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【清水×C大阪】 2ゴールを演出！DF山中亮輔の左足とクロスにはロマンがある。 | | |　

■　J1の第4節

J1の第4節。1勝1敗1分けの清水エスパルスはホームのIAIスタジアムでセレッソ大阪と対戦した。C大阪は3試合を終えて0勝1敗2分け。リーグ戦では未勝利となる。清水は2節は磐田との静岡ダービーを制したが3節はアウェイで横浜FMに敗れた。両チームの対戦はホームチームが勝利するケースが多くなっており、清水はヤンマースタジアム(キンチョウスタジアム)、C大阪はIAIスタジアムを苦手にしている。

ホームの清水は「4-2-2-2」。GK権田。DF原輝綺、井林、鈴木義、片山瑛。MF竹内涼、白崎、高橋大、山原。FW鈴木唯、神谷優。FWチアゴ・サンタナ、MF松岡大、DFヴァウド、MFヘナト・アウグスト、FWディサロ・燦・シルヴァーノは開幕から欠場が続いている。CF系の選手はベンチを含めてもゼロ。SBが本職となる大卒ルーキーのMF山原はサイドハーフ起用が続いている。DF片山瑛やDF岸本は古巣対決となる。

アウェイのC大阪は「4-2-3-1」。GKキム・ジンヒョン。DF松田陸、西尾、鳥海、山中。MF原川、奥埜、中原輝、清武、為田。FW山田寛。MF乾は怪我のため欠場。U-21日本代表の合宿を怪我の影響で辞退したDF西尾は何とか間に合った。練習に合流したDFマテイ・ヨニッチはまだベンチ外。DF山中、MF為田、FW山田寛の3人が今シーズン初スタメン。注目が集まる17歳のFW北野颯はベンチスタートとなった。

■　鬼門だったIAIスタジアム日本平で久々の勝利

試合はC大阪ペースになった。前半10分にCKからDF鳥海がヘディングでゴールを脅かした。清水は前半32分にFW神谷優が左足でシュートを放ったがキーパーにキャッチされた。0対0のままでハーフタイムに突入しそうな流れだったが前半45分に左SBのDF山中が縦に仕掛けてからクロスを入れるとニアサイドに入ってきたFW山田寛の近くにいた清水の選手に当たってゴールイン。C大阪が先制に成功する。

1点を追う清水は後半9分にFW神谷優の絶妙なスルーパスを受けたMF高橋大が得意の左足で流し込んで1対1の同点に追いついた。過去2年半は北九州で主力として活躍したレフティのMF高橋大は嬉しいJ1初ゴールとなった。追いつかれたC大阪だったが直後の後半12分に左SBのDF山中が高精度のクロスを入れるとゴール前に残っていたボランチのMF奥埜が合わせてすぐさま2対1と勝ち越しに成功する。

さらに後半38分にはMF奥埜が中盤でボールを受けて相手をかわしてから裏のスペースにパスを出すといいタイミングで抜け出したFW上門が流し込んで大きな追加点を奪った。FW上門も嬉しいJ1初ゴールとなった。3対1で勝利したC大阪は4試合目にして今シーズン初勝利。1勝1敗2分けとなった。敗れた清水は2連敗。1勝2敗1分けとなった。C大阪は鬼門だったIAIスタジアム日本平で久々の勝利をつかんだ。

■　2つのゴールを演出したDF山中亮輔

ともにJ2だった2016年はC大阪がIAIスタジアムで勝利したがJ1での対戦に限定すると2004年以来。18年ぶりの勝利となった。大の苦手にしているアウェイの清水戦で勝利したC大阪はようやくの今シーズン初勝利となったが抜擢された選手が活躍した。開幕から低調で「MF鈴木徳を使った方がいいのでは？」という声が大きくなる中、変わらず起用されたMF奥埜が1ゴール1アシスト。勝利の立役者になった。

試合を決める3点目のゴールを奪ったのは途中出場したFW上門だったがJ1初ゴールとなった。得意にしている飛び出しからのゴールとなったがルヴァン杯の初戦のG大阪戦(A)でもゴールを決めている。リーグ戦ではなかなかスタメンのチャンスは回ってこないがチャンスを与えられたときは結果を残している。FW山田寛は記録はオウンゴールになったが前半45分の先制ゴールの場面にはしっかりと絡んだ。

何と言っても目立ったのは左SBのDF山中になる。1点目がオウンゴールになったので2アシストとはならなかったが「限りなく2アシストだった。」と言える。こちらもなかなかリーグ戦でスタメンのチャンスがなかったが巡ってきたチャンスを生かした。C大阪はルヴァン杯は開幕2連勝。ルヴァン組がアピールに成功しており、「ルヴァン杯で活躍してリーグ戦でプレーするチャンスを得た。」という選手がたくさんいる。

いい競争が生まれているが左SBはDF山中がファーストチョイスになりそうだ。このポジションは2010年の途中からほぼずっとDF丸橋の指定席だったがついにDF丸橋を蹴落とす選手が出てきた。近年のDF丸橋はなかなか縦に仕掛けることが出来ないので「縦に仕掛けてからクロスを入れてゴールを生み出したDF山中のプレー」は新鮮だった。両者とも守備面を抱えているがDF山中の左足とクロスにはロマンがある。

■　敗れた清水は2連敗

敗れた清水は2連敗となった。FWチアゴ・サンタナ、MF松岡大、DFヴァウドなどが怪我で離脱しているので台所事情は苦しいがCF系の選手がいないのはキツイ。開幕後に獲得が発表されたFWオ・セフンにかかる期待は大きいが3月16日(水)の時点でもまだ「入国した。」という情報は流れていない。フォワード陣は今シーズンの清水の強みの1つだったが同時期に複数のフォワードが怪我で離脱してしまった。

フォワード陣に怪我人が多発している影響は2列目にも及んでいる。SBが本職となるMF山原をサイドハーフで起用しているが「サイドハーフとしての適性が高い。」とは思えない。SBとしては攻撃力があって厚みを加えることが出来るがサイドハーフになると持ち味は出にくい。MF高橋大がスタメンで起用されて初ゴールを決めたのはポジティブに考えられるが序盤戦は選手のやり繰りで平岡監督は苦労している。

次の5節は神戸戦(H)になる。未勝利の神戸は死に物狂いで戦うはずなのでタフな試合になる可能性は高い。上位争いに参加できるのか？下位グループに巻き込まれるのか？を決める重要な試合になるだろう。日本代表に選出されてW杯予選を戦うGK権田にとってはいい気分で代表に向かうためにも勝ち点「3」が欲しい。決定機を外したMFベンジャミン・コロリをどう生かすのか？が次の試合の注目点になる。