■ J3の第17節J3の第17節。7勝2敗6分けで勝ち点「27」のロアッソ熊本はホームのえがお健康スタジアムでFC今治と対戦した。FC今治は2勝7敗6分けで勝ち点「12」。J2復帰を目指す熊本は16節を終えた時点で2位。首位の富山との差は「2」のみ。絶好の位置に付けている。対するFC今治は開幕前は上位候補に挙げられたがブービーの14位と低迷している。5月24日(月)に監督交代を実施して布啓一郎監督が就任した。
ホームの熊本は「3-1-4-2」。GK佐藤優。DF黒木晃、菅田、酒井崇。MF河原創、上村周、竹本、杉山直、ターレス。FW伊東俊、高橋利。14試合で4ゴールを挙げているFW浅川はベンチスタート。再開初戦となる16節の鳥取戦(A)で先制ゴールを決めたFW伊東俊は4試合連続スタメンとなった。大卒1年目ながら攻撃の中心として活躍するMF杉山直は15試合で3ゴール2アシスト。MFターレスは高卒1年目になる。
対するアウェイのFC今治は「4-2-2-2」。GK修行。DF原田亘、園田、市原、上原拓。MF小松駿、楠美、山田貴、島村拓。FW安藤智、玉城。CBが本職となる大卒ルーキーのDF安藤智がフォワードの位置で起用された。今シーズン3回目のスタメンとなるが過去2回はいずれもCBの位置でスタートした。夏の移籍市場で山形から獲得したボランチのMF小松駿は2試合連続スタメン。MF橋本英はベンチスタートとなった。
■ 1対0で逃げ切った熊本は首位に浮上2位の熊本と14位のFC今治の試合は前半8分にFW伊東俊に決定機が訪れたがヘディングシュートは枠を捉えることが出来ない。FC今治は前半21分に古巣対決となるDF園田が強烈なシュートを放ったがキーパーにセーブされる。0対0で迎えた前半27分に右サイドでレフティのMF杉山直がボールを持つと利き足ではない右足でクロスを入れる。これをFW高橋利が頭で合わせてホームの熊本が先制に成功する。
大卒2年目のはFW高橋利は今シーズン5ゴール目となった。下位から脱出したいFC今治は後半15分にFW安藤智を下げて復帰戦となるFWバルデマールを投入する。9試合で3ゴールを挙げているFWバルデマールに期待がかかったがなかなかシュートチャンスをつかめない。後半39分には右SBのDF原田亘を下げて元・日本代表のDF駒野を投入。先日、40才の大台を迎えたDF駒野のクロスに期待を寄せた。
終了間際にFC今治は途中出場したMF梁賢柱が右足で強烈なシュートを放ったが惜しくも枠を捉えることは出来なかった。熊本は命拾いした。1対0で何とか逃げ切った熊本は6試合負けなし。2連勝で首位に浮上した。敗れたFC今治は5試合勝ちなしで14位のまま。最下位で15位の鳥取との差は「1」となる。熾烈を極める2021年のJ3の上位争いは熊本・富山・福島・岩手・FC岐阜の5チームが中心になっている。
■ ブラジル出身で高卒1年目のMFターレス熊本は再開後は2連勝となった。首位の富山が敗れたので首位に浮上した。価値ある決勝ゴールを奪ったのはFW高橋利だった。今シーズンは怪我の影響で出遅れたが復帰してからは11試合で5ゴールとコンスタントにゴールを決めており、同じ4ゴールだったFW浅川を上回って単独でのチーム内得点王になった。2020年は32試合で9ゴール3アシストだったが2年目の今シーズンもしっかりと結果を残している。
「利き足は頭」と公言するほどヘディングには自信を持っているがサイドからのクロスに対してうまく頭で合わせた。点取り屋としての資質はFW浅川の方が上だと思うがハードワークが出来て、かつ、つぶれ役にもなれる選手なので大木監督の評価は相当に高い。昨シーズンは勝負所の終盤戦にゴールが止まってチームも大失速したが同じ失敗は繰り返したくない。自らの活躍でJ2昇格の切符を勝ち取りたい。
決勝ゴールをアシストしたのは大卒ルーキーのMF杉山直だったが16試合で3ゴール3アシスト。結果を残している。各種のスタッツも軒並み優秀。攻撃に関する項目の多くがJ3トップクラスになる。ボールタッチが柔らかくて左足を武器にしているがアシストの場面のように右足もしっかりと使えるようだとさらに止められない選手になる。レフティのアタッカーにとって「右足のクロスの精度」も無視できない要素である。
攻撃の中心であるMF杉山直の隣でプレーするのは秀岳館高出身でブラジル人のMFターレスになる。7節まではベンチ入りの機会もなかったが高卒1年目ながら9節以降はスタメンでプレーする機会が増えており、インサイドハーフの定位置を確保しつつある。175センチ/75キロ。20歳になったばかりとは思えないほどがっちりした体格で攻守にハードワークできる。派手さはあまりないが実戦的な選手である。
■ 監督交代後も1勝4敗4分け敗れたFC今治はなかなか結果が出ないもどかしいシーズンになっている。8節を終えた時点でリュイス監督が退任して元・市船の布啓一郎監督が就任したが監督交代後は9試合で1勝4敗4分けとなる。リュイス監督のときは8試合で1勝4敗2分けだったので成績はほとんど同じである。パスをつなぐサッカーは諦めて手堅いサッカーに切り替わったが「意図が分りにくい監督交代だった。」と言わざる得ない。
