■ J2版の日本代表チームを考える。恒例の定番企画と言えますが、せっかくなので、ブラジルW杯の日本代表メンバー23人が決まったこのタイミングでJ2に所属する日本人選手限定で、日本代表メンバー23人を選んでみました。とりあえずとして、チームを組んで、ザックジャパンの代わりにグループCに入って、コートジボワールとギリシャとコロンビアの3チームと本大会で対戦することを想定してメンバーを選んでみました。
ただし、同一チームからあまりにも多くの選手を選出すると面白くなくなるので、今回は、「1チームから選ぶことができるのは最大で3人まで」という条件を付けました。したがって、磐田であっても、湘南であっても、京都であっても、選出できるのは3人までです。ということで、強豪チームに在籍する選手の場合は、まず、チームメイトとの「3人枠」を巡る争いに勝つ必要があります。
ゴールキーパー → 経験値という意味では、J1の舞台を数多く経験している千葉のGK岡本がナンバーワンと言える。今シーズンのパフォーマンスはそこまで良くないが、J2の中では最高峰のキーパーである。大熊ジャパンのとき、年代別の日本代表に選出されており、「J2に所属する日本人選手」という条件もクリアする。188センチとサイズもあって、J1でも水準以上のキーパーである。
2人目に選んだのは、GK中林(岡山)である。こちらは182センチなので、それほど高さは無いが、安定感と反射神経の鋭さで何度もチームを救ってきた。「ウッズ」という愛称でサポーターに親しまれている。市立船橋高校出身で、DF増島やFWカレン・ロバートの1学年後輩で、仙台のDF渡辺広が同級生となる。このあたりの時期の市立船橋は多くのプロ選手を輩出している。
3人枠が無ければ、最後の1人は快進撃を続けるチームを最後尾から支えるGK秋元(湘南)になるが、他のポジションとの兼ね合いで、GK秋元を選ぶことは難しい。実績抜群の元日本代表のGK川口(FC岐阜)の名前も浮かんだが、せっかくなので、GK本間(水戸)を選出する。J2通算500試合出場が目前に迫っている水戸のレジェンドで、JFL時代の1999年から水戸でプレーしている。
ということで、この3人を選出したが、昨オフ、俗に言う「キーパーの大移動」が起こったので、その影響を受けたJ2のクラブは多かった。正キーパーが引き抜かれるなどして、まだ、キーパーを完全に固定できていないチームもいくつかあるが、それほど経験のあるキーパーではないGK児玉(愛媛FC)、GK大久保(長崎)、GK大谷(北九州)などは、落ち着いたプレーを見せている。
GK 本間幸司 (水戸ホーリーホック)
GK 岡本昌弘 (ジェフ千葉)
GK 中林洋次 (ファジアーノ岡山)
ディフェンダー → どういうサッカーをするか?でメンバーは大きく変わってくるが、開幕13連勝の湘南に敬意を表して、「3-4-2-1」あるいは「3-4-1-2」をメインで考えたい。となると、3バックになって、両ストッパーには攻撃力も要求されるので、両ストッパーは湘南の2人をそのまま選出する。3バックの中央でプレーするDF丸山も入れたかったが、「3人枠」の制限があるので断念せざるえない。
リオ世代のDF遠藤航(湘南)は2011年から主力として試合に出場しているので、若手という感じはしないが、まだ21歳である。昨シーズンの途中から右ストッパーでプレーする機会が多くなったが、コンバートされて、持ち前の攻撃力がフルに発揮されるようになった。178センチなのでCBとしては小さい方であるが、非常にヘディングが強くて、得点源の1人になっている。
早稲田大学出身のDF三竿(湘南)は今シーズンのJ2のサプライズの1つである。J1を含めた全ての新卒選手の中で、もっとも輝いている選手と言えるだろう。高精度の左足を持っていて、非常にクレバーである。左WBのMF菊池大と組む左サイドが湘南のストロングポイントの1つになっている。同じく左ストッパーでプレーする浦和のDF槙野よりも積極的に攻撃に関与してくる。
CBの3人目はブラジルW杯行きを決めたDF伊野波(磐田)を選出する。チームメイトのFW前田(磐田)との争いとなったが、フォワードはそれなりに駒がいるので、DF伊野波を選択した。ユーティリティーな選手が1人いると戦い方の幅が広がってくる。そして、高さが無いと不安なので、DF飯田(松本山雅)をピックアップする。187センチの高さは攻撃のときも威力を発揮するだろう。
