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はてなキーワード: 町家とは

2024-10-01

五  門をはいると、このあいだの萩が、人の丈より高く茂って、株の根に黒い影ができている。この黒い影が地の上をはって、奥の方へゆくと、見えなくなる。葉と葉の重なる裏まで上ってくるようにも思われる。それほど表には濃い日があたっている。手洗水のそば南天がある。これも普通よりは背が高い。三本寄ってひょろひょろしている。葉は便所の窓の上にある。  萩と南天の間に椽側が少し見える。椽側は南天を基点としてはすに向こうへ走っている。萩の影になった所は、いちばん遠いはずれになる。それで萩はいちばん手前にある。よし子はこの萩の影にいた。椽側に腰をかけて。  三四郎は萩とすれすれに立った。よし子は椽から腰を上げた。足は平たい石の上にある。三四郎はいさらその背の高いのに驚いた。 「おはいりなさい」  依然として三四郎を待ち設けたような言葉かいである三四郎病院の当時を思い出した。萩を通り越して椽鼻まで来た。 「お掛けなさい」  三四郎は靴をはいている。命のごとく腰をかけた。よし子は座蒲団を取って来た。 「お敷きなさい」  三四郎蒲団を敷いた。門をはいってから三四郎はまだ一言も口を開かない。この単純な少女はただ自分の思うとおりを三四郎に言うが、三四郎からは毫も返事を求めていないように思われる。三四郎は無邪気なる女王の前に出た心持ちがした。命を聞くだけである。お世辞を使う必要がない。一言でも先方の意を迎えるような事をいえば、急に卑しくなる、唖の奴隷のごとく、さきのいうがままにふるまっていれば愉快である三四郎子供のようなよし子から子供扱いにされながら、少しもわが自尊心を傷つけたとは感じえなかった。 「兄ですか」とよし子はその次に聞いた。  野々宮を尋ねて来たわけでもない。尋ねないわけでもない。なんで来たか三四郎にもじつはわからないのである。 「野々宮さんはまだ学校ですか」 「ええ、いつでも夜おそくでなくっちゃ帰りません」  これは三四郎も知ってる事である三四郎挨拶に窮した。見ると椽側に絵の具箱がある。かきかけた水彩がある。 「絵をお習いですか」 「ええ、好きだからかきます」 「先生はだれですか」 「先生に習うほどじょうずじゃないの」 「ちょっと拝見」 「これ? これまだできていないの」とかきかけを三四郎の方へ出す。なるほど自分のうちの庭がかきかけてある。空と、前の家の柿の木と、はいり口の萩だけができている。なかにも柿の木ははなはだ赤くできている。 「なかなかうまい」と三四郎が絵をながめながら言う。 「これが?」とよし子は少し驚いた。本当に驚いたのである三四郎のようなわざとらしい調子は少しもなかった。  三四郎はいさら自分言葉冗談にすることもできず、またまじめにすることもできなくなった。どっちにしても、よし子から軽蔑されそうである三四郎は絵をながめながら、腹の中で赤面した。  椽側から座敷を見回すと、しんと静かである茶の間はむろん、台所にも人はいないようである。 「おっかさんはもうお国へお帰りになったんですか」 「まだ帰りません。近いうちに立つはずですけれど」 「今、いらっしゃるんですか」 「今ちょっと買物に出ました」 「あなた里見さんの所へお移りになるというのは本当ですか」 「どうして」 「どうしてって――このあい広田先生の所でそんな話がありましたから」 「まだきまりません。ことによると、そうなるかもしれませんけれど」  三四郎は少しく要領を得た。 「野々宮さんはもとから里見さんと御懇意なんですか」 「ええ。お友だちなの」  男と女の友だちという意味かしらと思ったが、なんだかおかしい。けれども三四郎はそれ以上を聞きえなかった。 「広田先生は野々宮さんのもとの先生だそうですね」 「ええ」  話は「ええ」でつかえた。 「あなた里見さんの所へいらっしゃるほうがいいんですか」 「私? そうね。でも美禰子さんのお兄いさんにお気の毒ですから」 「美禰子さんのにいさんがあるんですか」 「ええ。うちの兄と同年の卒業なんです」 「やっぱり理学士ですか」 「いいえ、科は違います法学士です。そのまた上の兄さんが広田先生のお友だちだったのですけれども、早くおなくなりになって、今では恭助さんだけなんです」 「おとっさんやおっかさんは」  よし子は少し笑いながら、 「ないわ」と言った。美禰子の父母の存在想像するのは滑稽であるといわぬばかりである。よほど早く死んだものみえる。よし子の記憶にはまるでないのだろう。 「そういう関係で美禰子さんは広田先生の家へ出入をなさるんですね」 「ええ。死んだにいさんが広田先生とはたいへん仲良しだったそうです。それに美禰子さんは英語が好きだから、時々英語を習いにいらっしゃるんでしょう」 「こちらへも来ますか」  よし子はいつのまにか、水彩画の続きをかき始めた。三四郎そばにいるのがまるで苦になっていない。それでいて、よく返事をする。 「美禰子さん?」と聞きながら、柿の木の下にある藁葺屋根に影をつけたが、 「少し黒すぎますね」と絵を三四郎の前へ出した。三四郎は今度は正直に、 「ええ、少し黒すぎます」と答えた。すると、よし子は画筆に水を含ませて、黒い所を洗いながら、 「いらっしゃいますわ」とようやく三四郎に返事をした。 「たびたび?」 「ええたびたび」とよし子は依然として画紙に向かっている。三四郎は、よし子が絵のつづきをかきだしてから、問答がたいへん楽になった。  