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■ ニューイヤーマッチニューイヤーマッチのアルビレックス新潟とファジアーノ岡山の試合が高知県にある春野陸上競技場で行われた。新潟は柳下監督になって4年目のシーズンで、岡山はオフに長澤監督が就任した。ともに新シーズンに向けてJリーグのクラブとテストマッチを行うのはこの日が初めてとなる。新潟は昨シーズンはJ1で12位で、岡山はJ2で8位だった。岡山はシーズンの終盤に大失速して初のプレーオフ出場を逃している。
新潟は「4-2-2-2」。GK守田。DF松原健、舞行龍ジェームズ、大井、コルテース。MF小林裕、レオ・シルバ、山本康、鈴木武蔵。FWラファエル・シルバ、山崎亮。注目の新戦力のDFコルテースは左SBでスタメンで、磐田から加入のFW山崎亮は2トップの一角でスタメン出場となった。DF松原健とMF鈴木武蔵の2人はシンガポール遠征のU-22日本代表に招集されている。195センチのFW指宿はベンチスタートとなった。
対する岡山は「3-4-2-1」。GK椎名。DF篠原、岩政、竹田忠。MF関戸、島田譲、田中奏、田所、妹尾、染矢。FW片山瑛。怪我人が何人か出ていることもあってベストとは言えないメンバー構成となったが、注目を集める元日本代表のDF岩政は3バックの中央でスタメン出場となった。昨シーズンはタイリーグでプレーした。同じく元日本代表のDF加地はこの試合はベンチにも入らずにスタンド観戦となった。
■ 1対0で岡山が逃げ切る試合の序盤は新潟が攻め込んだが、前半13分に後方からロングボールに競り勝った大卒2年目のFW片山瑛が落したボールに反応したMF妹尾が右足で丁寧なスルーパスを送ると、抜け出したMF染矢が落ち着いて決めて岡山が先制に成功する。岡山はこの試合の最初の決定機をゴールに結び付けた。対する新潟は前半に3度ほど惜しいシーンを作るが、岡山のキーパーのGK椎名の活躍もあってゴールを奪えない。
後半になると新潟がボールを保持する時間が長くなる。早く追いつきたい新潟は後半23分にFW指宿とMF加藤大を投入。攻撃的なキャラクターを持った選手をピッチに送り込んで前半と同様に何度か惜しいシーンを作ったが、ここでも岡山のキーパーのGK椎名が活躍してどうしても同点ゴールを奪えない。スタメンに抜擢された岡山のGK椎名はこの試合は5回ほどビッグセーブを見せる大活躍だった。
結局、試合は1対0でJ2の岡山が逃げ切った。岡山は受け身に回る時間が長くて、なかなかシュートシーンは作れなかったが、キーパーのGK椎名と元日本代表のDF岩政を中心とした守備が機能した。格上の新潟を相手に勝利できたというのは大きな自信になるだろう。一方の新潟はベストに近いメンバー構成だったが、キャンプ期間中で体を追い込んでいる最中ということもあってコンディションがあまり良くなかった。
■ 期待の新戦力が不発に終わった新潟新潟はオフの補強は最小限にとどまったが、ピンポイントで弱点強化を目指した。昨シーズンはJ1で36失点。これはリーグ7位だったが、30得点というのはリーグワースト3位。16得点に終わった徳島、27得点止まりだった甲府に次ぐ少なさだったので、「得点力アップ」が不可欠である。。MF田中亜が抜けたものの、FW山崎亮とDFコルテースが加入しているので、この2人に注目が集まったが、この日は不発だった。
ロンドン五輪代表チームでも活躍したFW山崎亮は左サイドハーフでもプレーすることができるが、この日は2トップの一角でスタメンとなった。前半の途中に一時的に左サイドハーフのMF鈴木武蔵とポジションをチェンジする時間帯があったが、なかなかボールに触ることが出来なかった。一番のウリはフィジカルの強さを生かした「強引なドリブルでの突破」となるが、そういうシーンはほぼ無かったと言える。
決定機にもほとんど絡めずにノーインパクトの試合になったが、FW山崎亮にかかる期待は大きい。磐田時代は怪我や病気に苦しんで欠場する試合が多かったが、潜在能力は物凄いものがある。献身的な守備も評価されてきた選手なので、新潟のスタイルにも合うはず。MF田中亜の穴を埋めるだけにとどまらず、それ以上の活躍も期待できる高い能力を持っているので、今シーズンの新潟のカギを握る選手と言える。
