■ タレントの宝庫と言える1976年組1976年組もタレントの宝庫である。MF中田英(平塚など)、DF松田(横浜FMなど)、DF宮本(G大阪など)という早生まれでシドニー五輪代表で活躍した選手も含まれるが、他にも日本サッカー史上最高のキーパーの1人であるGK楢崎(名古屋)がいて、大型ボランチのMF福西(磐田など)がいて、さらにはFW久保(広島など)、FW西澤(C大阪など)、FW鈴木隆(鹿島など)というほぼ同時期に代表で活躍した3人のCFもいる。
MF中田英やDF松田やDF宮本などは自国開催となった1993年のU-17世界選手権に出場してベスト8に入っているが、このときのチームの顔はMF財前(仙台など)だった。読売クラブの天才アタッカーが当時の小嶺JAPANの大黒柱で、U-17世界選手権でも大活躍したが、怪我の影響で伸び悩んだ。突出した才能とカリスマ性を持ったMF財前の存在が周囲に刺激を与えて全体のレベルを引き上げたのは間違いない。
その1つ下の1977年組の旗手と言えるのはFW柳沢(鹿島など)になる。富山第一高時代から「超・高校級のストライカー」と評価されて鳴り物入りで鹿島に加入した。同級生のFW平瀬(鹿島など)とは鹿島だけでなく五輪代表でも2トップを組んだが、最も活躍したのはDF中澤(横浜FM)になる。FW柳沢やFW平瀬とは違って高校時代は無名の存在だったが練習生から這い上がって2度も主力としてW杯に出場している。
■ 2大スターが輝く1973年組アトランタ世代は、やはりというべきか、MF前園(横浜Fなど)とFW小倉(名古屋など)がいる1973年組が華やかである。どちらも期待されたほど成長することはできなかったがスター性があって現役時代はカルト的な人気を誇った。四中工トリオの1人であるDF中西(市原など)、安定感のあるキーパーだったGK土肥(FC東京など)、ベンゲル監督時代に活躍したアタッカーのMF岡山(名古屋など)もこの学年になる。
対照的にその1つ下の世代は人材に恵まれていない。MF伊東輝(清水など)が出世頭になるが、高校時代に最も目立っていた帝京高出身のFW松波(G大阪)はプロの世界では華々しい活躍は出来なかった。MF三浦淳(横浜Fなど)やMF平野(名古屋など)やMF石塚(V川崎など)といった個性的な選手は多かったがスーパースター級になった選手はほとんどいない。どちらかというと谷間の世代ということができる。
さらに1つ下の1975年組というと、やはり、FW城(横浜FMなど)とGK川口(横浜Mなど)の2人である。高校サッカー界のスーパースターはそのままプロの世界でも大活躍した。FW城に至ってはデビューから4試合連続ゴールを記録するなど誕生して2年目となるJリーグでもすぐさまスター選手になった。日本代表でもプレーしたDF森岡(清水など)、DF田中誠(磐田など)、DF山田暢(浦和)あたりもこの学年になる。
■ 極めて層が厚い1981年組あまり語られない世代であるが、1981年組も優秀な世代である。FW前田遼(FC東京)、MF阿部勇(浦和)、MF石川直(FC東京など)、DF駒野(福岡)、DF茂庭(C大阪)に加えて、森崎兄弟と佐藤兄弟がいる。他にも、MF鈴木啓(浦和)、MF山瀬功(福岡)、FW高松(大分など)がいて、DF岩政(鹿島など)もこの世代になる。Jリーグのクラブで長きに渡ってチームの顔として活躍した選手が極めて多い世代と言える。
当然、期待されたほどの活躍ができなかった世代もいくつかある。(前編)で触れた1992年生まれのプラチナ世代は騒がれ始めた頃の特大の期待値を考えるとやや物足りないと言えるが、1985年組も同様である。高校サッカー界のスター選手だったFW平山(FC東京など)がいるので「平山世代」とも言われるが、世代の顔であるFW平山が伸び悩んでしまった。顔となる選手が躓くと世代全体のイメージも悪くなってしまう。
若手世代はまだ実績が乏しくて評価されるのはこれからと言えるが、特大の期待を受けているのは2000年組になる。MF平川怜(FC東京)、MF中村敬(G大阪)、FW宮代(川崎F)、MF福岡(京都U-18)、DF瀬古(C大阪)、DF菅原(名古屋)、GK谷(G大阪)、MF喜田陽(C大阪)と才能豊かな選手が目白押しである。「新・黄金世代」とも呼ばれているが、日本の若手世代の中では、今、最も期待されている世代と言える。
各世代を見ていくと最近の世代は攻撃的なポジションだけでなく、守備的なポジションにもタレントを抱えているケースが多い。2000年組を例に出すとキーパーのGK谷、右SBのDF菅原、CBのDF瀬古などなど。アトランタ世代など昔は攻撃的なポジションに人材が集中するケースが多かったが最近は各ポジションに万遍なくタレントが出現するようになった。これは日本サッカー界にとってはいい話と言える。
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