■ サウジ戦のメンバーが決定アジアカップ予選のサウジアラビア戦のメンバーが発表された。今回、初選出されたのは、本田圭祐(名古屋)、前田遼一(磐田)、野沢拓也(鹿島)、高松大樹(大分)の4人。五輪世代の青山直晃(清水)と伊野波雅彦(東京)の二人も選ばれた。ざっと見ると、かなり若返った印象をもつ。フィールドプレーヤーで、70年代生まれは、三都主と羽生の二人だけである。
注目されるのは、初代表の4人となるが、前田・高松・本田の3人は、これまで何度か、代表入りを期待していた選手で、ようやく選ばれたかという印象で、野沢にしても、小笠原の移籍後の鹿島を支える存在となっており、おかしな選考ではない。
前田遼一(ジュビロ磐田)柔らかいタッチのボールコントロールで、前線の起点になれる存在。長身だがそれほどヘディングに強いわけではない。ターゲットマンタイプではなく、足元でボールを受けて展開するプレーが持ち味。シュートテクニックもあり、今シーズンのJリーグでも印象的なゴールを数多く見せている。→ トルシエ時代の2001年に代表候補に選出されたことがあるが、代表キャップはまだない。今回選ばれた5人のうち、高松・巻・我那覇はファーストトップで、佐藤寿人がセカンドトップタイプ。前田は、ファーストトップでも、セカンドトップでも、どちらでも持ち味を発揮できる選手だが、2トップの一角で、巻や我那覇と2トップを組んだら、面白いのではないかと思う。
我那覇は好調を維持しているが、巻や田中達也が調子を落としており、使える駒が少ないフォワード陣にあって、万能選手の前田は日本代表の中心になりうる選手だと思う。個人的には、大きな期待をかけている。
本田圭祐(名古屋)正確無比な左足をもつ五輪世代のレフティ。本人はトップ下でのプレーを熱望しているが、名古屋では左ウイングバック(ときには、左サイドバック)でプレーすることがほとんどである。182cmと長身でフィジカルが強いが、スピードには欠けるため、守備に不安はあるが、それを補って余りあるほどの攻撃的センスをもつ。ビッグマウスでも有名。→ 待望の代表選出となった。運動量があるわけではないので、オシム好みの選手ではないとして選考されることはないのでは、という意見もあった。ただ、最近は、守備面でも急成長を見せており、オシム監督も無視できる存在ではなくなったなかったということだろうか。
3バックなら左ウイングバック、4バックなら左サイドハーフ(左サイドバック)での器用が考えられる。ポジション的には、三都主とかぶるが、オシム監督なら左サイドで、三都主と本田を併用させるアイディアもあるのではないかと推測する。
本田は、キープ力があって、人を使うのがうまいので、三都主の能力を、よりいっそう生かすことができるかもしれない。本田がどのような起用をされるのか、興味深い。
野沢拓也(鹿島)昨シーズンは10得点を挙げた鹿島の攻撃的MF。パスセンスもあるが、最大の魅力は決定力。MFとしては異例の決定力をもち、フォワードで起用されることもしばしば。小笠原移籍後は、チームを引っ張るリーダーになっている。→ 攻撃的MFには多くの選手が試されているので、野沢の選出も活躍度を考えると、不思議ではない。鹿島のチーム状態は決して良くはないが、野沢のプレー内容は悪くない。
下がってボールを受けて展開するタイプではなくて、スペースに飛び出してボールを受けて仕事をするタイプなので、司令塔というよりは、アタッカーという感じである。ライバルは、羽生ということになるだろう。どれだけ、アピールできるのか、注目したい。
高松大樹(大分)アテネ五輪代表のストライカー。身体能力が高く、ポストプレーが得意。以前は、決定力に欠けるきらいもあったが、今シーズンは大分でも得点を重ねており、納得の代表初選出となった。→ 巻と我那覇についで、3人目のターゲットマンになる。二人が、明確なアピールが出来ていない状態で、入り込む隙は十分にあると思う。
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