「だから!遅過ぎたと言ってるんだ!」
「戦線から遠退くと楽観主義が現実に取って代る。そして最高意志決定の場では、現実なるものはしばしば存在しない。戦争に負けている時は特にそうだ」
「舞台はミスキャストで一杯。誰もその役を望んじゃいないのにな。素敵な話じゃないか。これが俺達のシビリアンコントロールってやつさ」
「スタンドアローンで制御不能な兵器などナンセンスだからな」
「戦争はいつだって非現実的なもんさ。戦争が現実的であったことなど、ただの一度もありゃしないよ」
「一つ教えてくれんか。これだけの事件を起こしながら、何故自決しなかった?」
伊藤:(中略)別に「わぁ、しんど」ってのは無かったですね。1本目に関しては。2本目がしんどかった。
伊藤:だって「これって物語として成立してるの?」っていう、どう考えても押井守の戦争に関する研究論文というか。それでシナリオは、今なら「押井守だから」っていうのである程度通っちゃう所があるけれども、当時はまだそれほどのブランドとして確立していなかったから。最初はシナリオで判断されるわけですよ、どこへ持っていっても。そうすると、観りゃあ判る事でも、「観りゃあ判るから」とは言えないんです。その時点では。今なら「押井守だから」で通るけれども(笑)、読んである程度判らせなければいけない、読んである程度面白さを感じさせなければいけないのに、「これって成立するのか?そもそもシナリオとして成立するのか?」って、そういう精神的な辛さはあった。
伊藤:映画の台詞じゃないんだもん(爆笑)。書いてるおれが一番良く判っているよ(笑)。でもそれをやってから、おれ自身も割り切りが出来たんだけどね。要するに脚本は素材に過ぎませんからと。(中略)
(犬からへの手紙 総集編 第一紀 伊藤和典インタヴューより)
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