しばらく無言のまま、絵のなかをのぞいていると、よし子はたんねんに藁葺屋根の黒い影を洗っていたが、あまり水が多すぎたのと、筆の使い方がなかなか不慣れなので、黒いものがかってに四方へ浮き出して、せっかく赤くできた柿が、陰干の渋柿のような色になった。よし子は画筆の手を休めて、両手を伸ばして、首をあとへ引いて、ワットマンをなるべく遠くからながめていたが、しまいに、小さな声で、 「もう駄目ね」と言う。じっさいだめなのだからしかたがない。三四郎は気の毒になった。 「もうおよしなさい。そうして、また新しくおかきなさい」  よし子は顔を絵に向けたまま、しりめに三四郎を見た。大きな潤いのある目である三四郎ますます気の毒になった。すると女が急に笑いだした。 「ばかね。二時間ばかり損をして」と言いながら、せっかくかいた水彩の上へ、横縦に二、三本太い棒を引いて、絵の具箱の蓋をぱたりと伏せた。 「もうよしましょう。座敷へおはいりなさい。お茶をあげますから」と言いながら、自分は上へ上がった。三四郎は靴を脱ぐのが面倒なので、やはり椽側に腰をかけていた。腹の中では、今になって、茶をやるという女を非常におもしろいと思っていた。三四郎に度はずれの女をおもしろがるつもりは少しもないのだが、突然お茶をあげますといわれた時には、一種の愉快を感ぜぬわけにゆかなかったのである。その感じは、どうしても異性に近づいて得られる感じではなかった。  茶の間で話し声がする。下女はいたに違いない。やがて襖を開いて、茶器を持って、よし子があらわれた。その顔を正面から見た時に、三四郎はまた、女性中のもっと女性的な顔であると思った。  よし子は茶をくんで椽側へ出して、自分は座敷の畳の上へすわった。三四郎はもう帰ろうと思っていたが、この女のそばにいると、帰らないでもかまわないような気がする。病院ではかつてこの女の顔をながめすぎて、少し赤面させたために、さっそく引き取ったが、きょうはなんともない。茶を出したのをさいわいに椽側と座敷でまた談話を始めた。いろいろ話しているうちに、よし子は三四郎に妙な事を聞きだした。それは、自分の兄の野々宮が好きかいやかという質問であった。ちょっと聞くとまるでがんぜない子供の言いそうな事であるが、よし子の意味はもう少し深いところにあった。研究心の強い学問好きの人は、万事を研究する気で見るから、情愛が薄くなるわけである人情で物をみると、すべてが好ききらいの二つになる。研究する気なぞが起こるものではない。自分の兄は理学者だものから自分研究していけない。自分研究すればするほど、自分を可愛がる度は減るのだから、妹に対して不親切になる。けれども、あのくらい研究好きの兄が、このくらい自分を可愛がってくれるのだから、それを思うと、兄は日本じゅうでいちばんいい人に違いないという結論であった。  三四郎はこの説を聞いて、大いにもっともなような、またどこか抜けているような気がしたが、さてどこが抜けているんだか、頭がぼんやりして、ちょっとからなかった。それでおもてむきこの説に対してはべつだんの批評を加えなかった。ただ腹の中で、これしきの女の言う事を、明瞭に批評しえないのは、男児としてふがいないことだと、いたく赤面した。同時に、東京女学生はけっしてばかにできないものだということを悟った。  三四郎はよし子に対する敬愛の念をいだいて下宿へ帰った。はがきが来ている。「明日午後一時ごろから人形を見にまいりますから広田先生の家までいらっしゃい。美禰子」  その字が、野々宮さんのポッケットから半分はみ出していた封筒の上書に似ているので、三四郎は何べんも読み直してみた。  翌日は日曜である三四郎は昼飯を済ましてすぐ西片町へ来た。新調の制服を着て、光った靴をはいている。静かな横町広田先生の前まで来ると、人声がする。  先生の家は門をはいると、左手がすぐ庭で、木戸をあければ玄関へかからずに、座敷の椽へ出られる。三四郎は要目垣のあいだに見える桟をはずそうとして、ふと、庭の中の話し声を耳にした。話は野々宮と美禰子のあいだに起こりつつある。 「そんな事をすれば、地面の上へ落ちて死ぬばかりだ」これは男の声である。 「死んでも、そのほうがいいと思います」これは女の答である。 「もっともそんな無謀な人間は、高い所から落ちて死ぬだけの価値は十分ある」 「残酷な事をおっしゃる」  三四郎はここで木戸をあけた。庭のまん中に立っていた会話の主は二人ともこっちを見た。野々宮はただ「やあ」と平凡に言って、頭をうなずかせただけである。頭に新しい茶の中折帽をかぶっている。美禰子は、すぐ、 「はがきはいつごろ着きましたか」と聞いた。二人の今までやっていた会話はこれで中絶した。  椽側には主人が洋服を着て腰をかけて、相変らず哲学を吹いている。これは西洋雑誌を手にしていた。そばによし子がいる。両手をうしろに突いて、からだを空に持たせながら、伸ばした足にはいた厚い草履をながめていた。――三四郎はみんなから待ち受けられていたとみえる。  主人は雑誌をなげ出した。 「では行くかな。とうとう引っぱり出された」 「御苦労さま」と野々宮さんが言った。女は二人で顔を見合わせて、ひとに知れないような笑をもらした。庭を出る時、女が二人つづいた。 「背が高いのね」と美禰子があとから言った。 「のっぽ」とよし子が一言答えた。門の側で並んだ時、「だからなりたけ草履をはくの」と弁解をした。三四郎もつづいて庭を出ようとすると、二階の障子ががらりと開いた。与次郎が手欄の所まで出てきた。 「行くのか」と聞く。 「うん、君は」 「行かない。菊細工なんぞ見てなんになるものか。ばかだな」 「いっしょに行こう。家にいたってしようがないじゃないか」 「今論文を書いている。大論文を書いている。なかなかそれどころじゃない」

