■ 降格経験があるのは延べ48クラブJリーグは1999年にJ1とJ2の2部になった。その初年度の1999年以降で2017年までの19年間でJ1からJ2に降格したクラブをカウントすると延べ48クラブとなる。各クラブのJ2への降格回数は表1のとおりである。京都と湘南と福岡が最多タイの4回となる。続くのはC大阪と甲府と札幌で各3回となるが、(クラブ別ではなくて)個人別で「J2への降格」を経験した回数が多い選手は誰になるのか?を調べてみた。
降格チームの該当年度の個人成績を元に個人別の降格経験回数をカウントしてみたが「そのクラブに所属していたが出場機会はなかった。」というケースは多々ある。例えば高校3年生になると2種登録でトップチームのメンバーに登録されるケースが多くなるが「J1のリーグ戦に絡む機会はなかった。」というケースは少なくない。そういうケースを「降格:1回」とカウントするのはあまり適切ではないように感じる。
なので、ここでは「降格したシーズンにクラブに所属しており、かつ、J1のリーグ戦に1試合以上出場していること」をカウントするときの条件に設定した。なお、2001年シーズンのMF盧廷潤のようにシーズン途中で移籍(C大阪→福岡)をしてその年に在籍した2チームが共にJ2に降格してしまうケースもある。この場合は「降格:2回」とカウントするが、相当にレアなケースであることは言うまでもないところである。
表1. J2への降格回数 (1999年-2017年)
クラブ名 | 回数 | ① | ② | ③ | ④ |
京都サンガ | 4 | 2000年 | 2003年 | 2006年 | 2010年 |
湘南ベルマーレ | 4 | 1999年 | 2010年 | 2013年 | 2016年 |
アビスパ福岡 | 4 | 2001年 | 2006年 | 2011年 | 2016年 |
セレッソ大阪 | 3 | 2001年 | 2006年 | 2014年 | |
ヴァンフォーレ甲府 | 3 | 2007年 | 2011年 | 2017年 | |
コンサドーレ札幌 | 3 | 2002年 | 2008年 | 2012年 | |
東京ヴェルディ | 2 | 2005年 | 2008年 | | |
柏レイソル | 2 | 2005年 | 2009年 | | |
ヴィッセル神戸 | 2 | 2005年 | 2012年 | | |
大分トリニータ | 2 | 2009年 | 2013年 | | |
モンテディオ山形 | 2 | 2011年 | 2015年 | | |
サンフレッチェ広島 | 2 | 2002年 | 2007年 | | |
大宮アルディージャ | 2 | 2014年 | 2017年 | | |
名古屋グランパス | 1 | 2016年 | | | |
松本山雅 | 1 | 2015年 | | | |
アルビレックス新潟 | 1 | 2017年 | | | |
ジェフ千葉 | 1 | 2009年 | | | |
ガンバ大阪 | 1 | 2012年 | | | |
ジュビロ磐田 | 1 | 2013年 | | | |
FC東京 | 1 | 2010年 | | | |
ベガルタ仙台 | 1 | 2003年 | | | |
横浜FC | 1 | 2007年 | | | |
清水エスパルス | 1 | 2015年 | | | |
浦和レッズ | 1 | 1999年 | | | |
川崎フロンターレ | 1 | 2000年 | | | |
徳島ヴォルティス | 1 | 2014年 | | | |
■ 降格経験があるのは延べ1,371人前述の条件に合致するJリーガーは延べ1,371人で、個人別の最多の降格経験回数は4回だった。最多タイの4回で並んでいるのはDF和田拓(東京Vなど)、GK平井(京都など)、DF駒野(福岡など)、DF中村北(福岡など)、MF斉藤大(京都など)、DF角田(京都など)、MF下村(C大阪など)、FW阿部吉(湘南など)となる。この中の何人かは不名誉な話であるがサッカーファンからは「降格請負人」と呼ばれている。
