■ 第24節J1の第24節。9勝6敗8分けで勝ち点「35」のサガン鳥栖と、6勝11敗6分けで勝ち点「24」のガンバ大阪がベストアメニティスタジアムで対戦した。G大阪は、長らく降格圏に沈んでいたが、ここ5試合は3勝2分けと勝ち点を稼いでいて、新潟と大宮を抜いて15位に浮上した。
ホームの鳥栖は「4-2-3-1」。GK赤星。DF丹羽、キム・クナン、呂成海、磯崎。MF藤田、岡本、早坂、池田、金民友。FW豊田。エースストライカーのFW豊田は22試合で8ゴールを挙げている。ロンドン世代で5ゴールを挙げているMF水沼はベンチスタートとなった。
対するアウェーのG大阪は「4-2-2-2」。GK藤ヶ谷。DF岩下、丹羽、今野、藤春。MF明神、遠藤、二川、倉田。FW佐藤晃、パウリーニョ。2年ぶりにチームに復帰してきて、5試合で6ゴールと救世主になっているFWレアンドロは怪我のため欠場で、FWパウリーニョがスタメンとなった。
■ 鳥栖が快勝!!!試合は開始2分にホームの鳥栖が先制する。ゴールやや左寄りの絶好の位置でFKを得ると、キャプテンのMF藤田が右足で直接決めて先制に成功する。MF藤田は今シーズン5ゴール目となった。さらに、前半終了間際にも、DF丹羽のクロスからMF金民友が頭で折り返したボールをFW豊田が頭で押し込んで、鳥栖が2対0とリードを広げて前半を折り返す。
後半も鳥栖のペースで進んでいく。後半7分には、左サイドを突破したMF金民友のグラウンダーのクロスにMF池田とMF早坂がうまく絡んで、最後はフリーになったFW豊田が右足で確実に決めて3点目を挙げる。FW豊田は2ゴールの活躍で、トータルで10ゴール目となった。
ビハインドのG大阪は、後半16分にMF二川と倉田を下げて、MF家長とMF横谷を投入。すると、MF家長が絡んでチャンスを作るようになる。反撃のゴールが決まったのは後半29分で、CKの流れからボランチのMF明神が決めて2点差に迫る。この試合が450試合目の出場となったMF明神は、今シーズン初ゴールとなった。
2点リードの鳥栖は、後半33分にMF池田に代えてDF小林久を投入し、得意の5バックに変更して逃げ切りを図ると、後半終了間際にMF藤田のCKを守備固めで起用されたDF小林久がヘディングで決めて4対1とリードを広げる。DF小林久は今シーズン2ゴール目となった。
結局、試合は4対1でホームの鳥栖が大勝し、勝ち点「38」に到達。J1残留の目安とされる勝ち点は「37」と言われているので、10試合を残して「37」をオーバーして、J1残留は「ほぼ確実」となった。対するG大阪は、FWレアンドロの不在の穴を埋められずにまさかの大敗となった。
■ 残留ほぼ確実今シーズン最高の2万人近くの観衆が集まったホームゲームで、鳥栖が好調のG大阪に4対1で勝利した。G大阪は、最近、攻撃陣が大爆発していて、ここ4試合で17ゴールを奪っているが、MF藤田の芸術的なFKで先制すると、その後も、効果的な時間帯に追加点のゴールを奪って、危なげなく逃げ切った。
先制のFKを決めたボランチのMF藤田は、13節に万博で行われたアウェーゲームも2ゴール1アシストの大活躍を見せたが、この日も、1ゴール1アシストとチームを引っ張った。長男が生まれたばかりということで、チームメイトは「ゆりかごダンス」を用意していたが、開始早々に自分でゴールを決めて、パフォーマンスを披露することになった。
前述のとおり、これで鳥栖は、J1残留の安全圏と言える勝ち点「38」に到達したが、これほど、J1で好成績を残すとは想像できなかった。近年は、広島・C大阪・柏と、昇格1年目のチームの躍進が目立っているが、この3チームはJ1経験の豊富なクラブなので、初昇格の鳥栖とは事情は異なる。
継続路線でJ2時代にやって来たサッカースタイルが、そのまま、J1でも通用したことが好成績の理由の1つと言えるが、MF岡本とMF藤田のダブルボランチが攻守両面で活躍しており、チームに落ち着きをもたらしている。上のカテゴリーに上がったとき、「難なく通用する選手」と「相当に苦しむ選手」の2パターンに分かれるが、2人とも、J1レベルでも戸惑うことなくプレーできている。
■ 1対4の敗戦対するG大阪は、ここ数試合、いい流れで来ていたので、自信を取り戻しつつあったが、1対4というショッキングな敗戦となった。エースのFWレアンドロの不在も大きくて、試合の流れをつかめなかったが、次の25節は、当面のライバルの新潟とホームの万博で対戦する。ここで勝つことが出来れば、かなり有利になるので、早く気持ちを切り替えたいところである。
開始2分にフリーキックを決められて出鼻をくじかれたが、ビハインドになっても、ペースアップできなかった。それぞれの選手の動き自体は悪くはなかったと思うが、チーム全体が前向きになるようなプレーがなくて、テンションが低いままで時間が進んで、前半の終了間際に中盤のつなぎのミスから2点目を奪われてしまった。
開幕から不安定だった最終ラインは、清水から獲得したDF岩下を右SBに入れたことで、良くなってきているが、肝心なところで集中力が欠けてしまう癖は、依然として残っている。22節の名古屋戦は5対0、23節の札幌戦は7対2というスコアで、守備的なポジションの選手にとっては、相当に楽な試合が続いていたので、1点勝負の試合になったとき、ボロが出ないかどうかは、心配されるところである。
■ クオリティーの低い実況この試合の実況を担当したのは、FBS福岡放送の松井礼明アナウンサーだったが、相当なレベルアップが必要である。最近になって、サガン鳥栖のホームゲームの実況を担当するようになったが、日本テレビ系列のスポーツ実況アナの悪いところを凝縮したようなスタイルである。
一番、気になるのは、しゃべり過ぎるところで、黙っている瞬間がないのでは?と思うほど、しゃべり続けているが、ラジオ中継ではないので、ずっとしゃべり続ける必要はない。また、解説を担当した久永氏に質問を浴びせる回数が多いが、久永氏が回答に困るようなピントの外れた質問であったり、聞くまでもないような当たり前の質問がほとんどである。
1999年に入社しており、ソフトバンクホークスの試合の実況を担当することもあるということで、キャリアのあるアナウンサーで、頑張って実況している様子はうかがえるが、余分なことや余計なことをしゃべり過ぎて、大事なところや本当に伝えたいことが、視聴者に伝わっていないように思う。
スカパーの鳥栖戦の実況アナウンサーというと、南鉄平アナというイメージが強いので、比較されて大変だと思うが、地上波とは違って、スカパーの場合は「有料放送」なので、クオリティーが低いのは問題である。不慣れなことが原因であって、今後、改善される見込みがあるのであれば、我慢することもできるが・・・。
関連エントリー 2008/05/04
カリスマ:山本浩アナの名フレーズを堪能する。 2008/06/03
【鳥栖×福岡】 いつかの夢に向かって・・・ (生観戦記 #7) 2009/02/07
日本のサッカーマスコミに望むこと 2009/12/11
日本のサッカー解説者(25名)を勝手に評価する (2009年版) 2010/11/05
日本のサッカー解説者を勝手に評価する (2010年版) 2011/04/08
日本のサッカー解説者を勝手に評価する (2011年版) 2012/06/05
テレビ朝日とサッカー中継の進化
- 関連記事
-