上位を目指したシーズンでスタートで大きく躓いたので監督交代という決断が下されるのは仕方がないがスペイン出身のリュイス監督から布啓一郎監督にスイッチすると選手は相当に戸惑うだろう。この日はCBが本職となるFW安藤智を最前線で起用して彼の出来はまずまず良かったがトータルのシュート数は6本のみ。なかなかシュートチャンスを作れなかった。今シーズンは16試合でわずか15得点となる。
J3には降格がないことを考えると野心を持ったクラブであるFC今治が現実的なサッカーを志向する布啓一郎監督を招聘したのはミスマッチだったと思うが2勝8敗6分けとなったので上位進出は絶望的である。「目標を見つけにくい状況」になりつつある。数少ない収穫に挙げられるのは夏に加入した新戦力のMF小松駿がボランチの位置で起用されてまずまずのプレーを見せている点。ゲームメイクの出来る選手である。
★ 現在の投票数 → 42票
→ 必ず2チームを選択してから投票を行ってください。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
サッカーコラム J3 Plus チャンネル(再生数のベスト25)
第01位 Jリーグの人気チャントのランキング (1位-10位) (2020年版) → 再生数:222,419 回
第02位 【Jリーグ】 好きなサッカースタジアム (1位-10位) → 再生数:109,786回
第03位 【Jリーグ】 サポーターの応援が凄いクラブ (1位~10位) → 再生数:92,163回
第04位 【Jリーグ】 サポーターが温かいクラブ (1位~10位) → 再生数:67,404回
第05位 【J2限定】 人気チャントのランキング (1位-10位) → 再生数:56,136回
第06位 【J2限定】 2020年の若手のブレイク候補 (1位~20位) → 再生数:41,645回
第07位 【Jリーグ】 「地域密着に成功している。」と思うクラブ (1位-10位) → 再生数:33,661回
第08位 Jリーグの人気チャントのランキング (11位-20位) (2020年版) → 再生数:28,348回
第09位 【J2】 2020年の順位予想をしてみた。 (上位グループ編) → 再生数:24,908回
第10位 【サッカーファンが選ぶ】 「J2で面白いサッカーをしている。」と思うクラブ (1位-10位) → 再生数:21,073回
第11位 【Jリーグ】 試合中の雰囲気のいいスタジアム (トップ10) → 再生数:20,800回
第12位 【Jリーグ】 補強が上手なクラブ (1位-10位) → 再生数:20,519回
第13位 【Jリーグ】 今夏の移籍市場で動向が気になるフォワード (1位-10位) → 再生数:19,758回
第14位 【Jリーグ】 「クラブ名がかっこいい。」と思うクラブ (1位-10位) → 再生数:19,060回
第15位 【Jリーグ】 新外国人選手の発掘が上手なクラブ (1位-10位) → 再生数:18,404回
第16位 【J3】 2020年の順位予想をしてみた。 (開幕直前!!!) → 再生数:18,061回
第17位 【Jリーグ】 今夏の移籍市場で動向が気になるボランチ (1位-10位) → 再生数:17,556回
第18位 【Jリーグ】 46クラブのサポーター なんでもベスト10 (第1弾) → 再生数:16,774回
第19位 【Jリーグ】 「コロナ禍」がプラスになりそうなクラブ (1位-10位) → 再生数:16,645回
第20位 【J2】 2020年の順位予想をしてみた。 (下位グループ編) → 再生数:14,657回
第21位 【Jリーグの56クラブの中で・・・。】 「フロントが優秀だ。」と思うクラブ (1位-10位) → 再生数:13,610回
第22位 【Jリーグ】 今夏の移籍市場で動向が気になるキーパー (1位-10位) → 再生数:13,103回
第23位 【Jリーグ】 応援が面白いクラブ (1位~10位) → 再生数:12,960回
第24位 【Jリーグ】 「コロナ禍」によるダメージが大きそうなクラブ (1位-10位) → 再生数:12,593回
第25位 【J1】 2020年の順位予想をしてみた。 (下位グループ編) → 再生数:12,009回
第26位 【Jリーグ】 好きなJ1のクラブはどこですか? (1位-10位) → 再生数:11,866回
第27位 【J1限定】 ホームで強いチーム (1位-10位) → 再生数:11,427回
第28位 【Jリーグ】 若手育成力の高いクラブ (1位-10位) → 再生数:11,052回
第29位 【Jリーグ】 「ユニフォームがかっこいい。」と思うクラブ (1位-10位) → 再生数:10,769回
第30位 【Jリーグ】 今夏の移籍市場で動向が気になる右SB/WB (1位-10位) → 再生数:10,727回
- 関連記事
-