この8人の中で2018年もJ1のクラブでプレーしているのはDF中村北(長崎)とDF角田(清水)の2人である。長崎も清水もどちらも前評判は非常に低くて「降格候補の1つ」と言われていたがまずまず順調に勝ち点を稼いでいる。現時点では残留争いに巻き込まれていないが後半戦で失速して「J2降格」となった場合は個人別の降格回数で歴代1位になる。不名誉な記録なので絶対に避けたいところである。
続くのは3回になるが「降格を3回経験している選手」は全部で47名もいるので相当に多い。主な選手を挙げるとFW三浦知(横浜FCなど)、FW大久保(C大阪など)、DF矢野貴(新潟など)、MF明神(名古屋など)、MF今野(G大阪など)、MF家長(大宮など)。3回となると有名どころも少なくない。サッカー界のレジェンドであるFW三浦知は2000年の京都、2005年の神戸、2007年の横浜FCのJ2降格に絡んでいる。
■ 3回の降格を経験しているキングKAZU3回以上の降格を経験している選手の一覧は表2のとおりであるが、注意したいのは「降格経験が多い」=「能力が低い選手」とは全く言えない点である。言うまでもなく、J1のクラブでプレーするチャンスを獲得できなければJ2降格を経験すら出来ない。(最終的には不本意ながらJ2に降格してしまったが)J1のクラブと契約できている時点で「Jリーガーとして一定以上の評価を得ている選手」と断言することが出来る。
また、MF城後(福岡)やGK平井(京都など)など同じクラブで何度も降格を経験している選手もいる。MF城後に関してはアビスパ愛が非常に強い選手である。チームがJ2に降格したときは他クラブから興味を示されるが全てのオファーを蹴ってずっと福岡にとどまっている。MF城後のような選手を「降格するようなクラブとしか契約できないから多くの降格を経験している。」と認定するのも、当然、正しくない話である。
外国人選手に限定するとMFパウリーニョ(京都など)、MFディエゴ(山形など)、FWキリノ(湘南など)、DFアレックス(福岡など)が最多の3回の降格を経験している。なお、MFディエゴは神戸がJ2に降格した2005年もチームに在籍しているがこの時はJ1での出場機会が無かったので降格回数にはカウントしていない。当時のMFディエゴははまだ21才だった。ちなみに神戸時代の登録名は「ディエゴ・ソウザ」だった。
表2. 個人別のJ2降格回数のランキング(1999年-2017年)
回数 | 名前 | ① | ① | ① | ① |
4 | 和田 拓三 | 横浜FC | 2007年 | 東京ヴェルディ | 2008年 | ジェフ千葉 | 2009年 | アビスパ福岡 | 2011年 |
4 | 平井 直人 | 京都サンガ | 2000年 | 京都サンガ | 2003年 | 京都サンガ | 2006年 | 京都サンガ | 2010年 |
4 | 駒野 友一 | サンフレッチェ広島 | 2001年 | サンフレッチェ広島 | 2007年 | ジュビロ磐田 | 2013年 | アビスパ福岡 | 2016年 |
4 | 中村 北斗 | アビスパ福岡 | 2006年 | FC東京 | 2010年 | 大宮アルディージャ | 2014年 | アビスパ福岡 | 2016年 |
4 | 斉藤 大介 | 京都サンガ | 2000年 | 京都サンガ | 2003年 | 京都サンガ | 2006年 | 徳島ヴォルティス | 2014年 |
4 | 角田 誠 | 京都サンガ | 2003年 | 京都サンガ | 2006年 | 京都サンガ | 2010年 | 清水エスパルス | 2015年 |
4 | 下村 東美 | セレッソ大阪 | 2006年 | ジェフ千葉 | 2009年 | モンテディオ山形 | 2011年 | 湘南ベルマーレ | 2013年 |
