ヒロとゼロツーの出会いが語られた13話。
13話のポイントとして冒頭とゼロツーを助ける時に使われる"照明"が挙げられる。

落下する照明。映画「トゥルーマン・ショー」を彷彿とさせる演出だ。
トゥルーマン・ショーの大筋を要約すれば
主人公の人生が実は作られたTV番組。周りの人物は俳優。住む街は全部作り物。
主人公は作り物の世界から抜け出し外の世界へ踏み出す話。
今回の13話も作り物度が高い閉鎖された施設(ガーデン)から
ヒロとゼロツーが抜け出して、外の世界へ行こうとする話。
今回のダリフラがトゥルーマン・ショーを見立てているのかもわからない。
また脚本段階か、またはコンテ段階でこの照明が出てきているのもわからないが、
少なくとも照明(作り物の世界を象徴する道具)というモチーフで
今回を描き出そうとしているのは伝わる。

要所要所で出てくるノイズもまた今回の作り物感を補強させる効果に繋がっている。
(キャラの記憶のノイズという意味もある)
まず最初の照明は、繰り返しになるがここが作り物の世界だと露呈させる演出になっている。

次の照明(最初の証明と同じシーンだが)は
ヒロがゼロツーを助ける時に、二人を隔てるガラスを破るために用いられる。
物理的にはガラスを破り、一方で作り物の世界を壊すという意味も込められているだろう。
ガラスを破って二人は外の世界へ向かっていったのだから。
しかし二人の脱出は失敗に終わり、二人の記憶は書き換えられてしまう。
トゥルーマン・ショーも主人公の1回目の脱出は失敗し、2回目に外の世界に出る。
だから今回の失敗は次の脱出の成功を暗示させるものとあるともいえるだろう。

(このゼロツーの振り向きが最高)
そして今回の最後でヒロは思い出し、絵本の女の子と呼びかけたことで
ゼロツーも思い出したのであろう。「ソシテ再開ノ物語」。
おさらい。

(1話)
1話ではゼロツーがヒロの手を握りストレリチアが起動した事で
ゼロツーが外の世界に誘う主導役かと思っていたが、

今回、最初にヒロがゼロツーを外の世界に誘おうとしていた事がわかった。
ただヒロを駆り立てたのは、ゼロツーがオトナに歯向かう姿を見てから。
手を取り合う描写は、繋がりの演出として鉄板でもあるが、
互いが互いに外の世界へ誘おうとしている姿は良いものがある。
・おまけ
今回の絵コンテは高雄統子。5話でも素晴らしい仕事をしていたが、
13話も同等、ドラマ的にはそれ以上のものを繰り出してきた。
演出(岡本学)もコンテの要求に存分に応えていたかのような出来栄えに見えた。
高雄統子といえば雨の演出が特徴的と指摘されるが、
個人的には雪の高雄であるとも思っている。
今回もダリフラでも雪が醸し出す寒い・冷たいイメージが
二人の悲しい過去に呼応するかのようだった。
高雄さんの雪で印象深いのは「CLANNAD番外編 もうひとつの世界 智代編」。

シーン自体は少ないものの、クライマックスで雪が使用されている。
雨や雪を効果的に使う高雄演出であった。
ダーリン・イン・ザ・フランキスの恋愛関係図【13話現在】
- 関連記事
-