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【Jリーグ】今年のJ3の昇格争いはハイレベルで、かつ、面白い。～秋田・熊本・鳥取の3強が中心～ | | |　

■　ロケットスタートに成功した秋田

J3は13節が終了した。長丁場のリーグ戦は中盤戦に差し掛かっているが開幕から12試合負けなしの秋田が首位を快走している。11節の福島 vs FC岐阜、12節の富山 vs 八戸、同じく12節のFC岐阜 vs 秋田の3試合はいずれも雷雨の影響で中止になったのでFC岐阜は2試合、秋田と富山と八戸と福島は1試合だけ消化試合数が少なくなるが、1試合消化が少ないにもかかわらず、秋田が頭1つ抜け出す形になっている。

2位の熊本との差は「3」、3位の鳥取との差は「5」。「悲願のJ2昇格」の大きなチャンスを迎えている。秋田というと「J2ライセンス」が取得できなかった2017年にJ3制覇を達成しているが当時のメンバーはたくさんチームを離れた。メンバーは大きく変わったがそれでもMF山田尚、MF久富賢、MF前山、DF千田、DF韓浩康などは変わらずチームに在籍している。「J3を制覇した経験がある。」というのは強みになる。

秋田は12試合を戦って勝ち点「32」。取りこぼしがほとんどないので本来であれば独走をしていてもおかしくないが今シーズンのJ3は熊本ならびに鳥取もハイペースで勝ち点を積み上げており、大きな差は広がっていない。2位の熊本は9勝2敗2分けで勝ち点「29」。順調に勝ち点を積み上げている。27得点というのはJ3最多。エースのMF谷口海は8ゴール、大卒ルーキーのFW高橋利が7ゴールを挙げている。

熊本は13試合で勝ち点「29」を獲得しているが1試合平均の勝ち点は「2.23」になる。これは2014年からスタートしたJ3の中では2020年の秋田の「2.67」、2014年の金沢の「2.27」に次いで3番に高い数字になる。あくまでも13節を終えた時点での数字になるが2015年の山口や2016年の大分や2017年の秋田や2019年の北九州の勝ち点ペースを上回っている。J3で歴代3位なので順調に勝ち点を積み上げている。

■　秋田の強みはセットプレーと高速カウンター

さらに言うと3位の鳥取も8勝3敗2分けで勝ち点「26」。1試合平均の勝ち点が「2.08」なので同じくハイペースで勝ち点を積み上げている。鳥取の数字は歴代7位。2016年の大分や2018年のFC琉球などの勝ち点ペースを上回っており、例年であれば間違いなく2位以内に入るだろう好成績になる。秋田はもちろん、熊本と鳥取も2位や3位のチームとは思えないほど結果を出しているので昇格争いはハイレベルである。

4位の長野、5位の鹿児島、6位のFC今治、7位の藤枝MYFCはいずれも勝ち点「20」となる。8位のSC相模原、9位の富山、10位のFC岐阜などが上位に離されることなく付いていけるのか？否か？は目下の注目点になる。先のとおり、雷雨の影響で、富山は1試合、FC岐阜は2試合が延期になっているので秋に開催されるだろう延期分の試合で勝ち点を積み上げることが出来ると上位3チームとの差は一気に縮まる。

秋田は盤石と言える。12試合で22得点/4失点というのは驚異的である。1試合平均の失点数は驚異の「0.33」。これは1993年にスタートしたJリーグ(J1・J2・J3)の全チームの中で最も優れた数字になる。過去の記録はJ3時代の町田が2015年に記録した「0.50」になる。この年の町田は36試合でわずか18失点のみだったが「記録更新なるか？」も注目点になる。この年の町田は2位でJ2昇格を達成している。

秋田の攻撃陣の強みはセットプレーと高速カウンターになる。MF江口の精度の高い右足から今シーズンはたくさんのゴールが生まれており、MF江口は11試合で2ゴール5アシストを記録している。Jリーグ屈指のスピードを持つFW齋藤恵を中心としたカウンターは迫力があるがFW中村亮、MF久富賢、MF沖野などもスピードのある選手である。分かりやすい特徴を持った選手を多く擁しているのが今シーズンの秋田である。

■　降格組の巻き返しはあるか？

3位の鳥取は13試合で21得点/11失点なのでバランスが取れている。期待の新戦力のFWジョアンデルソンはまだ1ゴールのみ。39歳になったMFフェルナンジーニョは今シーズンはスタメンから外れる試合が多くなっているが五輪世代のMF坂井大がシャドーの位置で起用されて覚醒中。5ゴールを挙げている。高卒ルーキーながらすでに3ゴールを挙げている四日市中央工高出身のFW田口裕の頑張りも目立っている。

長野は5勝3敗5分けで勝ち点「20」。5位とまずまずの位置に付けている。長きに渡って長野を支えてきたFW宇野沢やMF有永やDF大島嵩やDF松原優などが抜けて新しい時代に入ったが若手主体のアグレッシブなサッカーを見せている。Jリーグで実績のある選手はあまり多くないが東洋大から加入した大卒ルーキーのMF坪川は左利きで周りが良く見える優秀なアンカーである。長野で攻守の要になっている。

降格組の鹿児島はここ5試合で3勝1敗1分け。徐々にエンジンがかかってきたが起爆剤になっているのは加入して2年目のFW米澤になる。昨シーズンは期待外れに終わったがここ5試合で4ゴールを挙げるなど量産体制に入っている。FW酒本、FW馬場、DF藤原広など経験のある選手が中心になっているが「2位以内」に入るためには若い世代の活躍が必要である。FW米澤、MF三宅、DF岡本將などの活躍に期待したい。

同じく降格1年目のFC岐阜は5勝3敗3分けで勝ち点「18」。先のとおり、消化試合数は2つだけ少ないが10位なので不本意なシーズンになっている。若手主体のチームなので波があるのは仕方がないがMF粟飯原、MF村田透、DFイヨハ・理・ヘンリー、FW町田ブライト、MF大西遼などポテンシャルの高い若手がたくさんいるのが強みとなる。このあたりの選手がさらに成長するようだと大型連勝も期待できるが・・・。

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