■ フットサルに挑戦元日本代表で横浜FCの三浦知良がフットサルに挑戦し、Fリーグのエスポラーダ北海道の選手として、ペスカドーラ町田戦に出場した。三浦知良は先発で出場し、ゴールこそならなかったが、序盤から積極的にシュートを放って、満員の観衆を沸かせた。
数年前から、「カズがフットサルに挑戦するのでは?」と言う話が出ていたが、今回、ようやく、その話が実現した。この試合は、BS日テレで生中継されて、夜のスポーツニュースでも大きく取り上げられるなど、フットサルとしては、これまでにないほどの注目を集めて、日本のフットサル界にとっても、歴史的な日となったが、この試合でフットサルの魅力を感じた人は多かったのでは?と思う。
サッカーと比べると、フィールドが狭くて、ボールも小さく、選手交代も自由ということで、スピード感があって、ゴール前のシーンも多い。また、プレイスキックのときに、素早くリスタートしないと相手ボールになるというルールもあって、スピーディーな展開で試合が続いていく。プレーできるのは、ゴールキーパーを含めても5人だけなので、一人でも守備をさぼってしまうと、すぐに大ピンチになってしまうので責任も重大で、逆に、対面する選手を個人技で抜くことができると、大チャンスとなる。
試合時間は20分ハーフなので、45分ハーフのサッカーと比べると、かなり短いように思うが、ボールが外に出たときは時計が止まるので、実際には、もっと試合時間は長くなる。ということで、長すぎず・短すぎずの適度な試合時間であり、フットサルのファンの中には、「いつも、フットサルを観ていていて、たまに、サッカーを観ると物足りなく感じる。」という方もいることだろうと思う。
■ Fリーグとは?カズが参戦したFリーグは、2007年にスタートした全国規模のフットサルリーグで、エスポラーダ北海道、ステラミーゴいわて花巻、バルドラール浦安、府中アスレティックフットボールクラブ、ペスカドーラ町田、湘南ベルマーレ、名古屋オーシャンズ、シュライカー大阪、デウソン神戸、バサジィ大分の計10チームで構成されている。過去4年間は、いずれも名古屋オーシャンズがリーグ優勝を飾っている。
今年も、名古屋オーシャンズが18勝4敗1分けの成績で首位を走っているが、23試合で95得点・46失点なので、サッカーと比べると、1試合当たり、2倍程度のゴールが生まれることになる。この試合に登場したペスカドーラ町田は9勝12敗2分けで8位、エスポラーダ北海道は7勝13敗3分けで9位なので、下位に低迷しているが、ホームの試合には、1000人~2000人程度の観衆を集めており、まずまずの盛況ぶりである。
また、今年は、11月にフットサルのワールドカップがタイで開催される予定になっている。5月にW杯のアジア予選を兼ねたアジア選手権が開催されて、ここで4位以内に入ると出場権を獲得できる(※ W杯の開催国のタイが4位以内に入ったときは5位でもOK)ということで、フットサル界にとっても大事な一年となる。
■ フットサルの日本代表入りも・・・試合の翌日は、「カズがフットサルの日本代表に選ばれるかもしれない。」という話も出ていた。サッカーのW杯は未経験のカズが、フットサルの日本代表として、W杯のピッチに立つ可能性が出てきたというのは、何とも夢のある話であり、続報を待ちたいところである。
正直、カズがフットサルの日本代表に選ばれるほどのレベルにあるのかは分からないが、注目度の上がりにくい日本のフットサルにとっては、悪い話ではないようにも感じる。もちろん、箸にも棒にもかからないレベルであれば、誰かの枠を奪って代表入りすることになるので、好ましい話とは言えないが、こういう形でカズがフットサルに関わることで生まれるプラス効果は計り知れないものがある。今回、カズがフットサルに挑戦するということで、初めてフットサルの試合を生で観たり、テレビで観た人は多かっただろうし、「日本にフットサルのリーグがある。」ということを知った人も少なくないだろう。
当然、「フットサルの試合に出ている場合ではないだろう。」とか、「客寄せパンダだ!!!」という批判もあるだろう。本人も、そういった声があることは、重々承知していると思うが、これらの声を受け止めつつ、自分に何ができるか、どういう形でサッカーに貢献できるかを理解して行動できる点はカズの凄さであり、偉大さである。相当なリスクの伴う挑戦なので躊躇してしまいがちであるが、周囲の評価に惑わされず、「自分」を持っているからこそできるチャレンジなのだろう。
■ 勝負の2012年ただ、カズも2月26日で45歳となる。昨シーズンは、横浜FCで30試合に出場してノーゴールに終わった。スタメンも18試合あって、出場時間も2010年シーズンと比べると激増しているので、結果を残したいシーズンだったが、期待に応えることはできず、チームも18位と低迷した。「フォワードではなく中盤で起用されることも多かった。」というエクスキューズもあるが、不本意なシーズンであり、残念なシーズンになってしまった。
カズという選手は、40代を超えても、「年齢のわりには。」という形容詞が不必要なほど体もキレていて、運動量もあって、チームの戦力になっていたが、昨シーズンは、ブレーキになることも多かった。彼自身が、特別扱いされることを何よりも嫌っていると思うので、今年も、同じようなパフォーマンスに終わるようだと、現役を続けることも厳しくなる。よって、勝負のシーズンとなるので、温かい目と厳しい目の両方をもって、45歳のシーズンを見守りたいところである。
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