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【J2】再開直前(?)のクラブ別の展望 (アルビレックス新潟編/ツエーゲン金沢編) | | |　

アルビレックス新潟

→　新監督を招聘した新潟の開幕戦はアウェーの群馬戦だった後半の終盤に3連続ゴールを奪って3対0で勝利した。同じように3対0で勝利した徳島と並んで首位発進となった。なかなか先制ゴールを奪えなかったが群馬の放ったシュートは90分を通してわずか1本のみ。群馬にほとんどシュートチャンスを作らせなかった。ボール支配率は56.5%だったので極端に高い数字ではなかったが「完勝だった。」と言える。

1トップの位置で起用されたFW渡邉新が先制ゴールをゲットして、期待の新戦力のFWファビオも途中出場でゴールを決めるなど幸先のいいスタートを切ったが「十分にJ1昇格を狙えるチームになっている。」と言える。「バルサ流のショートパス主体のサッカーを目指すのでは？」と言われていたが打開力のある選手がたくさんいるのが今シーズンの新潟の強みとなる。攻撃的なポジションの層はまずまず厚い。

いいスタートを切ったので新型コロナでの中断は残念に感じていると思うが新しいサッカーに取り組んでいることを考えると「いい準備期間になる可能性は高い。」と言える。開幕戦ではFW渡邉新を1トップの位置で起用したが高さがあってスピードもあるFWファビオを1トップの位置で固定できると迫力は増すだろう。MFロメロ・フランクはサイドハーフでの起用になったが彼はボランチでもプレーすることが出来る。

昇格争いに食い込めるか？否か？のカギを握るのは守備陣だろう。開幕戦ではDFマウロとDF舞行龍ジェームズがCBコンビを組んだが2人のパフォーマンスはチームの成績に大きく影響するはず。過密日程になることが確実なのでDF田上やDF岡本將などの役割も重要になってくる。開幕戦ではあまり仕事の機会がなかった五輪代表のGK小島亨はフィード力の高い選手なので新生・新潟のスタイルに合うだろう。

期待の若手が多い点もポジティブに考えられる。19歳のMF秋山裕は開幕スタメンを獲得しており、同じく19才のMF本間至は今シーズンから10番を背負っている。打開力のあるMF本間至は今シーズンのブレイク候補の1人に挙げられる。降格がなくなったことでじっくりとチームを作り上げようとするチームもたくさん出てくると思うが新潟は「2020年が勝負の1年」になる。2017年以来のJ1復帰を目指せる戦力である。

ツエーゲン金沢

→　開幕戦はアウェイで岡山と対戦したが0対0で迎えた後半35分にCKからFWイ・ヨンジェにゴールを許して0対1で敗れた。黒星スタートを切ったがなかなかいい形を作れなかった。オフにFW垣田、FW小松蓮、FWクルーニーという大型フォワード3人が抜けてしまったが「3人が抜けた穴は大きい。」と言わざる得ない。開幕戦はFWルカオとFW加藤陸の2トップだったが新生・2トップは攻撃の起点になれなかった。

ポジティブな要素の少ない開幕戦になったが柳下監督になってからの金沢は、ほぼ毎年、スロースタートである。柳下監督が未知数の若手を積極的に使うタイプの監督なので開幕当初は経験不足やコンビネーション不足を露呈して結果につながらないが試合を重ねるごとに内容面が向上して結果も伴うようになる。ある程度のレベルになるまでに時間がかかるチームであることを考えるとコロナでの中断は悪くない。

「試合をこなしながらチーム力を高めていく。」というのは出来なくなったが中断期間中に激しいトレーニングを行って完成度が高まった状態で再開初戦を迎える可能性は高い。選手層の厚いチームではないので過密日程になる点は不安に感じるがJ2の22クラブの中では平均年齢の低いクラブなので「若さ」で乗り切りたい。昨シーズンは11位という成績だったが「ダークホース的な存在」になる可能性もある。

柳下監督は今シーズンが4年目になる。在籍期間が長くなっているので「来シーズンも金沢を指揮するのか？否か？」は分からないが「2020年は育成のシーズンにして2021年に勝負を賭ける。」というのも十分に考えられる。来シーズンはJ1からJ2に降格してくるチームが無いので例年と比べるとはるかに昇格を狙いやすいシーズンになる。金沢に限った話ではないが2021年に照準を合わせるチームも出てくるだろう。

FWルカオ、DF下川陽、FW山根永、DFホドルフォ、DF山田将、DF杉井などが期限付き移籍中の選手になるが先を見据えるのであれば自前の選手を積極的に使っていきたい。開幕戦では19才のCBのDF石尾がスタメン出場を果たしたが高卒1年目のDF高安とMF田路、高卒2年目のMF窪田、大卒1年目のMF本塚など有望視される選手は少なくない。言うまでもなく、柳下監督は日本有数の育成力に長けた指導者である。