ゴールキーパー ・林彰洋 (清水 : オーバーエイジ)
・権田修一 (FC東京)
・増田卓也 (広島)
・安藤駿介 (川崎F)
→ サプライズでGK林(清水)を選出してきた。トゥーロン国際大会ではGK安藤(川崎F)がゴールを守ったが、3試合で7失点と守備陣を統率しきれず、「もし、GK権田に何かアクシデントがあったら、大変なことになる。」という判断が下されたのだろう。五輪世代の中で、安心してゴールを任せることのできるキーパーがGK権田以外にいないことを考えると、このポジションでオーバーエイジ枠を使うのは、妥当な判断に思える。
貴重なOA枠をGKに使わざる得ないことは、好ましいことではないが、現状では仕方がないだろう。本大会で、GK安藤やGK増田といったJリーグの経験がほとんどない選手にスタメンを任せるのは、相当なギャンブルである。GK林が選出されたことについて、GK権田はショックを受けていると思うが、GK権田の実力に問題があったわけではなくて、セカンドキーパー以下の選手の経験や能力を不安視した上での判断だと思うので、気にする必要はないだろう。
ということで、日本代表に招集された経験のあるGK林とGK権田の二人が選出されたが、この土壇場に来て、二人でポジション争いをさせることは、プラス面よりも、マイナス面の方が大きい。したがって、このまま、GK権田に怪我等が無くて、コンディションに問題がないのであれば、GK林を招集する必要はなくて、GK権田とGK安藤の二人が18人枠に入って来るだろう。そして、GK権田にアクシデントが発生した場合のみ、GK林とGK安藤となるだろう。
GK林をチョイスしたことは、かなり驚いたが、ロンドン世代と年齢が近くて、2007年のカナダU-20W杯の日本代表の守護神で、今後、フル代表に定着していくことが期待される選手ということを考えると、妥当な選考にも思える。GK林を招集しなくてもいい場合に備えて、「もう一人、OAの選手を選出しておけばよかったのでは?」という意見もあるが、そうなると、そのOAの選手は、中途半端な立場になるので、現実的には難しい。清水側とうまく意思疎通できていない点は、問題であるが、非常事態を想定して、GK林を選出したことは、評価できる。
ディフェンダー ・徳永悠平 (FC東京 : オーバーエイジ)
・吉田麻也 (VVV : オーバーエイジ)
・實藤友紀 (川崎F)
・比嘉祐介 (横浜FM)
・大岩一貴 (千葉)
・山村和也 (鹿島)
・鈴木大輔 (新潟)
・吉田豊 (清水)
・酒井宏樹 (柏)
・濱田水輝 (浦和)
・酒井高徳 (シュツットガルト)
→ 「6枠」程度になることが予想されるが、DF徳永、DF吉田麻、DF酒井宏の3人は当確で、DF酒井高も、シュツットガルトに拒否されない限り、まず間違いなく18人枠には入ってくるだろう。となると、残りは「2枠」で、DF實藤、DF比嘉、DF大岩、DF山村、DF鈴木、DF吉田豊、DF濱田の中から2名を選出することになる。
まず、センターバックは、OAで、DF吉田とDF徳永の二人が加わってきたので、予選でレギュラーを務めたDF鈴木とDF濱田の二人は、厳しい立場に追い込まれた。トゥーロン国際大会での起用方法を見ると、DF鈴木が18人枠に入ってきて、DF濱田が落選となりそうだが、DF濱田の185センチの高さとフィード力は魅力である。予選でコンビを組んだ二人が、18人枠を巡って争う形になってきた。
DF鈴木 or DF濱田を選出すると、残り1枠となるので、DF實藤、DF比嘉、DF大岩、DF山村、DF吉田豊の5人で、ラスト1枠を争うが、手薄なのは、左サイドバックである。DF徳永やMF扇原は左SBでもプレーできるが、専門と言えるのは、DF酒井高だけである。もし、左利きの選手がいれば、優先したいところであるが、右利きの選手ばかりなので、本当に難しいところである。
常連組のDF比嘉とDF山村、コンスタントに呼ばれてきたDF吉田豊とDF大岩、ここ最近は招集されていなかったDF實藤と、それぞれ立場も異なる。最終ラインならば、どこでもプレーできるユーティリティーなDF徳永が加わったことで、いろいろな選択肢が出てきたので、18人枠を巡る争いも熾烈である。
最終的に、関塚監督がサイドバックのDF比嘉やDF吉田豊を選出するのか、それとも、センターバックもできるDF實藤やDF大岩を選出するのかで、関塚監督がどこを重視しているのか、見えてくるだろう。予選でキャプテンを務めたDF山村の立場は、非常に厳しいと思うが、ボランチでもプレーできることは、アピールポイントになる。
(本番では、CBのレギュラーで起用されると思うが、)緊急時には、本職の右SBでもプレーできるDF徳永がOAで入って来たため、「右SBでもプレーできる。」という要素は、アピールポイントとしては、弱くなる。そう考えると、DF大岩の立場はやや苦しくて、左右両サイドバックを遜色なくこなせて、DF酒井高から左SBのレギュラーポジションを奪う可能性を持つDF吉田豊が、一歩リードしているように思うが、それでも、大きな差はない。
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