三四郎はあきれ返ったような笑い方をして、四人のあとを追いかけた。四人は細い横町を三分の二ほど広い通りの方へ遠ざかったところである。この一団の影を高い空気の下に認めた時、三四郎自分の今の生活熊本当時のそれよりも、ずっと意味の深いものになりつつあると感じた。かつて考えた三個の世界のうちで、第二第三の世界はまさにこの一団の影で代表されている。影の半分は薄黒い。半分は花野のごとく明らかである。そうして三四郎の頭のなかではこの両方が渾然として調和されている。のみならず、自分もいつのまにか、しぜんとこの経緯のなかに織りこまれている。ただそのうちのどこかにおちつかないところがある。それが不安である。歩きながら考えると、いまさき庭のうちで、野々宮と美禰子が話していた談柄が近因である三四郎はこの不安の念を駆るために、二人の談柄をふたたびほじくり出してみたい気がした。

 四人はすでに曲がり角へ来た。四人とも足をとめて、振り返った。美禰子は額に手をかざしている。

 三四郎は一分かからぬうちに追いついた。追いついてもだれもなんとも言わない。ただ歩きだしただけである。しばらくすると、美禰子が、

「野々宮さんは、理学者だから、なおそんな事をおっしゃるんでしょう」と言いだした。話の続きらしい。

「なに理学をやらなくっても同じ事です。高く飛ぼうというには、飛べるだけの装置を考えたうえでなければできないにきまっている。頭のほうがさきに要るに違いないじゃありませんか」

「そんなに高く飛びたくない人は、それで我慢するかもしれません」

我慢しなければ、死ぬばかりですもの

「そうすると安全で地面の上に立っているのがいちばんいい事になりますね。なんだかつまらないようだ」

 野々宮さんは返事をやめて、広田先生の方を向いたが、

「女には詩人が多いですね」と笑いながら言った。すると広田先生が、

男子の弊はかえって純粋詩人になりきれないところにあるだろう」と妙な挨拶をした。野々宮さんはそれで黙った。よし子と美禰子は何かお互いの話を始める。三四郎はようやく質問の機会を得た。

「今のは何のお話なんですか」

「なに空中飛行機の事です」と野々宮さんが無造作に言った。三四郎落語のおちを聞くような気がした。

 それからはべつだんの会話も出なかった。また長い会話ができかねるほど、人がぞろぞろ歩く所へ来た。大観音の前に乞食がいる。額を地にすりつけて、大きな声をのべつに出して、哀願をたくましゅうしている。時々顔を上げると、額のところだけが砂で白くなっている。だれも顧みるものがない。五人も平気で行き過ぎた。五、六間も来た時に、広田先生が急に振り向いて三四郎に聞いた。

「君あの乞食に銭をやりましたか

「いいえ」と三四郎があとを見ると、例の乞食は、白い額の下で両手を合わせて、相変らず大きな声を出している。

「やる気にならないわね」とよし子がすぐに言った。

「なぜ」とよし子の兄は妹を見た。たしなめるほどに強い言葉でもなかった。野々宮の顔つきはむしろ冷静である

「ああしじゅうせっついていちゃ、せっつきばえがしないからだめですよ」と美禰子が評した。

「いえ場所が悪いからだ」と今度は広田先生が言った。「あまり人通りが多すぎるからいけない。山の上の寂しい所で、ああいう男に会ったら、だれでもやる気になるんだよ」

「その代り一日待っていても、だれも通らないかもしれない」と野々宮はくすくす笑い出した。

 三四郎は四人の乞食に対する批評を聞いて、自分今日まで養成した徳義上の観念を幾分か傷つけられるような気がした。けれども自分乞食の前を通る時、一銭も投げてやる了見が起こらなかったのみならず、実をいえば、むしろ不愉快な感じが募った事実反省してみると、自分よりもこれら四人のほうがかえって己に誠であると思いついた。また彼らは己に誠でありうるほどな広い天地の下に呼吸する都会人種であるということを悟った。

 行くに従って人が多くなる。しばらくすると一人の迷子出会った。七つばかりの女の子である。泣きながら、人の袖の下を右へ行ったり、左へ行ったりうろうろしている。おばあさん、おばあさんとむやみに言う。これには往来の人もみんな心を動かしているようにみえる。立ちどまる者もある。かあいそうだという者もある。しかしだれも手をつけない。子供はすべての人の注意と同情をひきつつ、しきりに泣きさけんでおばあさんを捜している。不可思議現象である

「これも場所が悪いせいじゃないか」と野々宮君が子供の影を見送りながら言った。

「いまに巡査が始末をつけるにきまっているから、みんな責任をのがれるんだね」と広田先生説明した。

わたしそばまで来れば交番まで送ってやるわ」とよし子が言う。

「じゃ、追っかけて行って、連れて行くがいい」と兄が注意した。

「追っかけるのはいや」

「なぜ」

「なぜって――こんなにおおぜいの人がいるんですもの。私にかぎったことはないわ」

「やっぱり責任をのがれるんだ」と広田が言う。

「やっぱり場所が悪いんだ」と野々宮が言う。男は二人で笑った。団子坂の上まで来ると、交番の前へ人が黒山のようにたかっている。迷子はとうとう巡査の手に渡ったのである

「もう安心大丈夫です」と美禰子が、よし子を顧みて言った。よし子は「まあよかった」という。

 坂の上から見ると、坂は曲がっている。刀の切っ先のようである。幅はむろん狭い。右側の二階建が左側の高い小屋の前を半分さえぎっている。そのうしろにはまた高い幟が何本となく立ててある。人は急に谷底へ落ち込むように思われる。その落ち込むものが、はい上がるものと入り乱れて、道いっぱいにふさがっているから、谷の底にあたる所は幅をつくして異様に動く。見ていると目が疲れるほど不規則うごめいている。広田先生はこの坂の上に立って、

「これはたいへんだ」と、さも帰りたそうである。四人はあとから先生を押すようにして、谷へはいった。その谷が途中からだらだらと向こうへ回り込む所に、右にも左にも、大きな葭簀掛けの小屋を、狭い両側から高く構えたので、空さえ存外窮屈にみえる。往来は暗くなるまで込み合っている。そのなかで木戸番ができるだけ大きな声を出す。「人間から出る声じゃない。菊人形から出る声だ」と広田先生が評した。それほど彼らの声は尋常を離れている。

 一行は左の小屋はいった。曾我の討入がある。五郎も十郎も頼朝もみな平等に菊の着物を着ている。ただし顔や手足はことごとく木彫りである。その次は雪が降っている。若い女が癪を起こしている。これも人形の心に、菊をいちめんにはわせて、花と葉が平に隙間なく衣装恰好となるように作ったものである

