■ J1の第4節2勝1分けと幸先のいいスタートを切ったアルビレックス新潟が1敗2分けの横浜Fマリノスの対戦。
ホームの新潟は<4-3-3>。GK北野。DF松尾、千代反田、永田、ジウトン。MF本間、マルシオ・リシャルデス、松下。FWペドロ・ジュニオール、大島、矢野。
対するアウェーの横浜FMは<3-4-3>。GK榎本。DF栗原、松田、中澤。MF小椋、兵藤、丁東浩、田中裕。FW狩野、渡邉、坂田。
■ 矢野の決勝ゴール試合はナビスコカップを含めて今シーズンの5試合で未勝利の横浜FMがFW狩野を起点に攻め込む。DF中澤を中心としたディフェンスも新潟の3トップを封じて試合の主導権を握る。
しかし、先制したのは劣勢だった新潟。前半36分に左サイドからのDFジウトンのクロスをMFマルシオ・リシャルデスがヘッドで決めて先制。横浜FMとしては雨のピッチとはいえそれほど難しいコースではなかったのでGK榎本に処理してほしかった。
ビハインドの横浜FMは後半開始から193cmのFW金を投入。立ち上がりから立て続けにセットプレーを獲得すると、後半11分にFW狩野のクロスからDF栗原が体で押し込んで同点に追い付く。
後半半ばを過ぎると両チームともにプレスが緩くなってボールが行ったり来たりの展開となるが、ここで力を発揮したのが新潟のフォワード陣。積極的なドリブルで仕掛けていくと、後半ロスタイムに右サイドのFW曹のグラウンダーのクロスからFW矢野が決めて勝ち越し。
劇的なゴールで新潟が3勝目を挙げた。
■ ロスタイムのゴール新潟はFW矢野のロスタイムのゴールで勝利。3勝1分けとして首位を守った。極度の得点力不足に苦しんだ昨シーズンと比べると前線の破壊力が増して、FWペドロ・ジュニオールを筆頭に個の力で打開出来る選手が増えたので劣勢の試合でも勝利に近づくことが出来る。
決して層の厚いチームではないので、怪我人が出始めると苦しいが、いまの勢いを持続させて序盤戦を突っ走りたいところ。
■ 3トップについて新潟は今シーズンから3トップに変更しており、右にFW矢野、中央にFW大島、左にFWペドロ・ジュニオールを起用している。
これが今シーズンのスタートダッシュの大きな理由であるが、FW矢野にしてもFWペドロ・ジュニオールにしても純粋なウインガーとは程遠いスタイルであり、機能させるのは容易ではないと思われるが、現段階では非常にうまく機能している。
FW矢野の豊富な運動量と思い切りのいいドリブルは相手から見ると厄介であり、FWペドロ・ジュニオールはサイドに張り付いているだけではなく、中に切れ込んできてフィニッシュにも絡む。
■ 3トップはトレンドとなるのか?Jリーグでは開幕してから1トップあるいは2トップのチームが多く、本格的に3トップを採用し、なおかつ継続して成功をおさめたチームは多くはない。したがって、新潟の3トップへの挑戦は1つの興味対象となる。
3トップを採用するチームというと、まずは、昨シーズンのFC東京が思い出されるが、FC東京は右に本職のウイングのFW石川を置いて左にFWカボレを起用。突破力があってなおかつ得点源であるFWカボレを左サイドに置くことで攻撃力がアップした。
他には、近年の甲府(FW大西 or FW金信泳、FW森田、FWマラニョン)や、反町監督が就任した今シーズンの湘南(FWアジエル、FW田原、FW阿部)が前線に3枚のタレントを並べている。
4バックに対抗するためには3トップが1つの対策法といわれるが、果たして、Jリーグの中に3トップが流行するのか?
■ 内容は悪くないマリノス開幕から勝利はないが横浜FMのサッカーは悪くなかった。
ある程度の結果が出ていれば、最後のプレーで無理に攻めることなくアウェーでドローという策も十分にあり得たが、勝利のない状況が攻めざるを得ない状況を生み出して失点を喫した。
昨シーズンから積み下げてきたサッカーがあるのでいきなり方向転換をすることはできず、またその必要もないが、ここまで結果が出ないとチームが揺らぐことになる。
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