■ 多様な役割が求められる現代的なSB「偽サイドバック」という言葉が頻繁に使用されるになったのはわずか数年前のことになるがJリーグでも「SBのメインの仕事」と思われていたサイドを駆け上がってクロスを上げたり、堅実なプレーでサイドの守備を安定させることにとどまらないたくさんの役割を与えられるSBが増えてきた。「後方からしっかりとボールを受けて組み立てに参加できるSBの価値や重要度」は日本でも世界でも大きく高まっている。
JリーグでプレーするSBの中で「フィード力が高いSB」というと横浜FMの2人を挙げることが出来る。マンチェスターCとのかかわりが深いクラブなので早い段階から「シティ・スタイル」を取り入れているが右SBのDF松原健のポジショニングのセンスや組み立てのセンスは欠かせない武器になっている。(サイドではなくて)中央のエリアでボールを受けてウイングの選手に絶妙なスルーパスを出すプレー18番と言える。
今夏にベルギーのロケレンから加入したDF小池龍(横浜FM)もフィード力の高い右SBと言える。他には昨シーズンまでプレーしたDF広瀬陸(鹿島)であったり、昨オフにJ2の山口から加入して夏に松本山雅に期限付き移籍したDF前貴之(松本山雅)もテクニックがあってクレバーでビルドアップでの貢献度が非常に高いSBである。「横浜FMの超・攻撃的なサッカーにはそういう現代的なSBが絶対に必要」と言える。
DF小池龍は山口で頭角を現して2017年に柏に移籍したが山口時代から「組み立てに参加できる点」が高く評価されていた。柏では右SHのMF伊東純と名コンビを形成したが同じようにSBの選手でありながらスルーパスを出すことが出来る。「DF小池龍のスルーパスからMF伊東純が抜け出して決定機を作る。」という場面はたくさんあった。スピードがあってクレバーなので「現代的なサイドバック」と言える。