 よし子は余念なくながめている。広田先生と野々宮はしきりに話を始めた。菊の培養法が違うとかなんとかいうところで、三四郎は、ほかの見物に隔てられて、一間ばかり離れた。美禰子はもう三四郎より先にいる。見物は、がいして町家の者である教育のありそうな者はきわめて少ない。美禰子はその間に立って振り返った。首を延ばして、野々宮のいる方を見た。野々宮は右の手を竹の手欄から出して、菊の根をさしながら、何か熱心に説明している。美禰子はまた向こうをむいた。見物に押されて、さっさと出口の方へ行く。三四郎は群集を押し分けながら、三人を棄てて、美禰子のあとを追って行った。

 ようやくのことで、美禰子のそばまで来て、

里見さん」と呼んだ時に、美禰子は青竹の手欄に手を突いて、心持ち首をもどして、三四郎を見た。なんとも言わない。手欄のなかは養老の滝である。丸い顔の、腰に斧をさした男が、瓢箪を持って、滝壺のそばにかがんでいる。三四郎が美禰子の顔を見た時には、青竹のなかに何があるかほとんど気がつかなかった。

「どうかしましたか」と思わず言った。美禰子はまだなんとも答えない。黒い目をさももうそうに三四郎の額の上にすえた。その時三四郎は美禰子の二重瞼に不可思議ある意味を認めた。その意味のうちには、霊の疲れがある。肉のゆるみがある。苦痛に近き訴えがある。三四郎は、美禰子の答を予期しつつある今の場合を忘れて、この眸とこの瞼の間にすべてを遺却した。すると、美禰子は言った。

「もう出ましょう」

 眸と瞼の距離が次第に近づくようにみえた。近づくに従って三四郎の心には女のために出なければすまない気がきざしてきた。それが頂点に達したころ、女は首を投げるように向こうをむいた。手を青竹の手欄から離して、出口の方へ歩いて行く。三四郎はすぐあとからついて出た。

 二人が表で並んだ時、美禰子はうつむいて右の手を額に当てた。周囲は人が渦を巻いている。三四郎は女の耳へ口を寄せた。

「どうかしましたか

 女は人込みの中を谷中の方へ歩きだした。三四郎もむろんいっしょに歩きだした。半町ばかり来た時、女は人の中で留まった。

「ここはどこでしょう」

「こっちへ行くと谷中天王寺の方へ出てしまます。帰り道とはまるで反対です」

「そう。私心持ちが悪くって……」

 三四郎は往来のまん中で助けなき苦痛を感じた。立って考えていた。

「どこか静かな所はないでしょうか」と女が聞いた。

 谷中千駄木が谷で出会うと、いちばん低い所に小川が流れている。この小川を沿うて、町を左へ切れるとすぐ野に出る。川はまっすぐに北へ通っている。三四郎東京へ来てから何べんもこの小川の向こう側を歩いて、何べんこっち側を歩いたかよく覚えている。美禰子の立っている所は、この小川が、ちょうど谷中の町を横切って根津へ抜ける石橋そばである

「もう一町ばかり歩けますか」と美禰子に聞いてみた。

「歩きます

 二人はすぐ石橋を渡って、左へ折れた。人の家の路地のような所を十間ほど行き尽して、門の手前から板橋こちら側へ渡り返して、しばらく川の縁を上ると、もう人は通らない。広い野である

 三四郎はこの静かな秋のなかへ出たら、急にしゃべり出した。

「どうです、ぐあいは。頭痛でもしますか。あんまり人がおおぜい、いたせいでしょう。あの人形を見ている連中のうちにはずいぶん下等なのがいたようだから――なにか失礼でもしまたか

 女は黙っている。やがて川の流れから目を上げて、三四郎を見た。二重瞼にはっきりと張りがあった。三四郎はその目つきでなかば安心した。

ありがとう。だいぶよくなりました」と言う。

休みましょうか」

「ええ」

「もう少し歩けますか」

「ええ」

「歩ければ、もう少しお歩きなさい。ここはきたない。あすこまで行くと、ちょうど休むにいい場所があるから

「ええ」

 一丁ばかり来た。また橋がある。一尺に足らない古板を造作なく渡した上を、三四郎は大またに歩いた。女もつづいて通った。待ち合わせた三四郎の目には、女の足が常の大地を踏むと同じように軽くみえた。この女はすなおな足をまっすぐに前へ運ぶ。わざと女らしく甘えた歩き方をしない。したがってむやみにこっちから手を貸すわけにはいかない。

 向こうに藁屋根がある。屋根の下が一面に赤い。近寄って見ると、唐辛子を干したのであった。女はこの赤いものが、唐辛子であると見分けのつくところまで来て留まった。

「美しいこと」と言いながら、草の上に腰をおろした。草は小川の縁にわずかな幅をはえているのみである。それすら夏の半ばのように青くはない。美禰子は派手な着物のよごれるのをまるで苦にしていない。

「もう少し歩けませんか」と三四郎は立ちながら、促すように言ってみた。

ありがとう。これでたくさん」

「やっぱり心持ちが悪いですか」

あんまり疲れたから

 三四郎もとうとうきたない草の上にすわった。美禰子と三四郎の間は四尺ばかり離れている。二人の足の下には小さな川が流れている。秋になって水が落ちたから浅い。角の出た石の上に鶺鴒が一羽とまったくらいである。三四郎は水の中をながめていた。水が次第に濁ってくる。見ると川上百姓大根を洗っていた。美禰子の視線は遠くの向こうにある。向こうは広い畑で、畑の先が森で森の上が空になる。空の色がだんだん変ってくる。

 ただ単調に澄んでいたもののうちに、色が幾通りもできてきた。透き通る藍の地が消えるように次第に薄くなる。その上に白い雲が鈍く重なりかかる。重なったものが溶けて流れ出す。どこで地が尽きて、どこで雲が始まるかわからないほどにものうい上を、心持ち黄な色がふうと一面にかかっている。

「空の色が濁りました」と美禰子が言った。

anond:20241001033922

2024-02-09

anond:20240209162856

タイトルだけ見て京の町家で育った話かと思ったら、違った... orz

2023-08-21

anond:20160513122739

京の町家みたいなイメージかな? 伝統的な街並みの街道沿いの町家もだいたいそんな感じだから伝統的にそうなんじゃないの? 川越とか日本橋とかもそんな感じだし。

一方、普通郊外住宅地一戸建ては、昭和の家だとサザエさんちみたいなつくりだし、今時の家だと玄関を出たらカーポート屋根がある感じかな。

2023-06-08

anond:20230606163132

天下一品先斗町支店に行ったら、町家天下一品が実現して、しかインスタ映えする写真が撮れたのに。

と言おうと思ったら、今は無かったよ。残念!

anond:20230606163132

京都人からしたら、他人否定しておきながら観光客向けのオシャレっぽい町家カフェ京都風のものを食べて喜んでるのが笑いどころじゃないの?

