■ ルヴァン杯の決勝戦ついに迎えたルヴァン杯の決勝戦。24年ぶりのタイトルを目指す湘南ベルマーレと5年ぶりのタイトルを目指す横浜Fマリノスの神奈川ダービーとなった。湘南は1995年1月1日に行われた天皇杯の決勝以来でクラブ史上2度目のJリーグタイトルを目指している。一方の横浜FMは2014年1月1日に行われた天皇杯の決勝以来のタイトルを目指すことになった。会場は今年も埼玉スタジアム2002となった。
湘南は「3-4-2-1」。GK秋元。DF山根視、坂圭祐、大野。MF金子大、秋野、岡本拓、杉岡、石川俊、梅崎。FW山崎凌。大卒ルーキーのDF坂圭祐が3バックの中央でプレーする。五輪代表のMF杉岡は左WBで起用されてDF大野が左ストッパーに入った。1トップの位置で起用されたのは今夏にJ2の徳島から加入したFW山崎凌となる。ベテランのMF梅崎はシャドーの一角でスタメン抜擢となった。
対する横浜FMは「4-1-2-3」。GK飯倉。DF松原健、チアゴ・マルチンス、ドゥシャン、山中。MF扇原、大津祐、天野純。FW仲川、ウーゴ・ヴィエイラ、ユン・イルロク。今年のルヴァン杯で大会最多となる8ゴールを挙げているFW伊藤翔は怪我で離脱していたがベンチ入りを果たした。五輪代表のFW遠藤渓は怪我のため欠場となった。CBはDFチアゴ・マルチンスとDFドゥシャンの新加入コンビとなった。
■ MF杉岡のゴールが決勝点注目の決勝戦は大方の予想を裏切って湘南ペースで進んでいく。前半29分にはカウンターからMF梅崎が抜け出して左足でシュートを放ったが枠を捉えることは出来なかった。最初の大きなチャンスは生かせなかった湘南だったが前半36分に中央のエリアに侵入していた五輪代表のMF杉岡が得意の左足で強烈なミドルシュートを決めて湘南が先制に成功する。前半は1対0と湘南がリードしてハーフタイムに突入する。
後半になると1点を追う横浜FMペースになる。後半24分にFWユン・イルロクに代えてFWイッペイ・シノヅカ、後半33分にMF大津祐に代えてFW伊藤翔を投入すると、23才のFWイッペイ・シノヅカがアクセントになった。後半34分にはMF岡本拓のボールコントロールが乱れた隙を突いてボールを奪うとFWイッペイ・シノヅカがエリア内で倒されたかに思えたがノーファールの判定。PKゲットとはならなかった。
後半39分にはゴールやや距離のあるところでFKを獲得。DF山中が得意の左足で狙ったが枠を捉えることは出来なかった。その後も攻め続けた攻め続けた横浜FMだったがなかなか決定打を出すことはできなかった。虎の子の1点を守り切って1対0で勝利した湘南がルヴァン杯を初めて制覇した。J2を制覇した経験を持っているが就任7年目の曹貴裁監督にとっては初めてのメジャータイトル獲得となった。
■ 悲願の初優勝を果たした曹貴裁監督率いる湘南は24年ぶりのタイトルを目指したが悲願達成となった。攻撃力で優るのは横浜FMで、なおかつ、過去の直接対決で圧倒しているのも横浜FMになる。「横浜FMペースで進んでいく。」というのが大方の見方だったが、立ち上がりから湘南が押し込んだ。横浜FMにペースを握られると苦しくなるのは明らか。「序盤から積極的に行く。」というのは湘南側のプランだったと思われる。
殊勲の決勝ゴールを決めたのはMF杉岡だった。横浜FMのファールがあったので副審は旗を上げたがプレーが続いたので木村博之レフェリーは笛を鳴らさずにプレーを続けさせた。その流れからMF杉岡がミドルシュートを叩きこんだがゴラッソと表現するしかないスーパーミドルになった。MF杉岡は左WBの選手なので普通はあの位置にはいない。対戦相手のDF山中を彷彿とさせる動き&弾丸シュートだった。
