■ 第20節ブンデスリーガの第20節。2位のドルトムントがアウェーで13位のニュルンベルクと対戦。ドルトムントは12勝3敗4分けで勝ち点「40」。ニュルンベルクは6勝10敗3分けで勝ち点「21」。ドルトムントは、最近13試合で10勝3分けと負けなしが続いている。対するニュルンベルクは、ウインターブレーク明けは1勝1敗。11月以降は、勝ったり、負けたりを繰り返している。
ホームのニュルンベルクは「4-2-3-1」。GKシェファー。DFフォイルナー、マロフ、ヴォルスハイト、フルシェク。MFシモンズ、コーヘン、ヘゲラー、ディダヴィ、アイグラー。FWペクハルト。チェコ代表のFWペクハルトは17試合に出場して4ゴールを挙げている。DFフォイルナーは昨シーズンまでドルトムントでプレーしていた。
対するアウェーのドルトムントは「4-2-3-1」。GKヴァイデンフェラー。DFピズチェク、スボティッチ、フメルス、シュメルツァー。MFベンダー、ケール、ブラスチコフスキ、香川真司、グロスクロイツ。FWレワンドフスキ。ポーランド代表のFWレワンドフスキは19試合に出場して14ゴールを挙げている。MF香川とMFグロスクロイツはリーグ戦で6ゴールを挙げている。MFギュンドガンは古巣との対戦となった。
■ ドルトムントは4連勝!!!試合の序盤はホームのニュルンベルクのペースで進む。ドルトムントを上回る強烈なプレッシャーをかけてきて、試合の主導権を握る。前半11分には、DFフルシェクの左コーナーキックからMFシモンズがヘディングでゴールを狙うが、ゴールライン上にポジションを取っていたMF香川が間一髪クリアして先制ならず。ドルトムントも、前半20分当たりをを過ぎた頃からチャンスを作り始めて、前半36分には左サイドのMFグロスクロイツのクロスをMF香川がアウトサイドで合わせるが、シュートが弱くてGKに防がれる。前半は0対0で終了する。
先制したのはドルトムントで、後半3分に途中出場のMFライトナーの絶妙のスルーパスを受けたDFピズチェクがゴール前に折り返して、走り込んできたMFケールが左足で決めて先制に成功する。MFケールは、今シーズン2ゴール目。その後は、リードを奪って心理的に余裕が出てきたドルトムントがリズムをつかむ。ダメ押しゴールが決まったのは後半37分で、MFグロスクロイツのパスを受けたMF香川がフリーでシュートを放ち、GKがはじいたボールを途中出場のFWバリオスが押し込んで2点目を挙げる。パラグアイ代表のFWバリオスは今シーズン初ゴールとなった。
結局、試合は「2対0」でドルトムントが勝利して4連勝を達成。勝ち点を「43」に伸ばして暫定で首位に立った。MF香川はゴールこそならなかったが、先発フル出場でチームに貢献した。一方のニュルンベルクはいい内容の試合を見せたが、勝ち点を取ることはできなかった。
■ ドルトムントは苦戦するも・・・ドルトムントは、ハンブルガーSVを5対1、ホッフェンハイムを3対1で下した前の2試合ほど、楽な展開にはならず、苦しい試合となった。マイナス11℃という厳しい気象条件で、ホームのニュルンベルクが勢いよく迫ってきたので、立ち上がりの20分ほどは押され気味となった。連続してセットプレーを許して、先制ゴールを奪われてもおかしくないシーンもあったが、失点することなく、凌いだことが勝ち点「3」につながった。
ニュルンベルクは前半から飛ばしていたので、前半途中から少しペースが落ちてきたが、前半22分にMFベンダーが負傷してMFライトナーが投入されたことも、試合の流れを変える要因になった。ニュルンベルクは、序盤からDFフメルスのフィードを警戒して、DFフメルスのところをしっかりとフォワードがチェックし、DFスボティッチのところからドルトムントの攻撃がスタートするように、考えた守備をしてきたが、DFスボティッチがフィードのときにアイディアに欠けて、簡単に前にボールを蹴ってしまってボールを失うことが多かった。
ドルトムントの最大の武器といえるのが、圧倒的な運動量を生かした強烈なプレッシングであるが、反対に、相手にプレッシャーをかけられると、脆さを見せるときが多い。その点がヨーロッパのステージで勝ち抜けない要因の1つになっており、FWレワンドフスキにしても、FWバリオスにしても、単純なハイボール勝負で競り勝てるほどの強さや高さは持ち合わせておらず、波状攻撃を食らうシーンが増えてしまう。国内リーグになると、ドルトムントのプレッシャーを破ることのできるチームは少ないので、大きな問題にはならないが、来シーズンまでの改善点といえる。
■ 主砲・バリオスが初ゴール先発出場したMF香川は、この試合でも、切れのある動きを見せた。決定機も2度ほどあったので、決めておきたかったところであるが、ドルトムントのビッグチャンスのほとんどに絡んでいて、相変わらず、質の高いプレーを見せた。ハンブルガーSV戦でも、ホッフェンハイム戦でも、何度か見られたが、中盤で簡単にワンタッチではたいて、攻撃をスピードアップさせるプレーが絶妙で、運動量も申し分なかった。
ドルトムントにとっても、MF香川にとっても、今後に向けて大きいと思われるのが、FWバリオスが今シーズン初ゴールを決めたことで、MF香川のシュートがGKに防がれたところを押し込んで、貴重な追加点となる2点目のゴールをマークした。このシーンは、競り合いからMF香川が右サイドでボールを受けて、その後、FWバリオスが起点となって左サイドのMFグロスクロイツに展開しているが、こういう味方を使うプレーが上手なのが、FWバリオスの特徴である。
FWバリオスはコパ・アメリカの決勝戦で負傷して長期離脱し、その間に、FWレワンドフスキにポジションを奪われてしまった。出場機会も短いので、コンディションも上がって来ず、今シーズンはほとんどチームに貢献できず、今冬の移籍で退団する可能性もあったが、ドルトムントにとっては、1トップ役をこなせるのは、FWレワンドフスキとFWバリオスしかいないので、退団していると大ダメージとなるところだった。前半戦は出場機会が少なくて、モチベーションを落としているように思えたが、このゴールで精神的にも楽になって、パフォーマンスも、コンディションも上がってくるだろう。
MF香川にとっては、ポジションを争うライバルにも成りうるが、FWレワンドフスキとコンビを組むときよりも、FWバリオスと組んだ方が、いいパスが出てくるので、シュートチャンスも増えると思われるので、完全復活を期待したいところである。
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