2022-04-21

anond:20220421113132

本当に伝統格式のあるお家とか昔から花街の人とかは言われるような陰湿な感じがあるかもしれないけど、普通に生きててそういう人と接することはないのでそんなに恐れることはないと思う。

京都人全般他人との距離感が広めなので、冷たいって感じる人はいるかも知れない。他人にいちいち介入しない、直接文句をつけたりしないってのが人間関係の基本にある。だから気楽なことも多い。

(で、表立って言えないから嫌味とか陰口とかってことになる。そういうのは聞かなかったことにして澄ましてるのが正解。深く関わらなければ快適に暮らしていける。だから、深く関わらないといけないような場所には住まないほうが楽。たとえば、昔から路地奥の町家とか、祇園祭の山鉾が立つような地域かにあこがれて住む人いるけど、町内会に入って近所の人とのしがらみができるとむっちゃしんどいと思う。)

あと、地域の格として、一条からどんどん下がっていくということはなく、今は四条烏丸を中心にした四角形「田の字」って言われてるへんが地価が高い、良い地域ってことになってる。(はてな本社もそのへんにある)

その外だからといって何か言われるということもないよ。市内は、伝統的なスラムって言われてるような一部地域以外は、まあごくごく普通住宅街さらにその一部地域も開発が進んで昔ほど殺伐としてない。(古い街ならどこの街にもそういうとこあると思うけどな。元遊郭、元処刑場、川沿い海沿い町外れ、不法入国者が住み着いたところ。)

で、市街からちょっと離れると幹線道路沿いにファミレスとかパチンコ屋とかがあって休みの日にイオンモールに行ったらだいたい近所の人に会う、そういう普通田舎町。五条通は夜になると暴走族がうるさい。

2022-04-08

anond:20220408150553

京都に住みたいって動機によると思う。学業のためとか、仕事のためなら別に普通地方都市に住むのと同じ。イオンモールで買い物して、くら寿司とかサイゼご飯食べて、トリキで酒飲んでる分には普通地方都市

子ができて学校つながりの人間関係発生しても地元民と転勤族半々ぐらいだから、そこまで特異な人間関係が発生するわけではない。

結局、積極的地元コミュニティに入って京都っぽい生活を送りたいかどうかじゃね?で、地縁でのつながりを求めて移住する場合、おそらく日本全国どこに行っても嫌な思いする確率のほうが高いと思う。

京都に住みたいって言ってる人の多くは、町家とか風情のある物件に住んだり、寺社仏閣めぐりがやりたかったり、昔ながらの生活がやってみたいとか、なんかそういうやつでしょ。それって「田舎移住して古民家カフェやりたいわー」みたいなやつだから上手くいかないよ。

2020-11-20

anond:20201120123207

京都市中心部の古い町家には今でも竃がある、、かも知れない。

2019-05-04

"京都の町並み"が急速に壊れつつある

"京都の町並み"が急速に壊れつつあるワケ

中国資本が「町家」を買い漁る事情

https://president.jp/articles/-/27981


日本景観は汚いところばかりなんだから観光地まで景観を壊しちゃったら日本の街の見どころがほぼ無くなるぞ。

2018-03-31

あの金魚電話ボックス撤去

金魚で有名な奈良県大和郡山市の「金魚電話ボックス」について、大和郡山お城まつり終了後の4月9日以降に撤去されることがわかった。

福島県在住の現代美術作家山本伸樹氏の作品そっくりであると各方面から指摘されていた大和郡山金魚電話ボックス4月9日撤去されることになったそうです。設置場所の K COFFEEの森和也さんに確認しました。

https://www.facebook.com/ryomichico/posts/1657682120980786

大和郡山のお城祭り4月8日まで開催されます。それが終了してからとの配慮で、4月9日撤去となる模様です。みなさま、お城祭りに行かれたら、最期にぜひひと目、見てください!

https://www.facebook.com/ryomichico/posts/1657682120980786

撤去されるのは、京都造形芸術大学の銅金裕司教授と1回生6名からなる金魚部が水都大阪フェス2011で「テレ金」として発表したもので、イオンモール大和郡山、第52回大和郡山お城まつりでも展示された後、部材を譲り受けた街おこし団体のK-Pool Projectが第53回大和郡山お城まつりで「テレ金2013」として再度展示。さらに、金魚の会がアートイベントHANARART 2013」で柳町商店街出展したこときっかけに、現在は同商店街カフェ「K COFFEE」が管理している。

いまでは観光名所となっているこの金魚電話ボックスだが、現代美術作家山本伸樹さんが1998年に発表した「メッセージ」に酷似しており、これまで山本さんが抗議し続けていた。

1、京都造形芸術大の「金魚部」が2011年に私の作品と同じものを作り、大阪キャンバスに入選して、出品し、2012年には私の指摘で、それを認め、出品を辞退し、活動を休止した。

2、それによって放置されていた、作品部品を譲り受けた、「金魚会」という別なグループが、私の作品を知りながら、それを使って新たに私の作品と同じもの制作し、2013年に奈良町家HANARART2013に出品した。

