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高橋良輔監督が背負う青と赤。そしてステラ女学院へ 

はじめに

富野由悠季監督と並び、ロボットアニメの雄である高橋良輔監督はを背負っている。

そんな事に気づかされたのは、「蒼き流星レイズナー」のBDBOX発売の
一環で企画されたOVA全3話無料配信を見ていた時。
そのOVA3話でレイズナーとザカールが最後に戦うシーンで気づかされた。

ryosuke005.jpgryosuke-2000.jpg

それぞれの機体、レイズナーは青を背負い、ザカールは赤を背負っている。
この青と赤を本作の監督である高橋良輔監督は強く意識しているのかもしれない。
そんな想いを私は抱いた。

今回の記事では、高橋良輔監督の青と赤の変遷について触れ、
引いては、高橋監督の青と赤を引き継ぐ作品を紹介したい。

高橋良輔監督の青と赤<レイズナー、ガリアン、ボトムズ>

まずレイズナーを青と赤とは何か。

繰り返しになるがレイズナーでは、

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エイジ(レイズナー)がを背負い

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ル・カイン(ザカール)がが背負う。

レイズナーの機体の色とエイジの髪の色は青い。
それに対してルカインの髪は赤く、ザカールがV-MAXを使用した時に
機体の周りに貼られるバリアは赤色である。

このように、エイジ=レイズナーとル・カイン=ザカールは
青と赤という対照的な色を使って、
お互いがライバルであるという事を強く印象づけている。


そして、この青と赤のイメージは、
レイズナーの前の作品である「機甲界ガリアン」でも見られる。

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まず主人公のジョジョの搭乗するガリアンはい。

ryosuke001.jpg

対してジョジョのライバルのハイ・シャルタットは青髪だ。

つまりガリアンでは主人公側が赤で、ライバル側が青いイメージとなっていて、
レイズナーとは主人公・ライバルで背負う色のイメージが反転している。

さらにいえば、ジョジョの髪色が金、ガリアンの機体が赤色なのは
レイズナーのル・カインの髪色とザカールの機体の色と対照的である。

ryosuke000.jpg

さらにガリアンの前の作品「装甲騎兵ボトムズ」に遡ると
主人公であるキリコの髪の色はなので、青のイメージを背負っている。

このように高橋良輔監督の主人公の背負う色のイメージを時系列で並べると

ボトムズ=(髪の色)
ガリアン=(機体の色)
レイズナー=(髪の色+機体の色)

となる。 

高橋良輔監督は青と赤に拘りがあるのかもしれない。
それはボトムズの頃は、まだ青髪の主人公が少ない時代の中でも
あえてキリコの髪の色を青髪にしていることでもわかる。

他にも高橋良輔監督の仕事には「の騎士ベルゼルガ物語」と青の付く書籍もあれば
高橋良輔監督が主催していた創作集団の名前は
スタジオあかばんてん(ばんてん)でもあったりする。

そんな高橋良輔監督の青と赤について調べてみたら、以下の記事があった。

高橋良輔「たとえば、人間というのは、赤いものばかり見ていていきなり青いものを見せられると感動するわけです。つまり新鮮なんですね。もうひとつは、同じようにのものばかり見せられていると、他の色のものを見たいという欲求が起こってくる。それが白だったり黄色だったりするわけです。まあ、見る側というのはゼイタクなものですからね(笑)。それが視聴者の特権といえばそうなんですけれど。」
出典:ひびのたわごと「リアルロボットを語る高橋良輔」から
http://dargol.blog3.fc2.com/blog-entry-3552.html 

このインタビューは1983年6月の「ジ・アニメ」のものだが、
高橋良輔監督は、ボトムズを作っていたこの時期には
青と赤の色のイメージを強く抱き、それを作品作りに反映させていたのかもしれない。

青と赤を引き継ぐもの-ステラ女学院高等科C3部

高橋良輔監督は1983年から1985年までのボトムズ・ガリアン・レイズナーで
主人公とライバル側に青と赤のイメージを与えて作品を作ってきた事がわかる。

そんな青と赤を上手く使っているのが
今期放送されている「ステラ女学院高等科C3部」である。
特に9話では青と赤の演出を効果的に用いている。

以下の記事を見てみよう。

青から赤へ
青と赤は、このステラ女学院のテーマを象徴するものの一つ。この色の変化は非常に興味深い。
(中略)
赤をシンボルとして持つゆらが青を背負い、
青をシンボルとして持つそのらが赤を背負う。
この表現は両面性・あるいは多面性をもっているのだ。
(中略)
世界は、いろんな色が入り乱れて構成されている。
単純化して青と赤に絞ってすら、
それは互いに交錯するシンボルとなる。
出典:まっつねのアニメとか作画とか「ステラ女学院9話~エフェクトと色彩」より
http://d.hatena.ne.jp/mattune/20130830/1377875786

ステラ女学院の9話では以上のような演出をなされていたようだ。
特に注目したいのは、高橋良輔監督のボトムズ・ガリアン・レイズナーで原画を担当し、
メカアクションを極めた
アニメアールの吉田徹さんが絵コンテ・演出を手がけていること。

主人公に色を背負わせるという高橋良輔監督作品からの演出を引き継ぎつつも、
色が変化することでキャラクターに多面性を与えた点では、
吉田徹さんは色の演出にさらなる広がり/可能性を与えたのかもしれない。
 
まとめ

高橋良輔さんから吉田徹さんへ引き継がれる演出の色。
ボトムズからガリアン、ガリアンからレイズナー、レイズナーからステラ女学院高等科C3部へ
もしかしたら作品の系譜、人の系譜で青と赤が引き継がれているかもしれないと思うと、
胸が熱くなった。人に歴史あり。作品に歴史ありだ。
 
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[ 2013/09/15 18:54 ] 高橋良輔 | TB(0) | CM(0)
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