一方、ブラジル代表歴のある新加入の左SBのDFコルテースは序盤は積極的な攻撃参加を見せたが、彼が攻撃に参加した後、その裏のスペースを岡山が有効に活用するシーンが何度か続いたことが影響したのか、前半の途中からあまり目立たなくなった。過去にJリーグでプレーしたブラジル人のSBは守備の不安を露呈することが多かったので、DFコルテースについても守備面での不安は拭い去ることはできない。
ただ、持ち味は高い攻撃力である。仮に守備の部分で幾分かの問題が生じたとしても、攻撃面で大きなプラスをもたらすことが出来ればチームの戦力になる。左足のキックはなかなか精度が高そうで、ある程度は単独でドリブル突破もできそうで、ボールを預けることが出来たらサイドで起点になることができる。DFコルテースが左SBのレギュラーに定着できると攻撃の幅は広がると思うが、果たしてどうなるか。
■ MOM級の活躍を見せたキーパーの椎名一馬ほぼベストメンバーが揃った新潟に対して、岡山の方は何人かの主力が抜けており、控えメンバーはファジアーノ・ネクストの選手ばかりになった。攻撃に関してはなかなかチャンスを作れなかったが、守備は非常に良かった。チームの持ち味の1つと言えるが、中盤の守備が機能して相手の縦パスをカットする場面が立ち上がりから続いたので、前半の途中あたりから新潟は勝負のパスを入れることができなくなった。
MOMはキーパーのGK椎名になるだろう。岡山にはGK中林という「絶対的な守護神」がいるので、リーグ戦で出場機会を得るのはなかなか難しいが、長らく、岡山のキーパー陣を支えてきたGK真子が昨シーズン限りで現役を引退したため、キーパーの層がやや薄くなっている。GK椎名にとってはセカンドキーパーの地位を固める絶好のチャンスと言えるが、これだけの活躍をするとGK中林にも刺激になるだろう。
「補強の目玉」と言える新加入のDF岩政の存在感はやはり絶大だった。187センチのサイズを生かした空中戦の強さは圧倒的で、ほとんどのボールをDF岩政が跳ね返した。残念ながらDF加地はスタンド観戦だったので「元日本代表の共演」はならなかったが、DF岩政という選手は1人で劇的にチーム力アップさせることが出来る飛び抜けた実力を持っている。とてつもなく大きな戦力になるのは間違いないところである。
■ 大きな戦力になるのは間違いないDF岩政大樹興味深かったのはDF岩政が3バックの中央に入って、右ストッパーがDF篠原で、左ストッパーがDF竹田忠になったことである。DF久木田、DF近藤徹、DF植田もレギュラー候補と言えるが、普通に考えると「リベロタイプのDF竹田忠が中央に入って、DF岩政が左右のどちらかのストッパーの位置に入る。」という形が一番違和感が無い形と言えるが、DF竹田忠を左ストッパーに回して、DF岩政を中央で使ってきた。
DF竹田忠はもともとボランチの選手でフィード力やカバーリング能力に長けた選手である。統率力もあるが、178センチなのでCBとしてはやや小柄である。3バックの中央というのは甲府のDF山本英しかり、元山形のDF石井秀しかり、クレバーなタイプを起用するチームが多いので、ややセオリーからは外れる。ただ、DF岩政のような選手が真ん中にいると相手チームは攻めにくくなるので、この並びは有効だと思う。
攻撃陣では決勝ゴールを決めたMF染矢の活躍が光った。2シャドーの一角で起用されて前半13分に先制ゴールをマークしたが、抜群のスピードが生きたシーンだった。2013年シーズンはFC岐阜で38試合に出場して10ゴールと大活躍して岡山に引き抜かれたが、2014年シーズンは怪我もあって10試合の出場にとどまった。極めて不本意なシーズンになったが、高い能力を持っている選手であることは間違いない。
岡山は前線のトライアングルの位置でプレーすることが多かったFW清水慎とFW荒田とMF石原崇が抜けたが、アタッカーの新戦力は浦和から期限付き移籍してきた五輪代表のMF矢島慎くらい。質も、量も、かなり物足りない陣容になっている。MF矢島慎には大きな期待がかかるが、如何せん、Jリーグではほとんど実績の無い選手である。過度な期待は禁物と言えるが、MF染矢が復活するようだと大きなプラスになる。
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非常に評価の難しいファジアーノ岡山のDF加地亮の獲得
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