もう1人くらいはCBが必要である。怪我が無ければ、堅実なDF竹田(岡山)を選んだが、大怪我で離脱中なので、6月のW杯の時期にはとうてい間に合わない。なので、3バックの中央のスタメン候補として、DF山口貴(長崎)をチョイスする。長崎がJ2初年度の2013年から6位と好成績を残した原動力の1人で、2013年の活躍は凄まじかった。彼もユーティリティーな選手である。
サイドプレーヤーで真っ先に選んだのは、DF駒野(磐田)である。サイドの選手としては、J2の中で突出している。選出の意図を説明する必要はないだろう。迷ったのは左WBで、「3枠枠」が無ければ、湘南のMF菊池大を選んだが、断念して、レフティのDF中村太(千葉)をチョイスする。守備面で不安は残るが、左足に関してはJ2トップクラスで、優秀なクロッサーであり、突破力もある。
最後の1人をどうするか。サイドプレーヤーが不足気味で、高さのある選手も不足気味である。そういった薄いところをカバーできる選手というと、DF酒井隆(京都)、DF堤(福岡)、DF安川(大分)、DF大岩(千葉)などがいるが、DF大岩を選択する。今シーズンはCBで起用されているが、右SBでも、左SBでも、プレーできる。攻撃力を兼ね備えた総合力の高いディフェンダーである。
迷った末に落としたのは、DF石櫃(京都)である。DF安藤がJ1のC大阪に移籍して、右SBが不安視されたが、元日本代表候補のDF石櫃が穴を埋めている。名古屋は右SBで苦労しているので、「DF石櫃がいれば・・・。」と思うところはあるが、FWマルキーニョスが移籍して1トップで苦労している横浜FMと同じである。年俸や近年のプレーぶりを考えると、「あと出しじゃんけん」である。
DF 駒野友一 (ジュビロ磐田)
DF 山口貴弘 (V・ファーレン長崎)
DF 飯田真輝 (松本山雅)
DF 伊野波雅彦 (ジュビロ磐田)
DF 大岩一貴 (ジェフ千葉)
DF 中村太亮 (ジェフ千葉)
DF 三竿雄斗 (湘南ベルマーレ)
DF 遠藤航 (湘南ベルマーレ)
ボランチ → MF永木(湘南)は文句なし。新生・日本代表の最初の試合でフル代表に呼ばれてもおかしくない。湘南というチーム自体がさら縦に速いサッカーになったことと、サイドでゲームを作ることができるDF三竿の加入によって、中盤の底でMF永木がゲームメイクの仕事をあまりしなくてもよくなった。MF永木が自由に攻撃に絡めるようになったことが、攻撃の厚みを生み出している。
その他では、まず、MF河合(札幌)を選出した。高さのあるボランチは絶対に必要なので、そうなると、183センチのMF河合である。リーダーシップも期待できるし、当然、CBでもプレーすることができる。MF末吉(大分)については、MF宮阪(山形)と迷ったが、MF末吉を選んだ。J1の鳥栖ではなかなか出場機会を得ることができなかったが、守備力が高くて、精度の高い右足を持っている。
4人目に選んだ五輪代表のMF原川(愛媛FC)に関しては、まだ、新天地で能力の全てを発揮できていない。ポジションも定まっておらず、エースの期待に応える活躍はできていないが、若さと可能性を秘めた選手であることは間違いない。2列目なのか、ボランチなのか。今の愛媛FCのメンバー構成とMF原川のプレースタイルを考えると、愛媛FCではボランチがベターなのかもしれない。
選出したのは以上の4人であるが、候補として名前が浮かんだのは、前述した選手以外では、MF菊地俊(湘南)、MF喜山(松本山雅)、MF小野寺(栃木SC)、MF中原(福岡)といったところである。この中で、MF菊地俊とMF喜山に関しては、3人枠の関係でメンバーに入れるのは無理だった。浮かんだ候補はそれほど多くなかったので、今シーズンについては、J2のボランチは小粒感がある。
MF 河合竜二 (コンサドーレ札幌)
MF 末吉隼也 (大分トリニータ)
MF 永木亮太 (湘南ベルマーレ)
MF 原川力 (愛媛FC)
(
後編)に続く。
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