「ガンダム-Gのレコンギスタ」1話を
ドコモdアニメストアによる冒頭10分間の先行配信を視聴。
よく動くキャラクターとカメラ。
そして映像の連続性(コンティニュティ)を徹底的に突き詰めたカット割り。
PANとズームを駆使したよく動くカメラは、
宇宙エレベーターを中心とした世界を見せたい想いであり、
生き生きと動く少年少女の元気な姿は、未来と生きていくことへの肯定感。
世界とキャラクターを富野由悠季なりの映像の原則を持って伝えている映像だった。
驚いたのはファーストカットがモビルスーツのシーンから始まったこと。
ファーストカットがロボッから始まるのは、富野作品でも少ないのではなかろうか。
ただファーストカットからロボットという映像的暴力性、
つまりロボットがいるだけで画面の間が持ってしまう機能を使い、
最初から興味を惹かせような展開で構成したのだなと思った。
このモビルスーツのシーンを見せてから、
キャピタル・テリトリィ、キャピタルタワーという世界の大枠をPANで見せていく。
そして世界を見せたら次にベルリ達、キャピタル・ガードといったキャラクターを見せる。
世界からキャラクターという繋げ方は富野監督らしい演出だ。
そんなベルリ達は楽しそうに生きている。
ノレド達チアリーディング部の女の子達のはしゃぎぶりも
キャピタル・ガード候補生達も生き生きとしている。
そういう未来に生きているんだなぁと思わせる世界とキャラクターだった。
それにしても高密度な10分間だった。
Gセルフに乗るラライアが捕獲
リギルドセンチュリーと宇宙エレベーターの世界観の説明
クラウンでのベルリ達の日常
そしてGーセルフの襲撃
この圧縮展開こそが富野作品の醍醐味だなぁと感じつつ、
一方で世界観や宇宙エレベーターの原理の説明がされているが
まだ世界観や設定を飲み込めていない自分がいる。
それでも、映像のスピード感がもたらす圧倒的気持ちよさに酔いしれた。
作画については、一枚絵的な描き込みの重視より
動くことの気持ちよさを重視したデザインと動かし方をしていた印象。
カットのリズムに合わせて作画されていた。
気になったのがベルリの口の形が喋り方に合わせて様々だったこと。
ユニークな口の形もしていて、かつGセルフがやってきた時に
楽しそうな表情を浮かべる点を見ても、ベルリは後期心旺盛なのだろう。
最後に。リギルドセンチュリーの世界を描き出す今後の展開に期待してしまう。
近未来性を感じる都市設定や宇宙エレベーターの存在。
宇宙世紀の世界より高度に進んだ文明の姿を見るのはワクワクする。
∀ガンダムでガンダム世界の最後を描きつつ、
始まりの宇宙世紀と終わりの正暦の間をつなぐりギルドセンチュリーを描く。
ガンダムの世界を拡張し、可能性を広げていくのは富野監督が一番だと思うし、
富野監督は常にガンダム世界において先駆者であることを改めて証明した。
ガンダムGのレコンギスタは、レコンキスタというに何を回復するのか。
ガンダムなのか、それとも日本のアニメーションなのか。
まだ1話のAパートのみであるがBパート以降に期待したい、というか早く見たい。
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