイプなのでリアクションとしては予想できた範疇と言える。
「今村レフェリーの判定が正しかったのか?」が話題になっているが倒れたシーンのリプレーを見ると(PKを獲得しようとワザと倒れたのではなくて)アクシデント的に左足が滑ってピッチ上に転がってしまった可能性は全くない無いとは言えない。エリア内でDFファビオをドリブルでかわそうとしたときにややバランスを崩しているので「審判を欺こうとした意図は全くなかった。」という見方は出来なくもない。
■ 適切に処理した今村レフェリー何度もリプレーを見て状況を確認することができる外野の人の結論と瞬時に正確な判断を下さなければならない審判団の判断が食い違うことは珍しくないがそれでもこの場面に関しては「今村レフェリーの判断は正しかった。」と言える。1つ目のポイントは「DFファビオとFWラファエル・シルバが接触しているのか?」であるがこれに関しては『全く接触していない。』と言える。ファールがあったとは言えない。
2つ目のポイントは「FWラファエル・シルバに審判を欺こうとする意図があったのか否か?」であるが「倒れ方」ならびに「倒れた直後のアクション」を見ると「PKを貰おうとした意図が全くなかった。」とは言えない。最初から倒れる意図はおそらくはなかったと思うが、足が滑って倒れそうになった&相手にクリアされそうになったので咄嗟に『あわよくばPKを貰えれば・・・。』という意思が感じられるプレーになった。
ちなみにFWラファエル・シルバは前半35分にいざこざからイエローカードを受けているがこの場面では相当にエキサイトしており、俗に言う「審判団に目を付けられている状態」だった。さらに後半17分のシーンが起こった後のレッドカードが提示される直前ならびに提示された後の(新潟の選手も含めた)フィールド上の選手たちのリアクションも加味すると「今村レフェリーは的確に処理した。」と言えるだろう。
■ 難しいエリア内での攻防の判定エリア内における「ファールかどうか?」、「PKかどうか?」、「シミュレーションかどうか?」の判断は審判団にとってもっとも判断の難しいプレーの1つである。特に攻撃側の選手は「ダメ元」で倒れてPKを貰おうとする選手は多い。PKを与える危険性がある守備側の選手と比べるとはるかにリスクが少ないのが理由と言えるが審判団が判断を誤ってPKを与えるようなことがあるとさらに演技をする選手が増えてくる。
そうなるとひと昔前のセリエAのような状態になる。当然、近くに相手がいてドリブル等で抜き去ろうとしているケースばかり。攻撃側の選手の体勢も崩れているケースがほとんどなのでシミュレーションでイエローカードが提示された場面でも「明らかにシミュレーションだろう。」と言い切れる場面はあまり多くないが特にエリア内でのシミュレーションに関しては攻撃側の選手に対して厳しい目で見た方がいいと思う。
逆に攻撃側の選手の立場に立つと(特にすでに1枚目のイエローカードを受けている選手は退場になる危険性があるので)紛らわしい行為は慎んだ方が無難。リプレーを見たときにFWラファエル・シルバに対する印象が良くなかったのは倒れた直後に主審の方を向いてPKを欲しがるような行動を起こしたこと。この行為があると「この選手はPKを貰いに行った。」と判断されてシミュレーションと判定される可能性が高まる。
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