■ J1の開幕戦2016年シーズンのJ1がいよいよ開幕。2連覇を目指すサンフレッチェ広島はホームのエディオンスタジアムで川崎フロンターレと対戦した。J1の通算ゴール数の歴代1位はFW中山(元磐田)とFW佐藤寿(広島)で157ゴール、3位のFW大久保(川崎F)は156ゴール。「昨シーズンの最終節の湘南戦(H)に続いてスタジアムに観戦に訪れた中山雅史さん(アスルクラロ沼津)の目の前で記録更新なるか?」が大いに注目された。
ホームの広島は「3-4-2-1」。GK林卓。DF塩谷、千葉、佐々木翔。MF青山敏、森崎和、ミキッチ、柏、茶島、柴崎晃。FW佐藤寿。2月23日(火)に行われたACLの開幕戦の山東魯能戦(H)はスタメンを大きく入れ替えるターンオーバーを採用したが1週間前に行われたゼロックスのG大阪戦と同じ11人がスタメンで起用された。五輪代表のFW浅野拓はベンチスタート。五輪代表入りを目指すMF野津田はベンチ外となった。
対するアウェイの川崎Fは「4-2-2-2」。GKチョン・ソンリョン。DFエウシーニョ、奈良、谷口彰、車屋。MF大島僚、中村憲、森谷、狩野。FW小林悠、大久保。昨シーズンの2ndステージは「3バック」を採用することが多かったがこの日は4バックを採用。五輪代表としてU-23アジア選手権の優勝に貢献した新加入のDF奈良はCBの一角でスタメン出場を果たした。千葉から加入したFW森本はベンチスタートとなった。
■ 1対0でアウェイの川崎Fが勝利序盤はやや川崎Fペースとなる。新加入のMF原川とのポジション争いに勝利してスタメンを勝ち取ったMF大島僚がいいプレーを見せてチャンスシーンに絡んでいく。序盤はやや劣勢の展開になった広島は前半19分に右サイドのCKを獲得するとMF茶島が右足で蹴ったボールをDF佐々木翔がヘディングで狙うが川崎Fの新守護神のGKチョン・ソンリョンが好セーブを見せて先制ならず。0対0でハーフタイムに突入する。
迎えた後半15分に広島はMF柏に代えてMF清水航を投入。すると左WBのMF清水航の仕掛けからいい形を作っていく。後半27分にはMF清水航のクロスからFW浅野拓がヘディングを放つがシュートは枠を大きく外れてしまう。0対0で迎えた後半39分に川崎Fは中盤でボールを奪ってカウンター。左サイドから仕掛けたMF中野嘉の折り返しを右SHにポジションを移していたMF小林悠が合わせて川崎Fが先制に成功する。
MF小林悠は3年連続の開幕弾となった。後半47分に広島はCKから途中出場のFWピーター・ウタカがヘディングで狙うが決められず。結局、1対0でアウェイの川崎Fが勝利。悲願の初タイトルを狙う川崎Fは好スタートを切った。川崎Fは2節がホーム開幕戦。同県のライバルの湘南と対戦する。一方の広島はACLの山東魯能戦に続いてホームで黒星を喫した。次節はアウェイで名古屋と対戦する予定になっている。
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【J1開幕戦】 サンフレッチェ広島 vs 川崎フロンターレで「出来が良かった。」と思う選手は?
