アビスパ福岡→ 「1年でのJ1復帰」が目標となる福岡は井原監督の続投が確定している。移籍の噂が流れているFWウェリントンやDF亀川の動向ははっきりしないが、MF金森はJ1の鹿島への移籍が決定的で、DF田村友もJ1の浦和に移籍する可能性が高くなっている。MF金森は筑陽学園高から高卒で福岡に加入してきたクラブ生え抜きのスター候補。人気のある選手なので興行的な部分では大きなマイナスとなる。
ただし、戦力的な部分に関しては同じくらい潜在能力が高く評価されているMF為田とMF邦本がいてさらには長期の期限付き移籍からMF石津(神戸)が2年半ぶりに戻ってくることを考えると大きなマイナスにはならない。2015年のJ1昇格に大きく貢献したDF田村友に関しては明確なストロングポイントを持った選手で、かつ、ボランチとCBの両方をこなすのは魅力。DF田村友が流出するのは結構な痛手である。
「G大阪や神戸が獲得リストに挙げている。」と報じられたFWウェリントンはJ2においてはトップクラスのCFである。彼が残るのか?否か?は重要なポイントになるがG大阪は韓国人ストライカーのFW黄義助(城南)の加入が決定的。神戸はFWポドルスキ(ガラタサライ)やFW田中順(柏)などの名前が挙がっている。FW田中順の加入は濃厚。FWレアンドロとMF渡邉千がいることを考えるとFWウェリントンは無さそうだ。
DF亀川に興味を示していた鳥栖も左SBのレギュラーのDF吉田豊の残留が確定。DF藤田優とDF三丸がいることを考えるとSBはまずまず充実しているのでDF亀川の優先度は非常に低くなったと考えられる。また、FW松田力(名古屋)の加入が決定的となったが点を取れる選手は必要なので非常にいい補強と言える。補強ポイントのCBはDF栗原(横浜FM)とDF岩下(G大阪)の名前が挙がっているが経験のあるCBを獲得したい。
V・ファーレン長崎→ 高木監督の去就に関する情報は流れていない。今シーズンが就任4年目と長期政権になっており、さらには15位という不本意な結果に終わったことを考えると勇退もあり得る状況であるが、今オフは即戦力クラスの選手の大量補強に成功している。6位(2013年)→14位(2014年)→6位(2015年)→15位(2016年)ということで典型的な隔年チームになっており、順番から行くと2017年は上位に食い込むシーズンである。
「隔年なのは偶然である。」という見方もできるが、若返りと大型化の2つをキーワードに計画的に強化を進めてきたチームなのである程度は先のことを見据えて「積極的に若手を使うシーズン(=我慢のシーズン)」と「経験のある選手を中心に上位を狙うシーズン(=勝負をかけるシーズン)」に分けてクラブとしての総合力をアップさせることに成功している印象もある。「全くの偶然である。」とは言えないだろう。
加入が決まったのはDF古部(福岡)、MF飯尾竜(松本山雅)、MF島田譲(岡山)、MF幸野(山口)、DF乾大知(群馬)、DF北谷(山口)の6人であるが、いずれの選手もJ2で主力あるいは準主力として活躍した経験のある選手である。DF古部とMF飯尾竜はサイドアタッカーで、DF乾大知とDF北谷はCBで、MF島田譲はボランチで、MF幸野は中盤から前目のポジションであればどこでもこなす。意欲的な補強が出来ている。
エースとして17ゴールを挙げたFW永井龍は名古屋入りが決定的。攻撃の中心を担ったMF梶川もチームを離れることが決まった。脇を固めるポジションに関しては質も量も相当にアップしたが「1トップ+2シャドー」に関しては(現時点では)大幅なマイナスである。6位と躍進した2013年はMF幸野を1トップの位置に置くやり方がハマったが「少なくとも10ゴールは確実」と言えるストライカーを是が非でも獲得したい。
ロアッソ熊本→ 4月に熊本地震が発生。激動のシーズンになったが何とか「J2残留」を決めることが出来た。夏場には気の毒なほどの過密日程を強いられたので最終的には16位だったがよく頑張ったと言える。熊本市民や熊本県民に多くの勇気を与えたと同時に市民や県民から多くのサポートや声援を受けた。クラブと市民や県民との絆がより一層深まる忘れられない1年になったが2017年は感謝の気持ちを結果で表現したい。
清川監督の去就ははっきりしないが37試合で12ゴール6アシストと大車輪の活躍を見せたエースのFW清武功はJ2の千葉への移籍が決定。総得点はリーグワースト2位となる38得点だったがそのうちの18ゴールにゴール or アシストで絡んでいるFW清武功が抜けるのは当然のことながら大きなマイナスである。元日本代表のFW玉田(C大阪)の獲得を目指していたが成功せず。とにかく攻撃の軸になれる選手が必要である。
加入が決まった日本人選手はMF上里(札幌)とDF光永(沼津)とMFグスタボ(名古屋)の3人。今シーズンはバランス型のボランチが多くてゲームを組み立てることができるボランチがいなかったことを考えるとキックの精度が高いMF上里は効果的な補強と言える。福岡U-18出身の左SBのDF光永は伸び悩んでいる印象になるが攻撃力のある左SBである。素材は高く評価されているのでDF片山奨の後継者になる可能性はある。
ブラジル人のMFグスタボも名古屋ではなかなか出番がなかったが同様に潜在能力は高く評価されている選手である。20歳と若いのも魅力である。DF光永とMFグスタボは「化けたら面白い選手」である。他にはMF田中達(FC岐阜)の復帰が決まったが90分あたりのドリブル数はJ2で12位、90分あたりのクロス数はJ2で22位。ドリブラーの多いFC岐阜でレベルアップを果たした。大きく成長してチームに戻ってくる。
大分トリニータ→ 大逆転で自動昇格&J3優勝を勝ち取った大分は至上命題だった「1年でのJ2復帰」を果たした。昨オフはMF為田を筆頭に主力の流出が相次いだので難しいシーズンになることが予想されていたがU-19日本代表としてアジア制覇を経験したDF岩田など若手の成長と活躍が光った。一時は首位の栃木SCに大きく離されるというタフなシーズンになったが終わってみると収穫の多いシーズンになったと言える。
「ミスター・トリニータ」と呼ばれた元日本代表のFW高松は現役を引退。チームは新しい時代に入ったがFC岐阜から期限付き移籍という立場で7ゴールを挙げて昇格に大きく貢献したMF清本を完全移籍で獲得。主力の引き留めに成功した。さらには経験豊富なDF竹内彬(名古屋)を獲得。今シーズンは低調な出来だった。年齢的な衰えは否めないが大分のフロントは「まだまだ十分にやれる。」と判断したのだろう。
地味に痛いのは夏に神戸から期限で獲得して終盤戦は左SBのレギュラーとしてチャンスに絡んでいたDF山口真(→神戸)を引き留めることが出来なかった点。神戸にはDF橋本和がいるので「期限付き期間の延長で大分は引き留めることができるのでは?」と思っていたので意外な結果になった。元日本代表のDF山岸智は左SBとしてフル稼働するのはかなり難しいと思うので補強ポイントの1つになっている。
夏に清水から期限付き移籍してボランチで存在感を発揮したMF八反田も退団の可能性が高まっている。最も気になるのは不動のCBであるDF鈴木義に対して名古屋が興味を示している点であるが流出となると大きなマイナスである。名古屋であればステップアップの移籍になるので心は揺れるだろう。現時点での今オフの戦力収支は±ゼロに近い。1年目から上位を狙うためには計算できる選手を2人ほど獲得したい。
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