4 | 阿部 吉朗 | 湘南ベルマーレ | 2010年 | ヴァンフォーレ甲府 | 2011年 | ジュビロ磐田 | 2013年 | 松本山雅 | 2015年 |
3 | 鈴木 慎吾 | 京都サンガ | 2003年 | 大分トリニータ | 2009年 | 京都サンガ | 2010年 | | |
3 | 矢野 貴章 | 柏レイソル | 2005年 | 名古屋グランパス | 2016年 | アルビレックス新潟 | 2017年 | | |
3 | 明神 智和 | 柏レイソル | 2005年 | ガンバ大阪 | 2012年 | 名古屋グランパス | 2016年 | | |
3 | 保坂 一成 | ヴァンフォーレ甲府 | 2007年 | ヴァンフォーレ甲府 | 2011年 | ヴァンフォーレ甲府 | 2017年 | | |
3 | 平本 一樹 | 東京ヴェルディ | 2005年 | 横浜FC | 2007年 | 東京ヴェルディ | 2008年 | | |
3 | 島村 毅 | 湘南ベルマーレ | 2010年 | 湘南ベルマーレ | 2013年 | 湘南ベルマーレ | 2016年 | | |
3 | 渡邉 大剛 | 京都サンガ | 2006年 | 京都サンガ | 2010年 | 大宮アルディージャ | 2014年 | | |
3 | 田中 佑昌 | アビスパ福岡 | 2006年 | アビスパ福岡 | 2011年 | ヴァンフォーレ甲府 | 2017年 | | |
3 | 田原 豊 | 京都サンガ | 2003年 | 京都サンガ | 2006年 | 湘南ベルマーレ | 2010年 | | |
3 | 坪内 秀介 | ヴィッセル神戸 | 2005年 | コンサドーレ札幌 | 2008年 | 大分トリニータ | 2009年 | | |
3 | 長谷川 アーリアジャスール | セレッソ大阪 | 2014年 | 湘南ベルマーレ | 2016年 | 大宮アルディージャ | 2017年 | | |
3 | 中谷 勇介 | 浦和レッズ | 1999年 | 川崎フロンターレ | 2000年 | 京都サンガ | 2010年 | | |
3 | 中村 忠 | 浦和レッズ | 1999年 | 京都サンガ | 2000年 | 京都サンガ | 2003年 | | |
3 | 大野 敏隆 | 京都サンガ | 2003年 | 柏レイソル | 2005年 | 東京ヴェルディ | 2008年 | | |
3 | 大竹 洋平 | FC東京 | 2010年 | 湘南ベルマーレ | 2013年 | 湘南ベルマーレ | 2016年 | | |
3 | 大久保 嘉人 | セレッソ大阪 | 2006年 | セレッソ大阪 | 2006年 | ヴィッセル神戸 | 2012年 | | |
3 | 村松 大輔 | 湘南ベルマーレ | 2010年 | 徳島ヴォルティス | 2014年 | 清水エスパルス | 2015年 | | |
3 | 前田 俊介 | 大分トリニータ | 2009年 | FC東京 | 2010年 | コンサドーレ札幌 | 2012年 | | |
3 | 山下 芳輝 | アビスパ福岡 | 2001年 | ベガルタ仙台 | 2002年 | 柏レイソル | 2005年 | | |
3 | 石井 俊也 | 浦和レッズ | 1999年 | ベガルタ仙台 | 2002年 | 京都サンガ | 2006年 | | |
3 | 盛田 剛平 | 浦和レッズ | 1999年 | セレッソ大阪 | 2001年 | サンフレッチェ広島 | 2007年 | | |
3 | 室井 市衛 | セレッソ大阪 | 2001年 | ヴィッセル神戸 | 2005年 | 横浜FC | 2007年 | | |
3 | 水谷 雄一 | 湘南ベルマーレ | 1999年 | アビスパ福岡 | 2006年 | 京都サンガ | 2010年 | | |