■ 実力を見せつけたGKチョン・ソンリョンこのカードは「FW佐藤寿 vs FW大久保」という形で大きくメディアで取り上げられた。2016年のJ1の開幕節の中でも屈指の好カードだったが残念ながら強い雨が降っていた。あいにくのコンディションだったこともあってエディオンスタジアムに集まった観衆は18,120人。ホームの広島は昨シーズンのCSの決勝のG大阪戦(H)では3万人を超えるお客さんを集めたがこの日は思ったほどサポーターは集まらなかった。
「J1の最多ゴール記録が更新されるかもしれない。」という試合は滅多にないので2万人を超えなかったのは非常に残念だったが終盤にMF小林悠が決勝ゴールを決めてアウェイの川崎Fが勝利。0対0で終わりそうな雰囲気もあったが試合の終盤に劇的なゴールが生まれた。ゴールを決めたMF小林悠も見事だったがドリブルでサイドを切り裂いた途中出場のMF中野嘉のドリブルと正確なラストパスが光った。
風間監督は2012年の春に川崎Fの監督に就任したので早くも5年目。「8位」→「3位」→「6位」→「6位」と安定した成績を残しているがタイトルを狙える戦力を有しているチームなので「タイトルが取れていない。」というのはマイナス評価となる。過去の4シーズンはリーグ屈指の攻撃陣に比べて守備の部分が脆弱だったがGKチョン・ソンリョンとDF奈良とMFエドゥアルド・ネットが加入。弱点の補強に成功した。
この日はGKチョン・ソンリョンとDF奈良がスタメンで起用されたがキーパーのGKチョン・ソンリョンは何度か好セーブを見せた。今シーズンは川崎FにGKチョン・ソンリョン、神戸にGKキム・スンギュ、福岡にGKイ・ボムヨンが加入。3人とも韓国代表クラスの実力を持っているが、長きにわたって韓国代表の正キーパーを務めてきたのが川崎FのGKチョン・ソンリョンである。実績では頭1つ~2つ抜け出ている。
日本 vs 韓国の試合のときもGKチョン・ソンリョンがゴールを守ることが多かったので「日本でもお馴染み」と言えるが安定感のあるキーパーである。派手なプレーを連発するタイプではないが守備範囲が広くてビルドアップでもチームに貢献できる。GK川島が抜けた後、キーパーを固定できない時期もあった川崎Fにとっては待望の実力派キーパーである。デビュー戦から余すことなく実力を見せつけた。
■ 1トップ+2シャドーのベストな組み合わせは?一方の広島は公式戦は2連敗となった。2月23日(火)に行われたACLの開幕戦の山東魯能戦(H)でもスタメン出場したのは11人の中ではGK林卓、DF塩谷、DF千葉、MF青山敏、MF柏の5人だけ。疲れの影響でパフォーマンスが落ちないように森保監督はうまくやり繰りしているがACLに続いてホームで惜敗。ゼロックスのG大阪戦は3対1で快勝しているのでいい流れかと思われたがまさかの躓きと言える。
前半19分のDF佐々木翔のヘディングシュートであったり、後半16分のMF柴崎晃のシュートであったり、後半27分のFW浅野拓のヘディングシュートであったり、決定機はいくつか作った。チャンスが無かったわけではないが、韓国代表として長きにわたって活躍してきた川崎FのGKチョン・ソンリョンの壁を破ることはできず。途中出場したFW浅野拓のプレーはまずまず良かったがゴールを奪うことはできなかった。
広島はオフにMFドウグラスが退団。金銭的な部分で折り合いがつかなかったので「MFドウグラスが抜けたのは仕方がない。」と諦めるしかない。代わってシャドーの位置に入っているのは大卒3年目のMF茶島。ボールを受ける技術が高い選手なのでボール回しはよりスムーズになることが予想されるし、守備に回ったときも献身的なプレーができるので相手にポゼッションされているときの「守備力アップ」も期待できる。
ただ、MFドウグラスと比べると「得点力」では大きく見劣りする。そして隣でプレーするMF柴崎晃も「テクニック」や「判断力」がウリとなる選手であり、ボックス内で脅威になれるタイプではない。よって「攻撃のときの迫力や怖さ」はかなり失われている。サイドからクロスが上がっても「FW佐藤寿の動きを警戒しておけば大丈夫」という状態になっている。前の3枚の組み合わせは再考の余地があるように感じる。
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