■ 残留争いに巻き込まれているジュビロ磐田J1は12節が終了した。約1/3の日程が終了したがJ2からJ1に昇格した京都と磐田の2チームは対照的な序盤戦になった。京都は2010年以来なのでかなり久しぶりにJ1を戦っているが4勝4敗4分けでイーブンの成績となる。ここ3試合は0勝2敗1分けなので結果が出ていないが12試合で勝ち点「16」というのはまずまずと言える。5位の鳥栖との差は「3」のみ。3位の横浜FMとの差も「5」なのでACL争いに絡んでいる。
その一方で磐田は2勝5敗5分けで勝ち点「11」。16位と入替戦圏内に位置する。3節の京都戦(A)は4対1で大勝。初勝利を挙げたが4節から6試合勝ちなしと苦しんだ。10節の名古屋戦(H)は終盤にMF大津祐が連続ゴールを決めて2対1で逆転勝利を飾ったがここまで2勝のみ。17位の湘南との差は「4」、18位の神戸との差は「7」。残留争いに巻き込まれている。「1年でのJ2降格」だけは何が何でも避けなければいけない。
J2の甲府で好成績を残した伊藤彰監督を引き抜いたので複数年契約を結んでいる可能性は高い。「早期の監督交代」は出来れば避けたいがこのままの状況が続くようだとフロントも決断を下さざる得ない。不気味なのは18位の神戸の存在になる。開幕から11試合勝ちなしと苦しんでいるがMFイニエスタ、FW大迫、FW武藤嘉、MF山口蛍、DF酒井高などタレントは豊富。下位に低迷したままで降格というのは考えにくい。
■ あと9試合は現有戦力のままで戦わざる得ない。昨夏と同様で神戸は夏に大型補強を敢行する可能性がある。ロティーナ監督を招聘した神戸がこれから巻き返すことは十分に考えられるので「後ろから神戸が迫ってくる状況」というのは磐田に限らず大きなプレッシャーがかかる。神戸との試合は5月25日(水)に行われる15節に組まれているが「裏・天王山」になる可能性は高い。アウェイ戦になるが勝つか、負けるかは大違いである。引き分けでも現状は悪くない。
MF鈴木雄が右WBながら5ゴールと活躍しているがCFの軸として起用されているFW杉本健はここまで無得点。期待を裏切っている。ただ、12試合で15得点なので攻撃陣はそこまで悪くはない。FWファビアン・ゴンザレスとMF大津祐は3ゴール、FWジャーメイン良も2ゴールを挙げている。今年のJ1は名古屋や湘南や神戸など攻撃陣が結果を出せないチームが多くなっているが磐田はそれなりに結果は出ている。
「夏の移籍市場でフォワードの補強を行う。」というのは考えられるが2022年の第2登録期間(ウインドー)は7月15日(金)~8月12日(金)なので少なくとも21節までは夏の新戦力を使うことは出来ない。W杯の影響で今年は日程の消化が早いのでMAXでも13試合しか夏の新戦力を使えないことになる。あと9試合は現有戦力のままで戦わざる得ないのでFW杉本健の奮起は磐田の巻き返しのための必須の条件になる。
■ J1全体の平均年齢は27.69歳13節がFC東京戦(H)、14節が札幌戦(H)なのでホーム2連戦で浮上のきっかけを掴みたいが気になるのは年齢層の高さになる。12節を終えた時点で磐田の平均年齢は30.06歳。これはJ1の18クラブの中で断トツに高い数字になる。2番目に高いのは川崎Fで28.86歳なので磐田の平均年齢が飛び抜けて高いことが良く分かる。ちなみに42歳のMF遠藤の数字を抜いたとしても28.97歳なので川崎Fよりも上になる。
J1全体の平均年齢は27.69歳なので「平均よりも2.5歳ほど上」になるが、やはり、平均年齢が高い集団は過密日程になるといろいろと大変である。コンディションを維持するのは若手や中堅と比べると難しくて怪我のリスクも高まる。磐田は2021年も平均年齢は30.24歳だったので「昨シーズンと比べると少しだけ平均年齢は下がっている。」と言えるが過密日程になる2022年にベテラン軍団で戦うのはリスクが高い。
30.24歳という数字は相当に高いが、今、J1に所属している18クラブの中で、2015年~2022年の8年間に平均年齢が30歳を超えたシーズンがあるのは磐田以外では広島のみ。30歳越えは2018年の広島の30.12歳、2021年の磐田の30.24歳、2022年の磐田の30.06歳の3ケースのみとなる。広島は城福監督になってから一気に若返って2022年は27.85歳。磐田は残留争いをする中、世代交代に着手しないといけない。
ただ、当然のことながら、両方のミッションを達成するのはなかなか大変である。誤算はMF黒川とDF袴田がほとんど絡めていない点になる。特に伊藤彰監督の秘蔵っ子であるMF黒川が4試合の出場にとどまっているのは想定外である。25歳未満の選手でJ1で出場機会を得ているのはMF古川、MF吉長、DF森岡陸、MF鹿沼、MF黒川の5人しかいないが5人合わせてもプレー時間は617分のみ。全体の約5.2%にすぎない。
▼ 動画の投稿日 (2022年4月26日)
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