3、私の指摘にも関わらず、その後2014年まで常設として設置し続けた。

https://www.facebook.com/nobuki.yamamoto.5/posts/602183623243317

https://www.facebook.com/nobuki.yamamoto.5/posts/603658743095805

https://www.facebook.com/nobuki.yamamoto.5/posts/604104109717935

2017年2月以降ようやく話し合いの場が設けられ、山本さん、K-Pool 、K COFFEE、郡山柳町商店街協同組合理事長の間で「金魚電話ボックスが、山本伸樹の著作物であると認めること」「オリジナル作品である緑の電話機への付け替えを認めること」「山本伸樹は著作権使用料慰謝料、付け替え費用請求しないこと」で一度は合意しかけ、2017年8月21日には「柳町商店街協同組合山本伸樹のコラボレーション作品」と明示されるようになったが、郡山柳町商店街協同組合理事会では一転合意しないことが決定。結局撤去という形で幕引きを図ることとなった。

山本氏は「いままでもこれからも、著作物使用料は一切もらわないから、せめて著作権を認めてほしい。オリジナルの緑の電話に付け替えさせてほしい」とほぼ1年前から商店街に申し出ていました。緑の電話への付け替えも自腹とのことでしたが、地元商店街結論は「撤去」でした。大変残念なことです。

https://www.facebook.com/ryomichico/posts/1657682120980786

回 答 書

                     

 前略、当方は、通知人郡山柳町商店街協同組合代理人として、貴殿平成29年12月28日付発送の内容証明郵便に対し,以下のとおり回答します。         

 通知人は、本件「金魚電話ボックス」が貴殿著作権侵害しているとは認識しておりませんが、紛争発生の経緯および現状に鑑み、当該「金魚電話ボックス」を撤去する旨を今般決定しましたので、その旨ご連絡します。


平成30年3月28日

https://www.facebook.com/ryomichico/posts/1660681930680805

2017-07-25

東京出身の私に、京都の魅力を教えてほしい。

京都って、鎌倉川越佐原と並んで有名な歴史観都市だろうけど、京都に越してきてから何度か行ってみて、失礼ながら「あれ、こんなものなの?」という印象を持ってしまった。

なんだか、鎌倉川越佐原にたくさんある古い町家みたいな感じだし、最近洗練されてきてて古都っぽさをあまり感じないし、むしろ神戸最高って思ったり。

お寺や神社の中では、八坂神社がいい感じで、後その近くにある親子丼が美味し、という感じだとか。

奈良県B級スポットみたいで面白いし、大仏多すぎワロタ

あと、鴨川の方にいくと、ドチャクソセックス大好き人間が沢山いて、びっくりした。川沿いにはおしゃれなカフェや由緒正しい料理屋とかがあるんだけど、文化圏の違いを感じて、ちょっと気が引けてしまったり。

なんだろう、面白いんだけど、何度も通うには、もう少し魅力を分からないといけないな、と思うんですが、京都の魅力って、一体なんなんでしょうか。

https://anond.hatelabo.jp/20170724165405

2017-01-05

名古屋おすすめカフェを徒然なるままにピックアップしてみた

名古屋おすすめカフェ適当ピックアップしてみた。

コメダ喫茶マウンテンなど

有名どころはあえて外しているのであしからず

[名古屋駅編]

バンチ オブ ピオニー

花屋さんの奥にあるカフェ。そもそも入り口がどこかわからなくて迷ってしまう 笑

  映画に出てきそうな柔らかい空間が広がり、1人静かに過ごせるカフェ

  クラムチャウダーが美味しい。

ダブリンルームカフェ

 →間接照明がおしゃれな大人向けなカフェ。店内は暗く落ち着いている雰囲気

  コーヒーの種類も豊富であり、チーズケーキが美味しい。

  

[栄編]

ホイホイ

 →栄のパンケーキならここしかない!ふわふわ生地で食感がクセになる。

  お店はすこし小さめだが、ハワイアン雰囲気で過ごしやすい。テラス席もある。

  パンケーキが美味しい。トップングも色々ある。

cafe DODO

 →栄の隠れた場所にあるアートカフェ。急な階段を登った3階にあり

  名物「つけナポリタン」が美味しい。

[矢場町編]

黒猫カフェ

 →「黒猫」がモチーフカフェ。本物の黒猫がいるわけではなく

  黒猫キャラクターグッズインテリアが多数揃っている。ディナーも味が本格的。

  メイソンジャーボトルオリジナルドリンクが美味しい。

[上前津編]

eric-life エリック ライフ

 →大須観音近くのカフェ。落ち着いてた雰囲気比較的大きめな店内である

  ソファがふかふかで気持ちいい。オムライスが美味しい。

珈琲ぶりこ

 →ザ・町家カフェ大須で一度は目にしたことがある方もいる古民家風な佇まい。

  1階、2階と別れている。抹茶を使った和なパフェ豊富だが、ランチも抜群に美味しい。

  ランチのせいろ蒸しが美味しい。

[金山編]

ラヤキヴィ

 →北欧風なカフェ金山駅から少し歩いた閑静な住宅街の方にあるお店。

  北欧食器や素材を使っていたりと、北欧へのこだわりが強い。

  ローストビーフ丼が美味しい。

[番外編 行ってみたいカフェ]

たらそ(愛知県西尾市)

 →愛知県一押しのカフェといったら、ここ。

  カフェから三河湾を一望できる。ぜひ行ってみたい。

  たらそブレンドが飲みたい。

他にもおすすめあれば教えてください(^o^)丿

2016-10-03

[]鎌谷悠希少年ノート」完結

つのまにか終わってたから改めて1巻から再読した

ショタに目覚めさせられそうになった

最初に読んだときはめちゃくちゃおもしろいと思ったけど、再読するとそうでもなかった

それなりにキャラ掘り下げとかもされてるけど、メインのストーリーで何を描きたかったのかが見えづらかったせいかなあ

とってつけたような工場建設問題からめる必要あんまりなかった気がする

ヒロイン町家さん。中二病の子)も最後なんとなくフェードアウト気味になっちゃうし

途中で結構長い間主人公ひきこもっちゃうし

あと団体コンクールものってことで、今回再読時にはユーフォニアムともちょっとかぶったな

まらなくはなかったけど、読んだ後あっという間に印象が薄れちゃうタイプマンガだったな

ショタマンガってことしか残らなかった・・・

2016-01-25

マナー問題舞妓の袖ひっぱるのは犯罪じゃないの?

