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いにしえの奈良の都と八重桜

「いにしえの奈良の都の八重桜けふ九重に匂ひぬるかな」

小倉百人一首の61番歌として伊勢大輔の詠んだ歌です。
名前から男性のように思ってしまいますが、女性歌人です。
「いせのたいふ」と読みます。

いにしえの奈良の都の八重桜けふ九重に匂ひぬるかな

さて、奈良の都から送られてきた八重桜を伊勢大輔が受け取り、そこで歌を披露するよう言われて詠んだそうです。
九重というのは「宮中」という意味もあるそうです。
そこで見えたのは、いつもと変わらず美しく咲き誇る八重桜だったのでしょうね。

今回は扇面に散らしてみました。
とはいっても料紙に扇形を描いたものですが・・・。

いつもと違って、中央右寄りに雅印(ちょっと隠しています)が押してあります。
これはこの位置で歌の末尾で有ることを示しています。
中央辺りから「いにしへの・・・」と始まっているでしょう。
そして左側まで行ってから、右端(・・・匂ひぬる哉)に戻るように詠むことになります。
これはこういう散らしなのだと思ってください。

さてさて、八重桜だけではなく、ソメイヨシノも山桜も咲く春爛漫ですね・・・。

Tag : 文化多摩武蔵野歴史自然和歌

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