湘南にも、横浜FMにも、お茶の間受けする分かりやすいスター選手やスター候補生がいなかったので、決勝戦を盛り上げないといけないTV局は相当に苦労したと思うが、「東京五輪代表チームの中心選手の1人」であるMF杉岡がヒーローになったことに安堵しているメディア関係者は少なくないだろう。両チームの選手の中では最もピックアップしやすい選手がスーパーゴールを決めて分かりやすい主役になった。
■ 若手の頑張りが目立った湘南ベルマーレMF杉岡がヒーローになったが湘南は他の若手の頑張りも目立った。タイトルがかかった決勝戦なので「勝てるか?勝てないか?」の差は大きいが、湘南の試合が地上波で生中継されること自体が極めて珍しいので、湘南のサッカーならびに各選手たちの良さをアピールする絶好のチャンスにもなる。サポーターを増やす大きなチャンスの試合だったがチームならびに選手に魅力を感じた人は多かっただろう。
中でも目立ったのは3バックの中央でプレーする大卒ルーキーのDF坂圭祐だった。174センチというのは現代のCBとしてはかなり小柄である。Jリーグのクラブで主力としてプレーするCBの中では「最も身長が低いCBの1人」になるがサイズの無さを感じさせないプレーを見せる。身体能力が高くて空中戦もかなり得意にしているが、何よりの武器はクレバーさになる。彼が決勝戦の影のMVPと言えるだろう。
一方、横浜FMにとっては悔いの残る決勝戦になった。「横浜FMが有利」と予想する人が多かったが立ち上がりから湘南がアグレッシブに来たので面食らってしまった。最初の数プレーで試合全体の流れが決まってしまった。後半になると横浜FMがほぼ試合を支配するようになったがチャンスになったのはセットプレーくらい。流れの中ではほとんどチャンスを作れず。精神的なショックの大きい敗戦になってしまった。
投票 ・【J1】 今オフの湘南ベルマーレの補強ポイントはどこだと思いますか? → 50票
・【J1】 今オフの横浜Fマリノスの補強ポイントはどこだと思いますか? → 108票
・【日本人監督】 Jリーグ史上屈指の監督だと思うのは誰ですか? → 23票
・【外国人監督】 Jリーグ史上屈指の監督だと思うのは誰ですか? → 17票
★ 現在の投票数 → 188票
→ 最大で8人まで選択して投票することができます。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
クラブ別の人気エントリー・ベスト10 (湘南ベルマーレ編)
第01位 2008/05/30 中田英寿のいない日本代表チーム
第02位 2017/05/31 【2020年の東京五輪】 日本代表の監督に推したいのは曹貴裁監督(湘南ベルマーレ)
第03位 2009/11/22 【甲府×湘南】 夢のJ1に近づいた日 (生観戦記#13)
第04位 2009/11/22 【甲府×湘南】 夢のJ1が遠ざかった日 (生観戦記#13)
第05位 2018/05/27 身長174センチのCBのDF坂圭祐(湘南ベルマーレ)が面白い。
第06位 2014/09/13 【湘南×松本山雅】 2部リーグの試合とは思えない雰囲気の中で・・・ (生観戦記) (前編)
第07位 2014/09/13 【湘南×松本山雅】 2部リーグの試合とは思えない雰囲気の中で・・・ (生観戦記) (後編)
第08位 2014/09/28 強くて魅力的なチームだった2014年の湘南ベルマーレ
第09位 2017/07/30 【Jリーグ】 「スタジアムグルメが充実しているクラブ」というと・・・。 (1位-10位)
第10位 2017/09/15 【Jリーグ】 湘南ベルマーレの歴代ベストイレブンを考える。 (1994年-2017年)
第00位 2018/10/27 クラブ別エントリー(湘南ベルマーレ)
- 関連記事
-