犯罪じゃないの?傷害罪

舞妓さんを引っ張らないで 京都祇園マナー高札」

http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20160120000023

高札にマナー違反として描かれているのは以下。(ピクトなので一部推測)

舞妓に触る

・垣根にもたれたり座り込む

歩きタバコ

・歩きながら食べる

ゴミポイ捨て

・自撮棒の使用

*高札にはないが、家屋や庭に無断侵入というのもあるらしい。町家の格子でタバコの火を消すとかも。

舞妓以外の項目はマナーとして理解できるけど、舞妓の件も同じなの?と思った。

祇園一種テーマパークと思ってて、ミッキーマウス勘違いしているという噂だけど、

無理解だけでなく妨害する意図はあるでしょう。威力業務妨害罪なんかもありうるかも。

例えば、海外普通に歩いてて、囲まれたり引っ張られて転ばされたりすることが

マナーがないだけ」として扱われる地帯があるってこと?(ありそうだけど)

日本では犯罪ですよ」くらい言ったほうがいいんじゃないかな。

舞妓さんは被害届出して、警察はつかまえようよ。

そして、こんなことをするとつかまる場合があるって本国で噂になればいい。

こんな所まで、やんわりはんなり日本文化じゃなくていいと思うよ。

言う時は言わないと、これから観光立国目指すならなおさら

あと、ネットの反応が「舞妓和風キャバ嬢から仕方ない」的なのが多くて、

キャバ嬢だったら移動中に引っ張られたり囲まれたりしても「仕方ない」と思われてることに唖然とした。

そういう発言してる方々は、自分舞妓の袖ひっぱる人たちと同レベルってこと認識しましょうね。

2014-12-13

家を建てるときに、ちょっとだけ考えて欲しいこと

よう、冬季オリンピック正式種目化を目指して、クリスマス男子シングル女子シングルの練習に余念がないな!

あと一週間遅ければ「オレ日本未来真剣から政治活動してたんだ」って言えたのにな。

残念ながら一人寂しく投票に行くしかない。

はいえ、師走寒い時期だってのに正直勘弁して欲しいな。

まあ期日前投票別にペナルティーとか無いから今日行っちゃっても良いんだけどな。寒波がな。

さて、家を買うだ建てるだってのは大抵の場合オオゴトなんだが、実はイメージが大きく影響する。

しか新築マンション業者が好きになれなかった

・偉そう

・息がくさい

・すぐローンの審査申し込ませようとする

・考える時間を与えずハンコ押させようとする

家を建てたので得られた知見を共有します - portal shit!

http://portalshit.net/2014/12/11/thought-on-own-house

コレ、冗談だと思った人が多いだろうし本人も冗談のつもりかも知れないが、笑えない。

実は、家の購入を印象と勢いで決める人は意外なほどに多い。

そこで、最低限これぐらいは考えても良いよなぁという点だけ愚痴っておきたい。

住めば都と言うけれど

さな島々のほとんどを山岳地帯が占め、

雨量は豊富だが急流で治水に手間がかかり、

限られた土地に身を寄せ合って定期的な嵐や雪に耐え、

思い出したように起きる噴火地震対処しつつ暮らしていく。

凍えるような寒さになったり焼けつくような熱さになったり嬉しいぐらいに住みにくい。

ホーンテッドマンションの事じゃないぞ。高温多湿低温乾燥を繰り返す我らが日本の話だ。

そう、環境特殊ちょっと尋常じゃないエクストリーム住まいなワケだ。

ここで、義務教育でやったはずの地理を少し思い返そう。

東北地方で「東風かば」とか菅原道真でもグーで殴られるレベル暴言であって、

まり京都けが日本じゃねえよ、やませとか勘弁してくれよマジで」であって、

要は日本土地土地によって大きく異なりますよ、という普通の話をしたいわけだ。

頭は冷蔵庫、足はストーブ

一般的にはとか、平均的にはとか、人は周りの影響を結構受けやすい。

奥さん食器洗い乾燥機ビルトインとか普通ですよ最近床暖房も皆さんお使いですよ畳は和紙流行で、なんてな台詞は良く言うわけだ。

で、最近映画ニュースとか見ないだろ。スマホだろ。口コミ世界規模ですよ奥さん。

するとどうなるか。

ある場所ベストを、他でも導入したがるわけだ。

旭川ぐらい判りやすエクストリームっぽさがあれば、流石に那覇を参考にはしないわな。

じゃあ、滋賀茨城だったらどうだ?神戸横浜は似てるか?江戸川練馬ならどうだ?

大手町八王子でずいぶん気候が違うのは頭では理解してても、建築になると忘れがちだ。

堅い建築と柔らかい感情狭間

人はパンのみにて生きるにあらず、生まれ変わってインド修行してえなあと思っても、とりあえずは現世で頑張るしかないわけだ。

じゃあ、せめて我が家は住みよくしたいな。

ただ、鉄骨鉄筋コンクリート構造(SRC造)は、木造軸組構法より頑丈だ。

床上浸水河川の決壊も、マンションの高層ならあまり関係が無い。(まあエレベーター結構浸水に弱いが)

いまさらっと書いたが、マンションってのは土地有効活用って意味に加えて、

富豪じゃなくても鉄骨鉄筋コンクリートの家を建てられるってポイントがあるわけだ。

みんなでちょっとずつわけあってだが。

静岡北海道じゃ、耐震基準にかけ算する地震地域係数は違う。

違うが、やっぱり強いのは鉄骨鉄筋コンクリートなわけだ。

東京旗竿地既存不適格木造一軒家リノベーションして賢く新生活だ!ってのは、止めないよ。

京都町家を残そうと必死だし、実際古い木造建築には味がある。

人はビタミン剤と点滴だけで生きるには感傷的すぎる。

それが悪いとは思わない。

家に住むのではなく、その土地に住む

良くも悪くも、日本ではまだまだ「どこに住んでも同じ」とはいかない。

からまとめに代えて、ちょっとだけ考えて欲しいことがある。

  1. 決め手にするのは「交換不可能」な部分にしよう。
  2. 建築基準法伊達じゃない。痛みを伴った教訓の積み重ねだ。
  3. 値段を考えればトレードオフ必要になる。どこを重視するかだ。
  4. 「後で導入する時にかかる費用」を知ると、今じゃなくても良い物が判るハズ。

そりゃ、息さわやかで買ってくれるならミントタブレットぐらい常時バリボリやりますわ。

営業員は売った家には住まないぞ。住むのは買う人だ(借りるのも同じな)。

それを忘れないで欲しい。じゃ、選挙には行けよ!

