■ 上位争いが混戦になっているJ3リーグJ3は23節が終了した時点で昇格組のアスルクラロ沼津が勝ち点「45」で首位を走っている。2位はブラウブリッツ秋田で勝ち点「44」、3位は栃木SCで勝ち点「43」となる。4位の鹿児島ユナイテッドが勝ち点「38」、5位のカターレ富山が勝ち点「37」、6位の長野パルセイロが勝ち点「35」、7位のギラヴァンツ北九州が勝ち点「33」、8位のFC琉球が勝ち点「32」なので、今シーズンも上位は混戦になっている。
消化試合数は2位の秋田と7位の北九州が1つ少ない。実質的には秋田が「隠れ首位」と言えるが、開幕から15試合負けなしの後は6試合で2勝3敗1分けと急失速。調子を崩している。その隙にここ10試合負けなしの沼津が首位に浮上したがここまでの22試合で51ゴールを奪っている。1試合平均の得点は「2.32」。リーグ2位の得点数を誇る秋田でも「1.76」なので、昇格組の沼津の得点力の高さは群を抜いている。
J2経験のない2チームが上位争いの中心になっているが残念ながら2チームともスタジアムの問題を抱えており、2位以内に入ったとしてもJ2に昇格することはできない。仮に沼津や秋田が2位以内に入ったときは「J3からJ2に昇格するチームの数」が減ることになるのでJ2で残留争いに巻き込まれている金沢・讃岐・熊本・山口・群馬の選手やサポーターはJ3の沼津や秋田のことを懸命に応援しているはずである。
■ 首位に浮上した沼津の強力な右サイド34節が最終節なので全日程の約2/3を消化しているが「今シーズンのJ3のMVPは誰になるのか?」を考えてみたいと思うが、首位を走る沼津の中では右SBのDF尾崎、右SHのMF中村亮、ストライカーのFW薗田の3人の名前が候補に挙げられる。新潟や鳥取でもプレーしたベテランの右SBのDF尾崎はここまでラストパスの本数がJ3で最多となる53本。定評のある右足のクロスから多くのチャンスを演出している。
主に右SHでプレーするMF中村亮はフィジカルの強さを生かした突破と精度の高いクロスが持ち味となる。DF尾崎とMF中村亮で組む右サイドは沼津の最大のストロングポイントである。20試合で7ゴールを挙げているがJ3の得点ランキングで7位タイ。チャンスメーカーとしてだけでなくフィニッシャとしても活躍している。エースのFW薗田は22試合で14ゴール。J3の得点ランキングで2位に付けている。
2位に転落した秋田のMVP候補というと、やはり、前線のトライアングルである。1トップのFW田中智、シャドーのMF前山とMF久富賢のコンビネーションは洗練されている。守備の要として活躍しているDF有薗もMVP候補に挙げられるが、一番目立つのはFW田中智である。21試合で11ゴールを挙げているが味方を使うのが上手な選手でラストパスの本数は41本。J3の中では4番目となる。アシストの数も非常に多い。
■ 2年連続のJ3得点王を目指すFW藤本憲明夏の移籍市場でFWネイツ・ペチュニクの獲得に成功した栃木SCはここ6試合で5勝1分け。FWネイツ・ペチュニクは期待以上の働きを見せている。2015年以来のJ2復帰に向けて好位置に付けているが栃木SCの選手の中でMVP候補と言えるのは守護神のGKジョニー・レオーニ、ボランチのMF仙石、ドリブラーのMF西谷の3人である。MF仙石はラストパスの本数がJ3で2番目に多い50本。多くのチャンスを演出している。
4位の鹿児島もここ7試合で5勝1敗1分けと好調。昇格争いに絡んできた。昨シーズンはJ2ライセンスを取得できなかったが今シーズンは「無事に取得できる可能性は高い。」と言われているので初のJ2昇格に最も近いクラブと言えるが、チームを引っ張るのはエースのFW藤本憲である。20試合で15ゴールを挙げて得点王争いの首位に立っている。2年連続のJ3得点王に向けて順調にゴールを積み重ねている。
逆に富山はここ5試合で0勝3敗2分けと不振。18節まで2位と自動昇格圏だったが圏外に転落した。踏ん張りどころを迎えているが富山の中でMVP候補と言えるのは守護神のGK永井堅だろう。22試合で16失点というのはリーグ2位の少なさとなる。ビッグセーブで何度もチームを救ってきた。6位と苦しい位置にいる長野の守護神もGK阿部もMVP候補と言える。22試合でわずか13失点。リーグ最少の失点数を誇る。
■ 1位に選んだのはFW田中智大(ブラウブリッツ秋田)「優勝候補の筆頭」と言われながら10勝8敗3分けで7位と苦しんでいる北九州は「1年でのJ2復帰」が難しくなってきたがチームの顔であるMF池元は孤軍奮闘している。21試合で13ゴールを挙げている。攻撃的なサッカーでJ3の中では異彩を放つFC琉球の選手の中ではここ最近はフォワードの位置で起用されているFW富所悠の活躍が目立っている。22試合で10ゴールと今シーズンはゴールでチームに貢献している。
ここまでに名前を挙げた選手が今シーズンのJ3のMVP候補に挙げられるが順位を付けると以下の通りとなる。ゴールだけでなくアシストでもチームに貢献しているFW田中智(秋田)を1位に選んだ。今シーズンのパフォーマンスは圧巻で、勝負所でゴールを決めてチームを助けている。2位はベテランのDF尾崎(沼津)で、3位はMF中村亮(沼津)。昇格組の沼津の躍進というのはJ3の最大のトピックスと言えるだろう。
J3+が選ぶここまでのMVPランキング 1位 : FW 田中智大 (ブラウブリッツ秋田)
2位 : DF 尾崎瑛一郎 (アスルクラロ沼津)
3位 : MF 中村亮太 (アスルクラロ沼津)
4位 : FW 藤本憲明 (鹿児島ユナイテッド)
5位 : GK 永井堅梧 (カターレ富山)
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