3 | 神山 竜一 | アビスパ福岡 | 2006年 | アビスパ福岡 | 2011年 | アビスパ福岡 | 2016年 | | |
3 | 森島 康仁 | セレッソ大阪 | 2006年 | 大分トリニータ | 2009年 | 大分トリニータ | 2013年 | | |
3 | 新居 辰基 | コンサドーレ札幌 | 2002年 | ジェフ千葉 | 2009年 | 湘南ベルマーレ | 2010年 | | |
3 | 城後 寿 | アビスパ福岡 | 2006年 | アビスパ福岡 | 2011年 | アビスパ福岡 | 2016年 | | |
3 | 松川 友明 | 湘南ベルマーレ | 1999年 | 京都サンガ | 2000年 | コンサドーレ札幌 | 2002年 | | |
3 | 手島 和希 | 京都サンガ | 2000年 | 京都サンガ | 2003年 | 京都サンガ | 2006年 | | |
3 | 山本 英臣 | ヴァンフォーレ甲府 | 2007年 | ヴァンフォーレ甲府 | 2011年 | ヴァンフォーレ甲府 | 2017年 | | |
3 | 山田 卓也 | 東京ヴェルディ | 2005年 | セレッソ大阪 | 2006年 | 横浜FC | 2007年 | | |
3 | 三浦 知良 | 京都サンガ | 2000年 | ヴィッセル神戸 | 2005年 | 横浜FC | 2007年 | | |
3 | 佐伯 直哉 | ヴィッセル神戸 | 2005年 | アビスパ福岡 | 2006年 | ジェフ千葉 | 2009年 | | |
3 | 今野 泰幸 | コンサドーレ札幌 | 2002年 | FC東京 | 2010年 | ガンバ大阪 | 2012年 | | |
3 | 中山 元気 | サンフレッチェ広島 | 2001年 | コンサドーレ札幌 | 2008年 | 湘南ベルマーレ | 2010年 | | |
3 | 中払 大介 | アビスパ福岡 | 2001年 | 京都サンガ | 2003年 | 京都サンガ | 2006年 | | |
3 | 古林 将太 | 湘南ベルマーレ | 2010年 | 湘南ベルマーレ | 2013年 | 名古屋グランパス | 2016年 | | |
3 | 古橋 達弥 | セレッソ大阪 | 2006年 | モンテディオ山形 | 2011年 | 湘南ベルマーレ | 2013年 | | |
3 | 宮崎 光平 | アビスパ福岡 | 2006年 | モンテディオ山形 | 2011年 | 徳島ヴォルティス | 2014年 | | |
3 | 岩上 祐三 | 湘南ベルマーレ | 2013年 | 松本山雅 | 2015年 | 大宮アルディージャ | 2017年 | | |
3 | 河本 裕之 | ヴィッセル神戸 | 2005年 | ヴィッセル神戸 | 2012年 | 大宮アルディージャ | 2017年 | | |
3 | 家長 昭博 | 大分トリニータ | 2009年 | ガンバ大阪 | 2012年 | 大宮アルディージャ | 2014年 | | |
3 | 安藤 淳 | 京都サンガ | 2010年 | セレッソ大阪 | 2014年 | 松本山雅 | 2015年 | | |
3 | パウリーニョ | 京都サンガ | 2006年 | ヴァンフォーレ甲府 | 2011年 | ガンバ大阪 | 2012年 | | |
3 | ディエゴ | 東京ヴェルディ | 2008年 | 京都サンガ | 2010年 | モンテディオ山形 | 2015年 | | |
3 | キリノ | コンサドーレ札幌 | 2012年 | 湘南ベルマーレ | 2013年 | 湘南ベルマーレ | 2016年 | | |
3 | アレックス | アビスパ福岡 | 2006年 | ジェフ千葉 | 2009年 | 徳島ヴォルティス | 2014年 | | |
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