■ 4月23日に再開中断していたJリーグは4月23日に再開する。J2は、2節、3節、4節、5節、6節、7節が延期となっていて、8節からのスタートとなる。どのチームも久々の公式戦となるため、コンディション調整がうまくいっているかどうかが、気になるところで、開幕戦で苦杯を舐めたチームも立て直す期間があったので、様変わりしている可能性もある。これまでに例のないシーズンとなっており、チームの総合力が問われることになる。
8節は、23日の土曜日に5試合、24日日曜日に5試合が予定されており、J1と合わせて、全国各地で19試合が行われる予定になっていて、日本にも、「サッカーのある週末」が戻ってくる。
■ 昇格候補が激突J2の10試合の中でもっとも注目を集めるのは、フクアリで行われるジェフ千葉とFC東京の試合だろう。ともに昇格候補で、2年ぶりの対戦となるが、過去には「フクアリの奇跡(2008年)」など打ち合いになることが多く、第三者的に見ると「エキサイティングな試合」が多い好カードである。
アウェーとはいえ、戦力で上回るFC東京が優勢となる展開が予想されるが、FC東京は、軸のFW平山相太が骨折のため離脱しており、前線の核を失った。J2レベルを超えた選手層の厚さを誇るFC東京であるが、FW平山は、唯一といっていいほど「代えの効かない存在」なので、彼の穴をどう埋めるのかというのが大注目である。前述の「フクアリの奇跡」で2ゴールを挙げてヒーローとなったFC東京のMF谷澤は古巣のジェフ千葉とは初対戦となる。
対する千葉は、開幕戦は204㎝のノルウェー人FWオーロイの活躍で3対0で勝利。好スタートを切っているが、内容的には今一つだった。優勝候補筆頭のFC東京を独走させないためにも、ホームで叩いておかないといけない試合である。2008年以降、FC東京との試合は3勝1分けと相性はいい。DF森重とDF今野という日本代表クラスのCBコンビが、FWオーロイをどのように封じるのかも、見どころである。
■ 湘南は札幌と対戦もう1つの注目カードは、コンサドーレ札幌と湘南ベルマーレの対戦。ファジアーノ岡山との開幕戦で5対0と大勝した湘南は1節を終えて首位に立った。その勢いのまま、スタートダッシュしたかったところであるが、リーグ戦が延期になったため、勢いは削がれる形になった。ただ、いい形で開幕戦を終えたため、チームのムードはいいだろう。開幕戦で2ゴールを決めたFW佐々木、フォワードで奮闘したFW巻らの活躍に期待がかかる。
一方の札幌は、アウェーとはいえ愛媛FCに0対2で完敗。C大阪から移籍のDF山下ら新戦力がフィットせず、最悪のスタートとなったが、1か月半の間に修正出来ているかどうか。北海道は日本ハムに入団した「斎藤佑樹」で盛り上がっている中、遅れを取るわけにはいかない。2年連続でJ1昇格に失敗しており、スタートダッシュに失敗するようだと、大幅なテコ入れも必要となる。
■ 因縁の対決今節は「因縁対決」が多いが、もっとも熱くなりそうなのは、横浜FCのサガン鳥栖のカード。岸野チルドレンをかき集めた横浜FCはスタメンを見ると「サガン鳥栖のスタメンかな?」と見間違えるほど、元サガン鳥栖の選手がスタメンに名を連ねる。開幕戦のスタメン・ベンチ入りメンバーを見ると、DF飯尾、DF柳沢、FW藤田祥、MF野崎、MF高地がの5名が、岸野監督が鳥栖で指揮を執った時代に鳥栖でプレーしていた選手で、さらに、ベンチ外となったMF武岡、DF渡邉も同様である。
対する鳥栖のメンバーの中で、当時の主力で今もチームに残っているのはGK室くらいになっているが、選手を引き抜かれた側の鳥栖にとっては、意地でも負けられない試合である。なお、横浜FCは、横浜FCは外国人トリオが怪我で離脱しており、戦力ダウンが必至。44歳のFW三浦知にも出番はあるだろう。
