ヴィッセル神戸 ・・・ 最も充実した補強が出来ているクラブの1つ→ (現時点で)J1の18クラブの中では鹿島に次いで2番目にいい補強が出来ているクラブではないかと思う。29試合で11ゴール12アシストと大車輪の活躍を見せたFWペドロ・ジュニオールは鹿島への移籍が確実となったが、柏時代のネルシーニョ監督の教え子を中心に効果的な補強が出来ている。今シーズンはクラブ史上最高となる7位と躍進したが悲願のタイトル獲得の可能性が膨らむ補強ができていると言える。
一番の成果はCBのDF渡部(仙台)を獲得できたことだろう。今シーズンはDF岩波とDF伊野波がCBコンビを組むことが多かったが自陣での空中戦勝率はDF岩波が60.5%で、DF伊野波が41.2%だった。DF岩波は(自陣空中戦回数が55回以上の選手の中では)J1で29位。まずまずの勝率と言えるが、DF伊野波に関しては38.1%だったDF輪湖(柏)に次ぐワースト2位。CBとしては考えにくいほどの低勝率だった。
それに対して加入が決まったDF渡部(仙台)は68.4%でJ1では6番目。過小評価されがちな選手であるが自陣空中戦回数はリーグ最多。空中戦に関してはJ1でもトップクラスの選手を獲得できたのは非常に大きい。空中戦におけるDF岩波の負担はかなり軽減されるだろう。気になるのはCBコンビのスピード系の選手への対応力がかなりダウンする点。当然、マイナスに働く部分もあるとは思うがいい補強が出来たと言える。
中盤はMF高橋秀(FC東京)とMF大森(G大阪)の加入が決定的となった。MFニウトンの相方となるボランチと怪我の多いMF小川慶を計算に入れることが難しくなっている右SHの2つが明確な補強ポイントだったが実力者を加えることが出来そうな状況になっている。G大阪の下部組織で育ったMF大森はクラブ愛も強くて「他クラブが引き抜くのは困難な選手の1人」と思われていたので大きな驚きと言えるだろう。
攻撃陣はFWポドルスキ(ガラタサライ)の名前がメディアで報じられて大きな話題になったが進展はせず。スタメンで起用される機会が減っていたMF田中順(柏)の加入が確実視されるが仕掛けることが出来るFWペドロ・ジュニオールがいなくなるので「強烈な個の力」を持ったドリブラーが欲しい。MFレナト(元川崎F)の名前が出ていたが断念した模様。優秀なドリブラーを獲得できると120点満点の補強になる。