■ J2の第5節J2の第5節。開幕4連勝と好スタートを切った柏レイソルはホームの三協フロンテア柏スタジアムでファジアーノ岡山と対戦した。岡山は2009年にJ2に昇格しているが最後にリーグ戦で対戦したのは柏がJ2所属だった2010年の話になる。有馬監督を招聘した岡山はここまで2勝2敗。4節はホームで福岡と対戦したが2対1で勝利した。有馬監督は現役時代は柏と札幌と横浜FCでプレーしており、点取り屋として活躍した。
ホームの柏は「3-4-2-1」。GK桐畑。DF染谷、上島、古賀。MF大谷、手塚、小池龍、菊池大、江坂、瀬川祐。FWクリスティアーノ。新戦力のMFヒシャルジソンは開幕から4試合連続でイエローカードを受けてこの日は出場停止となる。GK中村航は日本代表に招集されているので欠場。大卒ルーキーのDF上島がJ2初スタメンとなった。柏の下部組織出身で中央大に進学。1997年の早生まれなので東京世代になる。
対するアウェイの岡山は「4-2-2-2」。GK金山。DF椋原、田中裕、チェ・ジョンウォン、廣木。MF関戸、上田康、久保田、仲間。FWイ・ヨンジェ、齊藤和。元韓国代表のFWイ・ヨンジェは4試合で2ゴールと活躍中。柏の下部組織出身のMF仲間にとっては古巣との対戦になる。柏のトップチームには昇格できずに2011年に熊本でプロデビューを果たした。4節の福岡戦(H)では攻撃の中心になって躍動した。
■ アウェイのファジアーノ岡山が金星試合の前半はどちらかというとアウェイの岡山ペースになった。FWイ・ヨンジェの推進力を生かした迫力のある攻撃を見せる。GK中村航とMFヒシャルジソンを欠く柏はなかなかチャンスを作れない。この日は3バックを採用したが効果的な攻撃を繰り出すことは出来ず。もどかしい展開になったが大卒ルーキーのDF上島は最終ラインの一角で安定したプレーを見せた。前半はどちらもゴールを奪えなかった。
0対0で迎えた後半17分に柏がゴール前でFKを獲得するとトリックプレーからゴール前の正面でフリーになったMF大谷が強烈なシュートを放ったがバー直撃。後半32分にはCKからDF上島がヘディングシュートを放ったがまたしてもバー直撃でゴールならず。その後、こぼれ球に自ら詰めたDF上島が相手キーパーのGK金山と衝突してプレー続行不可となるアクシデントが発生。後半34分にDFパク・ジョンスが投入される。
押され気味の岡山だったが後半37分にCKを獲得すると途中出場したMF武田将が空中戦で競り勝ってヘディングで前方にパスを送るとフリーで抜け出したFWイ・ヨンジェが決めてアウェイの岡山が先制に成功する。FWイ・ヨンジェは今シーズン3ゴール目となった。柏は後半46分にFWクリスティアーノが右足でシュートを放ったがポスト直撃で同点ゴールとはならず。1対0で逃げ切った岡山が勝ち点「3」を獲得した。
■ 好調のFWイ・ヨンジェがヒーローになった。開幕から無傷の4連勝中だった柏を止めたのは岡山だった。有馬監督を招聘した岡山は開幕から3試合目までは低調な試合が続いたが4節の福岡戦(H)はいいサッカーを見せて勝利。上り調子でアウェイの柏との試合を迎えたが出来としては非常に良かった。3本ほど相手のシュートがバーに直撃しているので運にも味方されたが充実した内容で柏から勝利を勝ち取った。自信になる勝利と言えるだろう。
後半37分にFWイ・ヨンジェが値千金の決勝ゴールを決めてヒーローになったがこれで早くも今シーズン3ゴール目。加入1年目の昨シーズンは怪我の影響もあってJ2では11試合で1ゴールに終わったFWイ・ヨンジェが開幕からエンジン全開。攻撃陣を引っ張っている。韓国のフル代表に招集された経験のあるストライカーなのでポテンシャルが高いのは間違いない。能力を考えると2桁ゴールはノルマに近い。
岡山というと近年はずっと3バックで戦ってきたが今シーズンは4バックを採用している。テクニックのあるMF久保田をスタメンで起用するなど繋ぐ意識が高まっており、サッカー自体も大きく変化している。そんな中、開幕から3試合は思うようなサッカーを披露できなかったがようやくやりたいサッカーができるようになってきた。開幕5試合で3勝2敗。5試合で勝ち点「9」というのはまずまずの成績と言える。
キーマンになるのは右SHで起用されている東京世代のMF久保田だろう。鹿島からの期限付き移籍になるがテクニックがあって判断も正確。シンプルなプレーでボール回しをスムーズにすることが出来る。有馬監督の評価は非常に高くて開幕から5試合連続スタメン出場中。新生・岡山の中心になることが期待されているがまだ大きな仕事はできていない。逆サイドでプレーするMF仲間と比べると存在感は希薄である。
■ ちょっとした隙を突かれて失点柏は5試合目でついに初黒星となった。開幕から4試合連続で1点差の勝利。4試合とも後半の半ば以降に決勝ゴールを奪っているので「0対0のままで後半の終盤を迎えたこの試合」も柏にとっては悪くない試合展開と言えたがセットプレーの流れから失点。先のとおり、後半17分のMF大谷、後半32分のDF上島、後半46分のFWクリスティアーノと3本もシュートがバーに直撃したのはかなり不運だった。
後半37分に生まれたFWイ・ヨンジェの決勝ゴールの場面は最初は「オフサイドでは!?」と思ったがリプレーを見ると大外にいるDF染谷が後ろに残っている。柏の選手はオフサイドをアピールしたが「副審のジャッジが正しかった可能性の方が高い。」と言える。直前のプレーでFWイ・ヨンジェと激突したDF染谷は岡山の選手がCKを蹴るときに再入場が認められたが集中力を欠いて不用意な位置取りになった。
相手のCKの場面なので、当然、「早く戻ってプレーしたい。」とDF染谷は考えたと思うが中途半端だった。開幕から4試合でわずか1失点のみ。ボランチの位置でプレーするMF大谷とMFヒシャルジソンを中心にほとんど隙を見せることなく戦ってきた柏だったがこの場面ではちょっとした隙を見せてしまった。ネルシーニョ監督を招聘してしたたかに戦ってきた柏にとっては悔いの残るシーンになってしまった。
5試合目にして開幕からの連勝が止まった柏にとって次の試合が大事になってくる。アウェイの東京V戦になるが重要な試合になる。独走しそうな雰囲気になっていたが東京Vにも勝てないようだと空気が変わってくる。「柏に勝つのはなかなか難しい。」という空気になりつつあったが初黒星によって空気が少し変わった。GK中村航とMFヒシャルジソンはともにスタメンに戻ってくると思うので勝利を掴みたい。
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