モンテディオ山形→ 愛媛FCなどで実績を積んだ木山監督を招聘した山形はJ1復帰が目標となるが12節を終えた時点で3勝3敗6分け。勝ち点「15」で16位とやや期待ハズレの成績になっている。もちろん、5位の福岡との勝ち点差は「6」のみ。上位から中位までは大混戦なので射程範囲内と言えるがスタートダッシュには成功せず。9節の岡山戦(A)から4試合勝ちなし。ここに来て勝ち点が伸び悩んでいるのは気になるところである。
6引き分けというのはリーグ最多となるが、引き分けの多さというのは木山監督の特徴である。2016年は愛媛FCを指揮して12勝9敗20分け。20引き分けというのは断トツの1位だった。J1経験のある山形の場合、最低でもプレーオフに進まないと成功とは言えないが、これだけ引き分けが多くなると徐々に上位陣との差が広がっていく。「勝ちきれない。」という点が近年の木山監督の大きな課題になっている。
12試合で9得点というのはリーグワースト2位となる。逆に11失点というのはリーグで6番目の少なさになる。「堅実なサッカーで守備は堅いが決め手に欠ける。」というのが今シーズンの山形の特徴と言える。MF瀬沼は12試合で3ゴール、FW阪野は12試合で2ゴールを奪っているが、得点源になることが期待されている選手のゴール数としてはやや少なめである。愛媛FCから加入した2人の奮起に期待したい。
昨シーズンまではFWディエゴが攻撃の中心を担った。フィジカルが強くてテクニックもあるFWディエゴが王様として君臨したが、FWディエゴ頼みになるケースも多かった。その反省もあって日本人選手中心。1人の選手に頼らないサッカーを想定して木山監督を招聘したと思うが、順調に勝ち点を積み上げていくためには「圧倒的な個の力」は不可欠である。本当の意味で相手に怖さを与えることが出来る選手がいない。
「脇を固めるタレント」としてはFW阪野やMF瀬沼などは申し分ない選手であるが、軸となってチームをJ1に導くようなスーパータレントとは言い難い。夏の補強でスペシャルな選手を補強できると一気に浮上する可能性はあるが、資金力の豊富なチームではないのでその可能性はやはり低い。今後もなかなか勝ち点「3」に届かなくてサポーターがやきもきする試合が多くなる可能性の方が高いと考えられる。
一方、ポジティブに考えられるのはチーム全体が大きく若返った点。昨シーズンの平均年齢は29.43才。J2の22クラブの中で2番目に高かったが今シーズンは26.07才。一気に若返った。フロントの目論見通りに若いチームに生まれ変わったが、MF汰木、DF茂木力、DF高木利、MF永藤などはノビシロが大きい。大ブレイクしてもおかしくない選手は増えたので彼らがどれだけプラスアルファを生み出すことが出来るか?
水戸ホーリーホック→ 西ヶ谷監督になって3年目となる水戸は4勝4敗4分けで勝ち点「16」。13位とほぼ真ん中に位置する。開幕当初はなかなか結果につながらなかったがここに来て5試合負けなし。チーム状態は上がってきている。ここでひと踏ん張りできるとプレーオフ圏内も見えてくるが、勝ち点が伸び悩むようだと降格ゾーンが迫って来る。「上との差」も「下との差」も大きくないので、これからの数試合は大事になって来る。
ここまで12試合で13得点/13失点。得点数は11位タイで、失点数は9位タイ。どちらも平均程度と言えるが、攻撃陣は新加入のFW林陵平の活躍が目立ちに目立っている。山形時代は「常時スタメン」とはいかなかったが、水戸では不動のCFとして起用されている。12試合で6ゴールを挙げているが得点ランキングで6位タイ。大事なところでゴールを決めてチームの勝利に貢献できているので数字以上に印象が良い。
また、松本山雅から期限付き移籍のFW前田大がここに来てスタメンに定着しつつある。FW林陵平とFW前田大が2トップを組むケースが多くなっているが、FW前田大も9試合で3ゴールを挙げている。高さがあってエリア内で違いを生み出すことができるストライカーのFW林陵平とJ2屈指のスピードを持っているFW前田大の2トップというのは非常に強力である。「J2の中では上位クラスの2トップ」と言える。
FW前田大の驚異的なスピードを生かしたカウンターからチャンスを作るケースが増えているが、中盤にはMF橋本晃、MF船谷、MF佐藤和などテクニックがあってチャンスメークのできる選手が何人もいて、ドリブルが得意なMF湯澤洋の仕掛けも大きな武器になる。FW林陵平とFW前田大とMF橋本晃の3人が加入したことで中盤から前目のポジションの質と量が劇的にアップした。面白い顔ぶれになってきた。
一方の守備陣はGK笠原、DF細川、DF福井の3人が中心になっている。クローズアップされる機会は少ないが、DF細川とDF福井の安定感は特筆すべきものがある。チームのレジェンドであるGK本間の出番がやってこないのは個人的には残念に感じるが、中堅世代のGK笠原がすっかりレギュラーポジションを確保した。191センチとサイズがあって潜在能力が高く評価されてきたが、落ち着いてプレーできるようになった。
こうして見ていくと水戸はポジティブな要素が多い。ここに来て192センチのDFパウロンが存在感を発揮し始めているのも好材料である。面白いシーズンになる可能性は高いが、敢えてネガティブな要素を書き出すと左SBが固定しきれていない点。右SBには「J2の中では上位クラスの右SB」と言えるDF田向がいるが、左SBが固定しきれていない。本職ではないDF佐藤祥などを起用するケースが増えている。
・【J2】 自動昇格争いの展望 (前編) ~中心となるのは横浜FC・湘南・名古屋・松本山雅・福岡か!?~
・【J2】 自動昇格争いの展望 (後編) ~東京ヴェルディ・徳島ヴォルティス・京都サンガなども可能性あり!?~
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