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「グレート・ギャッツビー」・・・トム・ブキャナンという男(その1)

アメリカの近代小説「グレート・ギャッツビー」(フィッツジェラルド著 小川高義訳 光文社文庫)を手にした。
邦訳では「華麗なるギャッツビー」という方がよく知られているかもしれない。

フィッツジェラルドの代表作であると同時に、現在ではアメリカ文学を代表する作品の一つであると評価されているようだ。
というのは、フィッツジェラルドが出版した当初は好意的に評価はされたものの、商業的にはあまり成功した作品とはいえなかったらしい。
この作品が近代アメリカ文学の古典的な作品としての地位を取得するのは、フィッツジェラルドの死後10年以上経過してからのようで、途中絶版になったりもしている。

若葉萌える2

僕がこんなアメリカ文学の本を読むなんて珍しいと思うかもしれない。
(いや、誰も興味ないかな・・・(^_^;))
いやいや、これでも僕は英米文学を専攻していて卒論も書いているのだ・・・ただし、卒論は日本語で書いて、原文も読まずに日本語訳で読んでいるのだが・・・・。

まぁ、そんなことはどうでもよい。
僕はこの話のなかに登場するひとりの人物に興味を持っていたのだ。
それは主人公で語り手のニックでも、中心的人物であるギャッツビーその人でもない。
ニックの友人でもあるトム・ブキャナンという脇役についてなのだ。
そのことはあとで説明する。

下田のビーチ

この「グレート・ギャッツビー」という話は、大筋以下の通りである。
ギャッツビーは海辺の豪邸で夜な夜な大パーティを開いている若くして謎の多い人物である。
30代の年齢で、以前は多くの勲章を授与された将官クラスの軍人であった。
戦後になって、酒の密造などを行って、一代で財をなした、つまりは成金である。
ニックはある日、近所のよしみでギャッツビーから招待状を貰い、パーティに参加した。
そして、次第にこのギャッツビーと親交を深めていくうちに、この男性の内面を知らされる。
と、いうよりも、すべてギャッツビーが仕組んだことであったのだ・・・。

< つづく >

Tag : 文化読書小説

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