また、J2で2年目のギラヴァンツ北九州と、J2で1年目のガイナーレ鳥取の注目のカード。北九州は、2010年の第3節以来勝利がなく、Jリーグワースト記録を更新しているが、ホームでJリーグの後輩チームに負けることは許されない。三浦泰年監督の手腕に期待がかかる。鳥取は、開幕戦は徳島ヴォルティスに0対1で敗れたが、内容的には互角で、トレーニングマッチの内容も悪くはない。Jリーグ初勝利が期待される試合となる。
■ 同期対決また、ロアッソ熊本とFC岐阜、カターレ富山と栃木SCのカードは同期対決となる。ともに、同じ年にJ2に昇格したクラブには負けられないが、昨シーズンの順位では、熊本が7位でFC岐阜が14位、富山が18位で栃木SCが10位と少し差が付いており、熊本と栃木はJ1昇格を現実的な目標としてシーズンを迎えている。熊本も、栃木SCも、開幕戦は勝利で飾っており、同期を叩いて波に乗りたいところである。
注目はカターレ富山。ホームの開幕戦で、土・日の19試合の中で、唯一のナイトマッチとなるが、<3-3-3-1>のシステムが成熟しており、先日のトレーニングマッチでは、J1のアルビレックス新潟に0対0と健闘。開幕戦でゴールを決めたエースのFW苔口に期待がかかる。
■ 水戸はホームゲームでスタート一方、今回の大震災で大きな被害を受けた水戸ホーリーホックは、ホームのケーズデンキスタジアムに徳島ヴォルティスを迎える。J2は東北地方にクラブはないため、J2の中では水戸がもっとも大きな被害を受けたクラブとなる。
地震の影響で、ケーズデンキスタジアムはメインスタンドが使用不可となているが、何とか試合は開催できる状態となった。元日本代表のキャプテンの柱谷哲二を招聘し、開幕戦は白星スタートを飾ったが、経営的にも苦しい中、勝つことで存在感を発揮し、苦境を乗り越えたいところである。対する徳島は、開幕戦で決勝ゴールを決めたMF柿谷曜一朗に注目したいところである。
■ 出遅れた昇格候補昇格候補といわれながら、開幕戦で水戸に敗れて黒星スタートとなったのが京都サンガで、今シーズンから元ヴァンフォーレ甲府の大木監督を迎えて、<3-3-3-1>のような戦い方に挑戦している。
開幕戦を見る限り、まだまだ完成度は低く、序盤は苦しみそうだったので、リーグ戦が延期になったのは、京都にとってはプラスに働きそう。ホームの西京極に、開幕戦で0対5と完敗を喫したファジアーノ岡山を迎えるが、確実に勝って、勢いをつけたいところ。FW宮吉、MFチョン・ウヨン、DF内野、DF福村ら若い選手が多いので、結果を残して自信をつけたい。
また、昨シーズン5位の東京ヴェルディも黒星スタートとなった。熊本との開幕戦ではFWマラニョンら攻撃陣が不発で0対1で敗れたが、川崎フロンターレに移籍したMF柴崎の穴を埋められていなかった。プラチナ世代でユース出身で18歳のMF小林祐希に期待したいところである。
■ 復活を期す選手J2の第1節では、徳島ヴォルティスのMF柿谷曜一朗、大分トリニータのFW森島康仁、カターレ富山のFW苔口といった若年層の代表チームで活躍した「元・期待の若手」がゴールを挙げる活躍を見せたことも話題を集めた。
特に、大分トリニータは元日本代表の田坂監督を迎えて、全く新しいスタートを切ったが、FW岐阜との開幕戦でゴールを決めたのは、2008年には日本代表にも召集されたFW森島康仁であった。186㎝の高さに加えて、運動量もあって、「逸材」と言われた「デカモリシ」が復活するのかどうか。大分は大分銀行ドームにザスパ草津を迎えてホーム開幕を行う予定になっている。
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