2011-02-11

京都

大学からこっちずっと京都いんだけど京都人選民思想が酷い。

京都至上主義っていうか。

京都がないと日本終わりやしとか、

標準語むかつく、京都弁が都の言葉やしとか本当に言う。

老いも若きも。

あとこれ業種によるけど、京都出身が相手じゃなかったら嫌がる奴が結構いる。

まず出身どこ?て聞いて。

やっぱりおつきあいって大事やし〜ってふざけんな!

営業ずっとやってる叔父がいて愚痴ったら

やっぱそのへん京都は変らしいですね。仕事できる京都外<仕事できない京都市

(ついで京都市内の区同士でもヒエラルキーがある。あほか)

まあ京都人はそれもドヤ顔

京都で商売できたらどこ行っても怖ないしな、と言いますが。

そやから京都はこれだけ歴史を保てんねんで、と、か、な!

うぜえ!

お前らんとこに町家とか寺とか残ってんのは米軍の判断だっつーの。

あとさ、「そこ曲がったらコンビニから」みたいなとこを

わっざわざ「どんつきまで行って左入ったらコンビニやし」

って言うのが何か妙に癇に障る。

〜やし、がもうドヤ顔と結びついてんのかもしれない。

え、はてな京都だって

から業種によるんだって

2010-12-15

迷宮キングダム 二つ名表(リフォームの匠編)

【匠接頭辞表】【匠接尾語表】

接頭辞表(d666)

111:1/25の
11*:【小要素表】の
1**:【小要素表】と【小要素表】の
22*:【空間要素表】の
23*:【住要素表】の
244:【小要素表】の心の
245:コントラスト246:アップテンポの
255:断面構造の
256:バリアフリーの
266:吹き抜ける風の
333:京町家334:体感面積の
335:間仕切りの
336:多機能の
344:寛ぎの
345:機能美の
346:境界線の
355:潤いの
356:自然素材の
366:温もりの
444:廃材の/健康庭園の/花と木の
445:夢の館の
446:森の木の
455:【好きな形容詞】機能の
456:迷宮の
466:節約【初期獲得スキル】の
555:【1d6-1】次元の
556:【王国名の通称】建築に魅せられた
566:【王国の特産品(無ければ【相場表】)】使いの
666:【今現在現地時刻で午前0時台の好きな都市名/地域名】の

小要素表(d66)

11:狭小
12:和/和み
13:家
14:モダン/モダニズム
15:人
16:ゆとり
22:笑顔
23:心
24:時
25:風
26:影
33:水
34:光
35:暮らし
36:空
44:収納
45:動線
46:明かり
55:安心
56:迷宮
66:やすらぎ/安らぎ

空間要素表(d66)

11:ゆとり空間
12:機能空間
13:空間演出
14:狭小空間
15:居住空間
16:住空間
22:空間連鎖
23:空間構成
24:安住空間
25:立体空間
26:癒し空間
33:空間攻略
34:空間
35:時空間
36:空間方程式
44:四季彩空間
45:【好きな形容詞空間
46:【小要素表】空間
55:【現在/過去/未来空間
56:迷宮空間
66:【ランダムに選んだ王国内に設置済みの施設の名前/略称】空間

住要素表(d66)

11:ゆとり住宅
12:元気住宅
13:懐古住宅
14:健康住宅
15:古き良き住まい
16:感動住宅
22:個性派住宅
23:住機能
24:住構造
25:住環境
26:住空間
33:生かす住まい
34:住まい
35:住風景
36:【小要素表】と住まい
44:【小要素表】住宅
45:【温暖/寒冷】住宅
46:【プレイヤーの足下の素材】住宅
55:【好きな形容詞住まい
56:迷宮住宅
66:【感覚表】住宅

感覚表(1d6)

1:視覚
2:聴覚
3:触覚
4:味覚
5:嗅覚
6:五覚

匠接尾語表(d666再帰時の同じ目は振り直し)

111:親子/層造者
112:ストーリーテラー/語部
113:アルピニスト/フリークライマー
114:主治医/救命士/セラピスト
115:栄養士/整備士/療養士
116:若き志士/風雲児/野心家
122:未来予報士
123:アーティスト/芸術家
124:パティシエ/ソムリエ
125:奇才/天才
126:開拓者/開拓師
133:継承者
134:伝導師/説法師
135:時代考証人
136:造形師
144:融合者
145:仕事人
146:リベラリスト/自由主義者
155:保証人
156:伝承者
166:細工師
222:ヘルストレーナー
223:スペシャリスト
224:操縦士
225:発明家
226:旅人
233:詩人/俳人
234:魔術師/錬金術師
235:探求者/探検家/探訪者
236:印象派
244:ライフプランナー
245:エンターティナー/演出家
246:アテンダント/アナリスト/ナビゲーター
255:調律師/ハーモニスト
256:請負人/代弁者
266:調光師/調合師
333:赤ひげ先生
334:エコガイド/エコロジスト
335:アスリート
336:マエストロ
344:改革者/革命家
345:交渉人
346:仕掛け人
355:智将/戦略家
356:【(何も付けない)/動線/生活】【仕立屋/仕立人】
366:奏者
444:熱血講談師
445:粋人
446:解放者
455:渡し人
456:迷宮【匠接尾語表】
466:【好きなカタカナ語アーティスト
555:スタイリスト/療法士/ソムリエ
556:空間【匠接尾語表】
566:カリスマクラス名】【ジョブ名/ジョブ名の英語表記をカタカナ化】
666:ランドメイカー
 
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