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【Jリーグ】「不人気クラブはどこなのか？」の考察～1位は大宮アルディージャ、2位はモンテディオ山形、3位は徳島ヴォルティス～ | | |　

■　初優勝をきっかけに人気アップのサンフレッチェ広島

中央調査社による「人気スポーツ調査」の結果を見ると『Jリーグで文句なしで人気のあるクラブ』というと浦和・鹿島・G大阪の3チームの名前を挙げることが出来る。人気の面ではトップ3と言えるのは間違いないところである。続く名古屋・横浜FM・磐田・広島の4チームも「人気のあるクラブ」と言うことが出来る。磐田を除く6チームはいずれもJ1のオリジナル10のクラブなので伝統のあるクラブは人気も高い。

表1は2004年～2017年の数字をまとめたものになるが興味深いのは磐田である。2005年は6.3%、2006年は6.0%。いずれもリーグ最高だった。このあたりの時期は「黄金期の末期」と言えるがスター選手がたくさんいて、かつ、サッカー自体が魅力的だったので一般的な人気は相当に高かったようだ。ただ、その後は数字がガクッと落ちている。2010年は1.4%まで下落したがここに来てまた数字が上がってきている。

逆に広島は確実に数字を伸ばしているチームである。2012年にJ1初優勝を飾るなど短期間で3度も日本一に輝いたが「2012年の初優勝をきっかけに人気が高まった。」ということがよく分かる。各クラブの数字の偏移を見てもなかなか人気は上がらない。リーグタイトルを獲得することで新規サポーターを獲得。数字自体は高いレベルで安定しているので「固定客をガッチリつかんだ。」と推測することができる。

■　人気クラブになりつつあるセレッソ大阪

興味深い偏移を見せるのはC大阪である。2010年は0.5％、2011年は0.6%、2012年は0.9%。MF香川やMF乾やMF清武などが活躍して個人として注目を集めた時期もチーム自体の人気はあまり高まらなかった。J1屈指の人気クラブであるG大阪の差は歴然としていたが2013年は3.4%、2014年は3.0%と激増している。2017年は1.8%とややダウンしたが「セレ女フィーバー」で人気クラブの仲間入りを果たした。

「人気クラブ→不人気クラブになった。」or「不人気クラブ→人気クラブになった。」という例は数字の推移を見ると2004年以降では磐田・広島・C大阪くらい。相当にレアなケースであることが分かる。J1在籍年数が少ないのでサンプル数は非常に少なくなるが札幌・福岡・横浜FCといったクラブが平均値では上の方に来ている点も見逃せないところである。やはり、大都市のクラブはアドバンテージを持っている。

意外に感じるのはFC東京や川崎Fあたりの数字が高くない点である。FC東京は1.2％で、川崎Fは1.0％となる。鳥栖が1.1％で、大分が1.0％なので、このあたりのチームと同じくらいの割合になる。川崎FはJリーグのビッグクラブの仲間入りを果たそうとしているが2012年まではずっと1.0％未満である。10年ほど前から「タイトル争いの常連」になっているが人気にはあまりつながっていないという意外な結果が出ている。

■　平均値のワーストは大宮アルディージャ

今度は「好きなJ1のクラブ」になかなか名前が挙がってこなかった「不人気クラブ」に着目したいと思うが2004年～2017年の平均値の最少は大宮で0.3％となる。2010年に至っては何と0.0%だった。大宮のサポーターというのは、やはり、相当にレアであることが分かる。同じ街に浦和レッズという日本屈指のビッグクラブがある点は大きなハンディになる。続くのは山形で0.5％、3番目は徳島で0.6％となる。

4番目は甲府、5番目は京都、6番目は千葉、7番目は神戸となるが、このあたりのチームは四捨五入をすると全て0.7%なので同じくらいになる。京都と神戸はいずれも「日本屈指の大都市で活動している。」というアドバンテージを持っているがほとんど生かせていないことが分かる。関西圏ではG大阪やC大阪でさえ地上波のメディアではなかなか取り上げられないのが現状。極めて厳しい環境である。

8番目は湘南、9番目は新潟、10番目は大分となる。こうしてみると千葉は唯一の例外チームとなるが、既に触れた通りで、オリジナル10のクラブは固定客を持っていて何だかんだで人気がある。その反対で後発クラブは思うように一般層にアピールできていないことが分かる。Jリーグブームと呼ばれたほど1993年や1994年のJリーグ人気はすさまじかったがそこを体験できたことは、やはり、大きかったようだ。

