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【J3】開幕4連勝のブラウブリッツ秋田とロアッソ熊本。ガイナーレ鳥取も好発進。 | | |　

■　開幕4連勝は秋田と熊本

6月27日(土)に開幕したJ3は4節が終了したが初昇格を目指す秋田が開幕4連勝。好スタートを切った。2015年～2019年まで沼津を率いた名将の吉田謙監督の招聘に成功したが4試合で9得点/0失点。得失点差は早くも「+9」。ここまでは文句なしの結果を残している。岩手との開幕戦はコロナ後のJリーグ全体のオープニングゲームだったので全国的な注目を集めたが4対0というスコアで秋田監督率いる岩手に大勝した。

吉田謙監督というと「堅守速攻」のイメージが強いがFW齋藤恵、FW中村亮、MF沖野、MF久富賢という攻撃のカルテットのスピードはJリーグでもトップクラスと言える。Jリーグ最速とも言われるFW齋藤恵は岩手との開幕戦では2ゴールを記録したが驚異のスピードは秋田の大きな武器になっている。FW齋藤恵が加入したことでFW中村亮にかかる負担は大きく減った。FW中村亮は開幕戦は3アシストの大活躍だった。

興味深いのは秋田のドリブル数・パス数・ボール支配率・30mライン進入回数がいずれもJ3の18クラブの中で一番下になる点。シンプルなサッカーを披露していることがよく分かる。ペナルティエリア進入回数も17位となる。優れているのは枠内シュート数。これはJ3最多となる。攻撃的なポジションの選手は決定機を確実に仕留めている。一方、DF韓浩康とDF千田を中心とした守備陣は4試合連続で無失点となる。

2017年にJ3を制覇した時の主力は少なくなったが「クラブとしてJ3を制覇した経験がある。」というのは大きなプラスと言える。今シーズンのJ3は明らかに西高東低なので「当面は近隣のクラブ同士の対戦になる。」という日程にアシストされているところもあるが隙のない戦いを見せている。4節の富山戦(A)以降は上位候補との対戦が多くなるが開幕からの連勝記録がどこまで続くのか？は興味深いところである。

■　大木監督を招聘した熊本

熊本も同様に開幕4連勝。好スタートを切った。3節のC大阪U-23戦(H)で大量5ゴールを奪うなど4試合で計10ゴールを奪っている。サプライズは大卒ルーキーのFW高橋利の活躍だろう。4試合で3ゴールを奪っている。182センチとサイズに恵まれているが走力があって攻守両面でアグレッシブにプレーできる。なかなかJリーグ初ゴールが生まれなかったMF中原輝についに初ゴールが生まれたのも非常に大きい。

今シーズンから大木監督が就任したが最高のスタートを切ったと言える。開幕の鹿児島戦(H)の勝利で勢いに乗ることが出来たが2節はFC今治、3節はC大阪U-23、4節はG大阪U-23なので対戦カードに恵まれたのも確かなことである。5節はアウェイのFC岐阜戦、6節はアウェイの讃岐戦、7節はホームの鳥取戦になるが、ここが最初のヤマ場と言える。FC岐阜戦で勝利できると早くもFC岐阜との差が「10」になる。

当面のJ3は「秋田とFC岐阜の開幕からの連勝記録がどこまで続くのか？」が注目点になる。日程を確認すると8月9日(日)に行われる9節で両者がソユースタジアムで激闘する予定になっている。ここまでの戦いぶりを考えると首位攻防戦になる可能性は高い。熊本は大木監督になったがパス数は5位、ボール支配率は6位なので京都やFC岐阜の時と比較して極端なほどパスをつなごうとするサッカーではないようだ。

2013年以来のJ2復帰を目指す鳥取は3勝1敗。2節のFC岐阜戦(H)は打ち合いの末に2対3で敗れたが4節の鹿児島戦はアウェイで勝ち点「3」を獲得した。目立つのは四日市中央工高出身の高卒ルーキーのFW田口裕になる。1節のC大阪U-23戦(A)、3節のG大阪U-23戦(A)はいずれも途中出場でゴールをゲットしている。また、年代別代表で活躍したMF坂井大がここまで3ゴール。シャドーの一角で覚醒しつつある。

■　躓いた降格組の鹿児島とFC岐阜

秋田・熊本・鳥取は好スタートを切ったが逆に出遅れたのは降格組のFC岐阜と鹿児島になる。FC岐阜はここまで1勝1敗2分け、鹿児島はここまで1勝2敗1分け。どちらもまだ1勝のみとなる。昨シーズンの戦いぶりならびに今シーズンのメンバーを考えると「ある程度は苦戦するだろう。」と思っていたが現状は中位以下になる。J2からJ3に降格したクラブはJ3で低迷するケースが多くなっているが苦しいスタートになった。

ただ、両チームのメンバー構成は対照的である。FC岐阜にもFW前田遼、FW高崎、FW川西、GK松本など経験のある選手は何人かいるが基本的には25歳前後の選手が中心になる。MF粟飯原、MF富樫佑、DF甲斐、DF橋口などが主力として起用されている。対して鹿児島はFW馬場、MF酒本、DF青山直などが主力を担っており、若手と言える年代の選手は極めて少ない。鹿児島のスタメンの平均年齢は非常に高い。

なので、伸びしろや可能性を感じるのはFC岐阜の方になる。4節のC大阪U-23戦(A)で敗れるなど取りこぼしが目立つがドリブル数・クロス数・ペナルティエリア進入回数がいずれもJ3で1位なので攻撃に関してはそこまで悲観する必要はないだろう。守備陣もGK松本、DF甲斐、DF橋口の3人の能力は相当に高い。慌てる必要はないと思うが、先のとおり、5節の熊本戦(H)で敗れるようだと早くも黄色信号が灯る。

「優勝候補の筆頭」に挙げられた富山も1勝2敗1分けと出遅れた。唯一の勝利は2節のY.S.C.C.横浜戦(A)。0対3から後半に4ゴールを奪って大逆転勝利を飾ったが普通に考えるとY.S.C.C.横浜戦も負けゲームである。フォワードの駒が豊富になってまだメンバーを固定できていないが「誰をフォワードの軸に据えるのか？」が注目点になる。FW平松、FW大野耀、FW武、FW松澤などCF系の選手をたくさん擁している。

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