表1. 「好きなJ1のクラブはどこですか？」のアンケート結果 (2004年-2017年)

	平均	2004年	2005年	2007年	2008年	2009年	2010年	2011年	2012年	2013年	2014年	2015年	2016年	2017年
どれもない	62.6%	66.2%	65.4%	63.3%	63.2%	66.9%	64.3%	63.0%	62.4%	62.0%	59.4%	58.7%	60.7%	57.9%
浦和レッズ	5.4%	3.9%	4.7%	7.3%	6.2%	5.3%	4.3%	4.9%	4.3%	6.3%	4.8%	6.0%	5.3%	6.8%
鹿島アントラーズ	4.7%	4.1%	4.7%	2.4%	5.1%	5.7%	6.1%	5.3%	3.6%	4.0%	4.7%	4.0%	4.3%	7.6%
ガンバ大阪	4.6%	2.4%	2.3%	4.6%	3.7%	4.0%	5.1%	6.1%	4.4%		3.8%	7.2%	6.1%	5.0%
名古屋グランパス	3.6%	3.1%	3.2%	3.8%	3.8%	3.6%	4.5%	4.3%	4.4%	2.9%	3.9%	3.2%	2.7%
横浜Fマリノス	3.1%	3.1%	3.4%	3.5%	1.8%	2.4%	3.3%	2.6%	3.9%	3.2%	4.2%	3.0%	2.7%	3.0%
ジュビロ磐田	3.0%	6.3%	6.0%	3.0%	2.8%	2.4%	1.4%	2.1%	1.7%	2.5%			2.7%	2.6%
サンフレッチェ広島	2.3%	1.9%	1.8%	1.1%		2.0%	1.5%	2.1%	1.9%	3.5%	2.8%	2.9%	3.3%	3.0%
コンサドーレ札幌	2.2%				2.2%									2.2%
東京ヴェルディ	2.0%	1.5%	1.8%		2.7%
アビスパ福岡	1.9%							1.7%					2.1%
横浜FC	1.6%			1.6%
清水エスパルス	1.5%	1.1%	0.7%	1.1%	1.4%	0.8%	1.4%	1.1%	2.0%	1.8%	2.4%	2.7%		1.6%
松本山雅	1.5%											1.5%
セレッソ大阪	1.5%	1.0%	0.5%				0.5%	0.6%	0.9%	3.4%	3.0%			1.8%
ベガルタ仙台	1.3%						1.2%	1.5%	1.9%	1.5%	1.5%	1.3%	0.8%	1.0%
柏レイソル	1.3%	0.6%	0.9%	1.2%	1.2%	1.0%		1.3%	2.0%	1.6%	1.4%	1.6%	1.5%	1.1%
FC東京	1.2%	0.6%	0.9%	1.0%	0.6%	0.6%	0.7%		1.6%	1.4%	1.7%	1.8%	1.1%	1.9%
サガン鳥栖	1.1%								1.4%	0.9%	1.5%	1.4%	0.8%	0.8%
川崎フロンターレ	1.0%		0.4%	0.8%	0.8%	0.6%	0.8%	0.9%	0.9%	1.1%	1.5%	1.3%	1.8%	1.0%
大分トリニータ	1.0%	0.9%	0.8%	1.3%	1.0%	0.7%				1.1%
アルビレックス新潟	0.9%	1.1%	1.1%	1.2%	1.0%	1.0%	1.1%	0.8%	0.6%	0.9%	0.7%	0.8%	1.3%	0.7%
湘南ベルマーレ	0.9%						0.9%			0.8%		0.8%	1.2%
ヴィッセル神戸	0.7%	0.8%	0.5%	0.5%	1.0%	1.1%	0.5%	0.3%	0.9%		1.1%	0.7%	0.7%	0.7%
ジェフ千葉	0.7%	0.7%	0.7%	0.8%	0.8%	0.6%
京都サンガ	0.7%				0.6%	0.6%	0.9%
ヴァンフォーレ甲府	0.7%			1.3%				0.8%	0.8%	0.4%	0.6%	0.6%	0.2%	0.6%
徳島ヴォルティス	0.6%										0.6%
モンテディオ山形	0.5%					0.2%	0.8%	0.5%				0.5%
大宮アルディージャ	0.3%		0.2%	0.1%	0.2%	0.3%	0.0%	0.2%	0.4%	0.7%	0.2%		0.6%	0.6%